60歳で退職をせずに65歳まで働きたいと考えている方もいるでしょう。以前は60歳で定年退職し年金生活に入るという方が多く見られましたが、公的年金受給開始年齢が65歳からになったことや健康状態などを考慮し、65歳まで働くのがひとつの区切りというケースもあります。
60歳以降も働き、厚生年金に加入して保険料を払い込めば、その分老齢厚生年金額を増やすことが可能です。
本記事では、老齢厚生年金の計算方法について確認するとともに、60歳で退職せず65歳まで働いた場合にいくら年金額が増えるのかをシミュレーションしていきます。
1. 老齢厚生年金の計算方法を確認
老齢厚生年金は、厚生年金に加入していたときの収入や加入期間などによって、年金額を計算します。具体的には、以下の計算式で求めます。
老齢厚生年金額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額
報酬比例部分に経過的加算と加給年金額を足した金額が、厚生年金受給額となります。
報酬比例部分とは、老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金の年金額計算のベースとなるもので、年金の加入期間や過去の報酬などに応じて決まります。
経過的加算は、20歳前や60歳以降に厚生年金に加入していた方に、老齢厚生年金に上乗せして支給されるものです。加給年金は、65歳に達した際に配偶者や子どもなどを扶養している場合に、同じく老齢厚生年金に上乗せして支給される年金です。
なお、本記事では経過的加算と加給年金については省略し、報酬比例部分で老齢厚生年金を計算していきます。