3. 「年金生活」に向けた資産づくり《2つのポイント》

「止まらぬ物価上昇がいつまで続くか不安…」世代を超えた多くの世帯が、漠然とこう感じているのではないでしょうかそ。

ここからは、いつかやってくる「年金生活」に向けた資産づくりのポイントを二つ、お伝えします。

3.1 ポイント1:《今の支出》と《将来の必要額》を把握する

今、ご自身の生活費がいくらかかっているのか把握し、そのうち老後に回す資金を少しずつ捻出していく。ここは土台となる部分です。

例えば、毎月支払っている医療保険。保障内容の見直しを行うことで、固定費を抑えることができるかもしれません。

また、仕事をリタイアするまでに資金をいくら準備しておけばいいのか、目標金額を明確にしておくことも大切です。そして何より、自分の年金見込み額をしっかり確認していくことも忘れずに。

これらを併せて考えれば、逆算して今からいくら貯蓄していけばよいのか見通しが立ちやすくなるでしょう。

3.2 ポイント2:預貯金だけではなく、投資の活用も検討してみる

最近では日銀の利上げの発表がありました。それでも日本の銀行に漠然とお金を預けているだけでは、資産を増やすことが難しいのが現状です。

普通預金や定期預金だけで老後資金を貯めていても、インフレ時に資産の目減りを避けることはできません。また、長寿時代は「資産の寿命も延ばす」視点が求められています。そこで有効なのが投資で資産を育てていくという発想。

NISA制度やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度を活用して、少額からの積立投資をスタートしてみるのも一案ですね。

預貯金とは異なり投資には元本割れのリスクがあります。しかし、長期でコツコツと積立投資を続けることで、複利のメリットを最大限に生かしながら、効率よく資産を増やしていくことにも繋がります。

預貯金、保険、投資など、老後資金の準備方法はたくさん。ご自身に合ったスタイルで、お金を守りながら育てていけたら良いですね。

4. まとめにかえて

ここまで、国民年金や厚生年金の受給額、そして老後に向けた資産づくりのポイントについて解説してきました。

「年金だけでなんとか暮らせるかも?」と思った方もいるかもしれませんが、最近の物価高を見ると、今後さらに生活費がかさむ可能性は十分ありそうです。

しかも、少子高齢化の影響で年金の支給額が減るリスクも考えると、今からしっかり備えておくことが大切になってきます。

もちろん、預貯金でコツコツ貯めるのも手ですが、老後資金として数千万円を貯めるとなると時間も労力もかなり必要です。

そこで注目したいのが、新NISAやiDeCoといった資産運用です。これならお金を増やすチャンスも期待できるので、老後に備える手段として検討する価値はあるでしょう。

ただし、老後資金づくりを始めるときは「具体的にいくら必要なのか?」というゴール設定を忘れないようにしましょう。

なんとなく貯め始めても、途中で病気やケガで働けなくなった場合に準備を中断せざるを得なくなることも考えられます。

まずは「老後資金はどれくらい必要?」をはっきりさせること。そして、万一への備えもしっかりプランに組み込みながら、未来の自分が安心して過ごせるよう、今から準備をはじめていきましょう。