マーケットエンタープライズ、通期の売上高が計画未達も営業益、経常益は増加

2018年8月23日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、株式会社マーケットエンタープライズ2018年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料 質疑応答パートはこちら

スピーカー:株式会社マーケットエンタープライズ 代表取締役社長 小林泰士 氏
株式会社マーケットエンタープライズ 取締役(CFO) 今村健一 氏

2018年6月期 決算ハイライト

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小林泰士氏(以下、小林):本日はお越しいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、決算説明会を始めさせていただきます。

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本日のアジェンダは、2018年6月期決算ハイライトと業績予想、および今後の戦略というかたちで、2つに分けて進めさせていただければと思います、

2018年6月期の決算ハイライトになります。

売上は63億3,300万円。営業利益が9.600万円。経常利益が9,400万円。純利益が3,100万円となっております。

昨年(2017年6月期)の実績は、売上高が56億3,000万円。営業利益は、マイナス700万円。経常利益に関してはプラス400万円。そして純利益に関しては、マイナス1,900万円という状況です。

売上に関しては、昨年対比で12パーセント増。経常利益に関しましては、昨年が小さかったということもありますが、23倍というかたちになっております。

期首の計画としましては、売上高が66億円、営業利益が5,500万円、経常利益が5,100万円、純利益が2,900万円と予想しておりました。(結果としては)売上が若干届かずマイナス4パーセントですが、営業利益に関しましては75パーセント増、経常利益が86パーセント増、純利益が10パーセント増ということで、営業利益以下は、期首での計画に対しまして、全部超過するかたちとなりました。

2018年6月期 増減益分析

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2018年6月期の増減益分析の部分です。まず、前年に対して売上が約7億円増えたことによる増益効果が、3億500万円です。在庫処分を除いたベースでの粗利益率は43.5パーセントで、前年に対して0.2パーセント、利益率を改善。それによる効果が約700万円です。合わせて、3億1,200万円分の増益要素がありました。

ここから、一過性の在庫処分損がマイナス9,800万円。販管費の増加分が、1億900万円というかたちで引かれまして、ネットで9,600万円の営業利益です。前年に対しても、1億300万円の改善となりました。

2018年6月期 増減収分析

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増減収の分析についてです。既存ビジネスに関しましては、昨年(2017年6月期)対比では微増というかたちです。新規ビジネスの方が、1億1,900万円から7億9,900万円まで大きく成長しています。

既存ビジネスは、いわゆる個人向けのリユース領域で、(新規ビジネスは)法人向けのリユースのところで、農機具、建機、医療、プラス子会社の通信を合わせたような状況となっております。

新規ビジネス

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法人向け……法人事業主の方も含めてになりますが、いわゆる農機具、建機、医療機器というのが、新しく始めたリユースの領域です。

前回ご説明申し上げましたが、農機具に関しましては、農家の方の平均年齢も67歳ということで、離農される方を含めて大きく転換期を迎えており、買取依頼が好調にきております。

建機と医療機器に関しましては、この12期でスタートしたばかりにはなるのですが、これから大きく伸びていくのではないかと考えております。

通信は「MEモバイル」で、格安SIMならびに「WiMAX」のサービスを行っております。

「ReReレンタル」というサービスでは、ネット型リユースと同様に、総合レンタルサービスをしております。モノを売ったり買ったりするだけではなく、一時的に利用される方が中心の、コンシューマー向けのレンタルが好調に伸びております。

またメディアとしましては、「iPhone格安SIM通信」「ビギナーズ」「高く売れるドットコムMAGAZINE」と、3つのオウンドメディアを自社で展開しております。こちらのトラフィックやアクセスが、非常に好調に推移しています。

リユース月次売上高前年同期比

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リユースの月次の売上高、前年同期比のグラフになります。

先ほど9,800万円分の在庫処分というかたちでお話をさせていただきました。昨年(2017年)は、過去に仕入れた商品の処分を行ったのですが、直近の売上に関しましては、好調に推移し始めております。また、ここから伸ばしていける状況だと認識しております。

2018年6月期 連結貸借対照表

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商品在庫は大幅に圧縮しまして、非常に健全な水準になっているかなと思います。こちらが、BSの状況になります。

ご覧のとおり、現預金が14パーセント増、在庫処分のところがマイナス37パーセントとなっておりまして、回転率も高い位置で推移している状況です。

2019年6月期 業績予想

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今期の業績の見通しと今後の戦略について、ご説明いたします。

昨期(2018年6月期)の売上63億3,300万円に対し、今期の予想は77億円と設定させていただいております。

営業利益に関しましては、1億6,000万円、経常利益は1億6,200万円、純利益は8,000万円で、前年(2018年6月期)に対しまして、売上が22パーセント増、営業利益が66パーセント増、経常利益が71パーセント増、純利益が2.5倍というかたちです。

経常利益推移

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こちらが、過去の弊社の経常利益の推移ですが、上場後、新規事業への投資、または拠点の開設などを進めてまいりましたが、ここでしっかりと回復をしまして、過去最高利益の更新に向けた足がかりの期というかたちにしてまいりたいと思っております。

今後の展開イメージ①

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今後の展開のイメージですが、大きく3つのかたちで動いております。まずは、基盤事業でありますネット型リユースの展開になります。

弊社の根幹となりますが、昨期(2018年6月期)、西東京と札幌の2ヶ所にリユースセンターの開設を行いました。そういったエリア的な領域、また商材の部分や生産性の向上に向けて、自社内のシステム開発等の取り組みをしております。今期(2019年6月期)は持続的な売上の拡大、また生産性の向上ということで、しっかりと伸ばしてまいりたいと思っております。

また、プラスアルファで専門商材の領域です。非常に大きい商品など、特殊な領域になりますので、個人間取引がなかなか入っていけないところ……グローバルアクセス、つまりグローバルで商品のニーズがあるようなところを専門領域としてオンリーワンとなり「IT×REAL」を複合させて、サービスを展開してまいりたいと思っております。

こちらも、既存のマーケット商流のリプレイスというかたちで、専門領域を広げていきたいと思っています。

また、新規事業としましては、リユース以外……非常に難しいところからスタートしておりますが、新たな収益源として、新規収益の基盤確立ということで事業展開をしております。

今後の展開イメージ②

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サービス名を入れる(明記する)と、このようなかたちになっています。

既存のところは、エリアの拡大、深堀り、生産性の向上を行いまして、専門商材のところは、農機具・建機・医療機器。そして新規のサービスとしては、レンタル、メディア、モバイルというかたちで取り組んでおります。

展開イメージ

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弊社の展開イメージを図にしますと、このようなかたちになっております。マーケットエンタープライズの市場を創出していこうと(考えており)、リユースを中心としたコングロマリットになっていきます。

現在、インキュベートの新しいサービスとしましては、メディアサービスだったり、レンタルサービスだったりと、新規の専門領域というところまではスタートできております。

そして、グロースです。また今伸びているところで、モバイルや農機具がありまして、持続的で安定した拡大に関しましては、図の右側ですね、生産性の向上と持続的な拡大というかたちで、取り組んでいっております。

法人向け買取依頼数推移

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この農機具・建機・医療機器(のグラフ)は、専門商材の法人・個人事業の方からの買取依頼の推移になります。依頼数、(つまり)お客様からの買取ニーズですね。その推移のグラフになっています。

農機具の方も、サービスの開始以来、買取のご依頼はどんどん伸びております。また建機・医療機器に関しましては、まだ始まったばかりですが、直近、買取依頼が右肩上がりで推移しているかたちです。

メディアPV推移

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そしてメディアです。現在「ビギナーズ」という個人の趣味の領域、また「iPhone格安SIM通信」「高く売れるドットコムMAGAZINE」という3つのオウンドメディアを自社内で展開しています。月間PVも、230万PVを超えてきており、非常にアクセスが増えてまいりました。

買取専門サイトの30サイトとはまったく別のかたち、別のメディアで今のお客様のニーズをつかんでおり、トラフィックが増えてきています。ここからさまざまなサービスの収益を伸ばしていきたいなと思っております。

買取依頼数前年同月比

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こちらに、買取依頼数を、前年同月比というかたちで出させていただきました。

昨年(2017年)に在庫の処分等を行ったのですが、集客の効果が出てまいりまして、第4四半期では前年同期比で26パーセント増。足元、非常に多くの買取の依頼(があり)、好調に推移をしております。

個人のお客様からの買取もそうなのですが、既存事業の取り組みとしまして、販路開拓の戦略という意味で、法人様との取り組みも進んでおります。

代表的な事例としましては、ヤフーさんと進めております「カウマエニーク」という買取サービスです。「カウマエニーク」の買取サービスに関しましては、すべて弊社が出張買取を担っており、買取依頼は安定的に推移しております。

その他、Amazonさんが取り組んでいる出張買取も含めて、いろんな企業様とのアライアンスも引き続き拡大していきたいと考えております。

簡単になりますが、以上が昨期(2018年6月期)の報告および今期の業績戦略になります。

質疑応答:今期は新規事業を通じて売上増を見込んでいるのか

質問者1:ご説明ありがとうございました。質問が3つございす。まず1つが、すでに終了した期なのですが、売上が当初の計画に達しない中で、利益が上回った要因を教えてください。

次に、新しい期について、売上77億円のご計画ですが、既存の事業は収入性重視で横ばい程度の売上を見込み、新規の事業で売上の伸びを見込んでいるという考え方でよろしいでしょうか?

最後に、新規事業の農機、建機、医療機器について、この分野はCtoCの会社は入りにくいということでしたが、既存の競合先と言いますか、従来(この分野を)手がけていた会社など、競合はどのような状況でしょうか?

小林:ご質問ありがとうございます。まず1番目のご質問ですが、売上が目標に達しない中で、どうして利益が上がったのかというところについてです。売上に関しましては、弊社の過去の在庫、とくにブランド商品などの単価の高い商材に関して、過去に仕入れてきた商品を在庫処分しました。

売上が達しない部分はありましたが、弊社で取り組んでいる新しい、より利益率の高い農機具の買取や、モバイルのサービスなどの新規事業が功を奏しまして、利益が好調に推移しています。

2番目の質問についてです。今期(2019年6月期)の売上目標が約77億円という中で、既存事業は伸びずに新規事業だけが伸びるのかというところで、既存に関しましても、買取の依頼や拠点の整備も含めて、足元は非常に好調に推移しています。

既存も新規も伸びるかたちで、合算で売上77億円を見込んでいます。新規に関しましては、ざっくり(計算すると)倍くらい伸びます。また既存に関しても、足元は好調に推移しており、(今後も)伸びていくかたちで見込んでいます。

3番目の質問についてです。農機・建機・医療機器等々、CtoCが参入しづらい部分の既存のマーケットがどうなっているかというところです。「メルカリ」さん、「ラクマ」さんとも、リユース業界でマーケットを拡大していますが、CtoCの平均単価が、だいたい1,500円から2,000円くらい。洋服や雑貨が中心で、低単価のものの売買が非常に好調に推移しています。

その中で、弊社の平均単価はもともと、1品当たり2万7,000円。個人の方が購入するときに、「やっぱり保証があった方がいいよな」「そもそも偽物じゃないよな」など、安心して購入したい高額なもの……また、個人で配送するにはちょっと重たい、大きいものは、物流会社さんとの提携が必要だったりしますが、高額、大型、大量、企業の在庫、国境をまたぐ通販などに関しましては、CtoCではなかなか対応しきれない部分があると思っています。リユースは非常に大きいマーケットですが、CtoCではなかなか進めないところです。そういったところが、私どもの得意な領域となっています。

その中で、農機・建機・医療と、ちょっと特殊な領域になってきていると思いますが、こういった既存の領域に関しましても、既存のプレイヤーや事業者の方がいらっしゃいます。その意味では、今インターネットでのEC化率が、全体の市場の中で6パーセント弱くらいで推移しており、リユースの買取の機運も高まってきています。農機を売却するときには今までの既存の販路で売るかたちだけではなく、(インターネットで情報を)検索して、自分の商品を売ってみよう。

建機・医療機器に関しましても、あらゆる商品を今までの既存の売り方だけではなく、新しい売り方を検討し始めている……それが消費者の動向の推移だと思っていますので、そういった意味では、既存の事業者とバッティングしているというよりは、事業の需要が増してきている中で、私どもが新しいポジショニングを(確立していくのが重要だと思います)。新規参入者というかたちですが、既存とバッティングするかたちではなく、現在に関しては需要を喚起していけるかなと思っています。

質疑応答:今後、買取が伸びる要因は何か

質問者2:既存ビジネスで、終了した期は微増でした。先ほどのお話では、買取も足元は好調で、今期伸びるということですが、何が変わってきているのでしょうか?

小林:マーケット自体で見ますと、リユースのマーケットは3つに分かれていると考えています。まず1つは、既存のリサイクルショップを主体とした、店頭(リアル店舗)のリサイクルショップの領域。もう1つが、私どものようなCtoBtoC……業者が間に入った、インターネットを中心としたeコマース(の領域)。最後に、CtoC……個人間取引の領域です。

店頭に関しましては、リユースのマーケットが年率7~8パーセントぐらいで成長しているものの、昨年は数字が2パーセントぐらい下がっています。CtoCに関しましては、年率約40パーセントぐらい(の勢い)でマーケットが成長したと思っています。

私どものCtoBtoC、ネット型リユースマーケット自体も、年率15パーセントで伸びていまして、足下は非常に好調です。ただし、そういった中で、消費者は大量生産・大量消費から、ものを売ったり買ったりするのが当たり前に、身近になってきています。

そして、ここに来て、一過性のサービスをやっている会社よりも、しっかりと実力のある会社が残ってきていると思います。

例えば、私ども(のサービス)でパソコンやスマートフォンを扱うときは、全部データを消去して販売したりと、付加価値を付けています。しかし、個人間取引だと、なかなかそういったところができません。また、ブランド商品であれば真贋があるため、事業者が間に入った(うえで、真贋を判断する)方が付加価値が高いです。送料も含めてですが、リユースの中でもしっかりと(仕組みを)構築してきた会社に、商品がより集まってくる構造になってきていると認識しています。

質疑応答:今後の拠点拡充の方針について

質問者3:まず、2018年6月期の新規ビジネスの売上がだいたい8億円ぐらいですが、イメージとしては農機が大部分ということでよろしいでしょうか?

次に、既存事業で札幌のリユース拠点を出されて、それが10ヶ所目かと思うのですが、今後拠点を拡充していく方針について教えていただければと思います。

小林:まず、昨期(2018年6月期)の新規ビジネスですが、具体的な内訳については公表していません。ただし、農機・建機・医療・モバイル、レンタルといったところが伸びています。農機具が非常に好調だという認識は、間違いないと思います。

拠点に関しましても、まずは10拠点まで出していきたいというところで、昨期、西東京と札幌で進めてまいりました。日本には、政令指定都市が20都市ありますので、拠点を展開できるベースはまだあると思っています。その中で、現在は10拠点の体制が整ったところです。そこで最大限効率化を進めて、その先で、さらに拠点を展開していきたいと思っています。

今までは、物流拠点をそんなに作る必要があるのかといった声をいただいておりました。通販でと言うよりは、買取サービスをさせていただくにあたって、拠点が全国にあった方が、より早くお客さまに換金(してお金を渡すことが)できます。また、送料もより安価な場所に送っていただいた方が、早く、高く買取をさせていただける。全国10拠点を揃えるところまでは、送料の部分では非常にメリットが大きかったと思っています。

ここから先に関しましては、どういった商材を伸ばしていくのか、都心部に(拠点を展開)するのか、農機具が伸びたら、そういった商材に寄り添った(ふさわしい)場所に(拠点を)広げるのか……といったところを、社内でもより深く考えていきながら、次の拠点展開に入ってまいりたいと思っています。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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