シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は私鉄大手である小田急電鉄です。

小田急電鉄の平均年間給与はいくらか

小田急電鉄(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 755.5万円と700万円を超えています。また、従業員の平均年齢は39.8歳となっており若干ですが40歳を下回っています。平均勤続年数は18.9年となっています。

小田急電鉄の従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で3726名。単体で3000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • 運輸業:3073名
  • 流通業:ー名
  • 不動産業:212名
  • その他の事業:43名
  • 全社:398名

また、連結の従業員数は1万3834名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 運輸業:7175名
  • 流通業:1415名
  • 不動産業:797名
  • その他の事業:4049名
  • 全社:398名

過去5年の業績動向

小田急電鉄(連結)の業績推移についても見ておきましょう。

まず、売上高ですが、過去5年をみると横ばい傾向が続いています。2014年3月期に5231億円であった水準が、2018年3月期には売上高は5246億円となっています。

また、経常利益については増益傾向が継続しています。2014年3月期には420億円の水準であったものが、2018年3月期には478億円にまで増加しています。

投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益は200億円台でレンジ内での推移をしており、2014年3月期には250億円あったものが、2018年3月期には293億円となっています。

今後の注目点

小田急電鉄が発表している「長期ビジョン2020」では、グループ各社がそれぞれの役割を確実に実行するとともに、グループの協働を通じてキャッシュ・フローを最大化させ、企業価値の向上を目指しています。このようにキャッシュ・フローに重点を置いています。

こうした目標を達成するためのテーマは以下の2つです。

  • 沿線における複々線完成後のグループ収益を最大化する
  • 2020年度までに成長の種を蒔き育てる

更に2020年度までを「収益基盤を強化し事業成長すべき期間」と位置づけ、連結のEBITDA、有利子負債/EBITDA倍率を目標とする経営指標として設定するほか、ROAやROEについても注視しています。いずれも投資家が好みそうな指標を目標にしていることから今後の業績変化に注目です。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部