2024年も値上げの1年となりましたね。一方で収入が増えた方もいるでしょう。
公的年金においても2024年度は前年度から2.7%の増額となりました。しかし、物価変動率を下回る水準であり、実質的には目減り。止まらない値上げにより「増額」を肌で感じられた人は少ないでしょう。
老後、公的年金だけで生活することが難しい世帯が一定数いる一方で、平均額を大きく上回る年金受給者もいるようです。本記事では、現・老齢年金世代の年金暮らしの実情を各種データをもとに確認していきます。
1. 年金「月額30万円以上」の高額受給者は日本に何%いる?
日本の公的年金制度は、2階建てで構成されており、国民年金と厚生年金の2つから成り立っています。
自営業者や専業主婦、専業主夫は「国民年金」のみへの加入となりますが、会社員や公務員は国民年金に加え、厚生年金にも加入することになります。
厚生年金に加入している人は、老後に国民年金と厚生年金の両方を受給できるため、国民年金のみを受給する人よりも年金額が高くなる傾向があります。
厚生労働省年金局が発表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は以下の通りです。※この受給額には国民年金の部分も含まれています。
1.1 「厚生年金」の平均年金月額を確認
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
1.2 「厚生年金」の受給額ごとの人数を確認
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
厚生年金と国民年金を合わせて「月額30万円以上」受け取っている人は、全体のわずか0.1%に過ぎません。
つまり、高額受給者は存在するものの、その割合は1%未満と非常に限られています。
一方で、平均月額を大きく下回る受給者も多く見られ、年金額には大きな個人差がみられます。
これは、働き方や年金加入期間が年金額に大きな影響を与えることが要因となっているのでしょう。