年金収入やその他の所得が一定基準を下回るなどの条件を満たす場合、「年金生活者支援給付金」が支給されます。
2024年9月2日から新たに受給対象となる方へ「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」が順次送付されていましたが、その申請期限は1月6日でした。期限に間に合わなかった人はどうなるのでしょうか。
この記事では、「年金生活者支援給付金」について詳しく解説します。
申請の手順についても見ていきましょう。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
1. 「年金生活者支援給付金」請求書が送付されたのはどんな人?
前年における年金収入とその他の所得が一定額に満たない人などに対し、「年金生活者支援給付金」請求書が送付されました。
例えば老齢年金生活者支援給付金を受給する人の場合、具体的な要件は以下の通りです。
1.1 老齢年金生活者支援給付金の対象者
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
また、障害年金の受給者は「障害年金生活者支援給付金」、遺族年金の受給者は「遺族年金生活者支援給付金」が受け取れるケースがあり、それぞれ所得要件(前年の所得が472万1000以下)があります。
以下のケースでは対象外となるので注意が必要です。
1.2 老齢年金生活者支援給付金の対象外となるケース
ただし、要件を満たす場合でも下記にあてはまる場合は対象外となります。
- 日本国内に住所がないとき
- 年金が全額支給停止のとき
- 刑事施設等に拘禁されているとき
請求書が届いた人の場合、申請期限内に手続できた人に対しては「2024年10月分の年金」まで遡って支給されます。
2. 2024(令和6)年度「年金生活者支援給付金」申請期限はいつ?
年金生活者支援給付金の申請期限は、今年度は2025年1月6日(月)となっています。
2.1 申請期限に遅れたらどうなる?
もし期限に遅れた場合でも手続き自体は可能です。ただし、請求した月の翌月分からの支払いとなってしまうので注意が必要です。
期限を過ぎて受け取れなくなるというわけではないものの、支給額は減ってしまうので、確実に申請しましょう。
対象者には9月以降、日本年金機構から請求書が届いています。郵送物の見逃しにも注意が必要です。
3. 「年金生活者支援給付金」いくらもらえる?
要件を満たし、手続きも完了した人は具体的にいくらもらえるのでしょうか。
3.1 年金生活者支援給付金の給付基準額
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5310円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6638円・2級5310円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5310円
老齢年金生活者支援給付金の場合、保険料納付済期間で計算するので、実際には個人差があります。
3.2 老齢年金生活者支援給付金の給付額の計算方法
月額5310円をもとに保険料納付済期間等に応じて算出し、下記の①と②の合計額になります。
- ①保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5310円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
- ②保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1333円 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月
前年の年金収入とその他の所得が77万8900円超〜87万8900円以下の方については、一定割合をもとに計算された「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
例えば、保険料の納付期間が480月の場合、月額5310円が支給されます。
これに2024年度の老齢基礎年金月額6万8000円を合わせると、総額は月7万3310円となるでしょう。(※68歳以下の方の場合)。
4. 【参考】厚生年金の平均年金月額はどのくらい?
では、厚生年金を受給する人でも年金生活者支援給付金の対象者になる可能性があるのでしょうか。
12月に公表された厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(公的年金制度における2階部分)の平均受給額は月額で14万6429円でした。
平均通りの受給額である場合、給付金の対象外になるでしょう。
一方、厚生年金は個人差が大きいことにも注意が必要です。
4.1 厚生年金の金額ごとの人数
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 14万円以上~15万円未満:94万5907人
- 15万円以上~16万円未満:98万6257人
- 16万円以上~17万円未満:102万6399人
- 17万円以上~18万円未満:105万3851人
- 18万円以上~19万円未満:102万2699人
- 19万円以上~20万円未満:93万6884人
- 20万円以上~21万円未満:80万1770人
- 21万円以上~22万円未満:62万6732人
- 22万円以上~23万円未満:43万6137人
- 23万円以上~24万円未満:28万6572人
- 24万円以上~25万円未満:18万9132人
- 25万円以上~26万円未満:11万9942人
- 26万円以上~27万円未満:7万1648人
- 27万円以上~28万円未満:4万268人
- 28万円以上~29万円未満:2万1012人
- 29万円以上~30万円未満:9652人
- 30万円以上~:1万4292人
ボリュームゾーンは、9万円以上~12万円未満と16万円以上~19万円未満となっており、ばらけている印象です。
中には国民年金を含めても7万円以下という人もいるため、給付金の対象になる人はいると考えられます。
5. 老後に備えよう
老後生活を支える重要な柱、公的年金。金額が少ない人には、上乗せして支給される「年金生活者支援給付金」もあります。
ただし、金額を見ると「年金だけで生活できそう」と感じる人は少ないかもしれません。
老後にいくらあれば足りるかは個人の状況によって異なるため、まずは自分自身の見込額をしっかり考えておきましょう。
制度を知らないままでいると、申請漏れでもらえないお金があったり、過度に保険などで備えてしまったりすることもあります。
老後に備える上で、公的制度もしっかり調べておくことをおすすめします。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
6. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
日本の公的年金制度は、とても複雑に感じる人も多いのではないでしょうか?ここではよくある質問を取り上げて、できるだけわかりやすく説明していきます。
6.1 年金ってそもそもどんな仕組み?
日本の公的年金は、2階建てのシステムになっています。基本的な部分が「国民年金」、そしてその上に「厚生年金」があります。
国民年金
20歳から60歳未満の全員が対象で、自営業やフリーランスの方が加入しています。保険料は毎月同じ額を払う制度です。
厚生年金
会社員や公務員が加入するもので、収入に応じて保険料を支払います。このため、将来受け取る年金額に差が出やすくなっています。
6.2 「繰下げ受給」とは?
年金を受け取る年齢を遅らせると、毎月の受給額が増えるという制度です。
例えば、65歳から受け取る予定を75歳まで待つと、受給額が84%も増えます。
長く働ける人や他に収入源がある人には良い選択肢かもしれませんね。
6.3 年金や老後資金を増やすにはどうすればいい?
年金を増やす方法はいくつかあります。
国民年金の付加保険料
自営業やフリーランスの方は、追加で保険料を支払うことで将来の年金を増やせます。
厚生年金に加入する
会社員に転職したり、厚生年金に加入できる働き方を選ぶことで、将来の年金が増えることもあります。
資産運用
老後資金を増やしたいなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託を使って、老後資金を増やす手もあります。ただし、運用にはリスクが伴うので、よく考えてから始めましょう。





