「富裕層」と聞くと、多くの人が高級車や豪邸、華やかなライフスタイルを思い浮かべるかもしれません。しかし、富裕層の成功は単なる偶然ではなく、日々の行動や考え方に基づいていることをご存じでしょうか。

今回は、いわゆる「富裕層」と呼ばれる人たちの定義を確認し、最新のデータから分布を確認していきましょう。富裕層に準ずる、準富裕層(5000万円以上1億円未満)が意外と多いことに驚くかもしれません。

元銀行員である筆者が見てきた「富裕層の共通点」についても3点ご紹介していきます。自分自身のお金との付き合い方を考えるきっかけにしてみてください。

1. 日本に「富裕層」はどのくらいいるのか

まずは、野村総合研究所(NRI)が2023年3月に発表した資料をもとに、「富裕層とは何か」について定義をみていきましょう。

1.1 純金融資産の計算式

【写真1枚目/全5枚】純金融資産の計算式は知っておこう。2枚目以降では富裕層の分布図なども紹介

計算機とお金の写真

出所:SB/istockphoto.com

世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。

純金融資産=金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など合計金額)ー負債(ローンなどの合計金額)

この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類になります。5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産は以下のとおりです。