2.3 「老齢年金月額14万円」は人と比べて高いほう?低いほう?
老齢年金が「月額14万円」というのは、一般的に見て高いのでしょうか。基礎年金を含む厚生年金の平均受給月額を見てみましょう。
- 男子:16万3875円
- 女子:10万4878円
- 男女計:14万3973円
平均受給月額は14万3973円です。月額14万円の年金は平均あたりで、周囲と比べて特段高いわけではありませんが極端に低いともいえない金額です。
しかし、年金を月額14万円受け取っているのであれば、多くの人は年金生活者支援給付金の対象外です。もし老後生活が不安なのであれば、受給前から年金以外の資産づくりをしていく必要があります。
3. 年金を増やすための工夫
年金を増やすための方策はさまざまです。なかでもiDeCoは積極的に活用したい制度です。
iDeCoは税制優遇に強みを持ちます。主な特徴は以下のとおりです。
- 掛金が全て所得控除の対象になる
- 運用益が非課税になる
- 受け取り時も一定金額までなら非課税になる
節税しながら資産づくりができるため、なかなか税金を下げられる機会の少ない会社員や公務員にもおすすめです。
12月からは確定給付企業年金(DB)等に加入している人のiDeCoの掛金拠出限度額が1万2000円から2万円まで引き上げられています。ほかの制度との併用がしやすくなり、さらに使いやすくなりました。
4. まとめ
年金生活者支援給付金は、基礎年金を受給しており所得が一定額以下でないと支給されません。年金を月額14万円ほど受け取っているのであれば、支給対象となる可能性は低いでしょう。
月額14万円の年金はちょうど平均あたりの受給額です。とはいえ、公的年金だけでは生活が苦しくなります。個人年金や年金以外の資産をつくって老後生活に備える必要があるでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「障害年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「遺族年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「年金の併給または選択」
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
- 全国健康保険協会「令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「iDeCoの拠出限度額が1.2万円→最大2万円に変わります」
石上 ユウキ