「お金持ち」と聞いて、どのようなイメージがわきますか。
なかには、高級ブランドの洋服や高価なジュエリー、希少価値の高い時計などを身につけているイメージを思い浮かべる方もいるでしょう。
しかし実際のところ、お金持ちかどうかを見た目で判断することは難しい傾向にあります。
今回は、元証券会社勤務の社員で、富裕層向けの資産運用アドバイザーであった筆者の経験をもとに、富裕層の意外な特徴を3つまとめてみました。
1. 元証券会社社員が見た、富裕層に共通する3つの特徴「ファッション編」
ここからは、元証券会社社員の筆者が見てきた、ファッションにおける「富裕層の共通点」をまとめてみます。
1.1 【特徴1】日常生活ではラフな服装で過ごすことが多い
みなさんは、どのような服装で日常生活を過ごしていますか。
仕事でスーツを着こなすとき以外は、流行を取り入れたおしゃれな洋服を身にまとっている方や、ラフな服装がお気に入りという方もいるでしょう。
お金持ちの方もみなさんと同じように、日常生活において自分好みの洋服を着ているのですが、「動きやすさ」や「着心地のよさ」を重視してラフな服装で過ごされている傾向にあります。
そのため、見た目でお金持ちだと判断することは難しいでしょう。
1.2 【特徴2】商談やフォーマルな場ではスタイルに合った服装
前述したとおり、お金持ちの方の日常生活の服装はラフな傾向にあります。
その一方で、商談やフォーマルな場では、上質な服を身にまとい、オンとオフの切り替えをしっかりされていました。
自分のスタイルに合ったスーツをオーダーメイドしている方や、希少価値の高い時計やジュエリーをさりげなく身につけている方もいらっしゃいました。
お金持ちの方のファッションの共通点は、派手過ぎず、それぞれの個性にあったものをチョイスしていることです。
流行だからといってむやみに取り入れるのではなく、「自分に似合うかどうか」で選んでいました。
そのため、洋服に着られているという印象ではなく、着こなし上手なお金持ちの方が多かったです。
1.3 【特徴3】質と価値を見極めて購入
洋服や時計、ジュエリーなどの購入を検討するとき、みなさんはどのようなことを重視しますか。
お金持ちの方は、質と価値をしっかりと見極めて購入する傾向にあります。
ビジネスをされているも多く、経営者としての目線から、資産価値があるかどうかを品定めしている方が多かったです。
また、購入を検討する際、なぜこれだけの価格が付いているのかという背景にも着目されていました。
たとえば、上質で希少価値の高い素材を使っていたり、限られた量しか生産されていないものだと、購入後に資産としての価値が高まることが期待できます。
お金持ちの方のなかには、万が一のことがあった際に「売りに出したらどのくらいの価値になるのか」と考えて、買い物をされている方もいらっしゃいました。
ここまで、富裕層向けの資産運用アドバイザーであった筆者の経験をもとに、お金持ちの方の特徴についてまとめてきました。
では、富裕層とはそもそもいったいどのような定義なのでしょうか。日本にいる富裕層の世帯数と共に、詳しく見ていきます。
2. 【定義と世帯数】そもそも富裕層とは何か
【写真1枚目/全3枚】日本での富裕層の世帯数。以降の写真で富裕層の増加傾向を紹介1/2
出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
富裕層について語る前に、野村総合研究所の資料をもとに、富裕層について簡単にまとめてみます。
2.1 富裕層の定義とは
そもそも富裕層とはどのような定義なのでしょうか。
野村総合研究所による報告によれば、富裕層とは「純金融資産で1億円以上保有」している世帯と定義しています。
また、同基準で5億円以上保有する世帯を「超富裕層」と呼んでいます。
2.2 富裕層は日本にどれくらいいるのか
日本には純金融資産1億円以上の富裕層(ここでは超富裕層も含みます)が148万5000世帯存在しています。
割合にすると全体世帯数の2%程度が富裕層以上ということになります。
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円
この富裕層をさらに細かく分類すると、資産1億円以上5億円未満の「富裕層」が約2.6%(139万5000世帯)、5億円以上の「超富裕層」が約0.2%(9万世帯)を占めています。
全世帯数は5413万4000世帯とすると、資産1億円以上の世帯は約2.7%ということになります。
3. 【データ】増え続ける日本の富裕層世帯数…2021年には148万世帯を超えた
賃金も上がらず、物価などからくらしが苦しいと嘆く人が多い中、富裕層が増え続けるにはどのような理由があるのでしょうか。
純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移2/2
出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
2005年から2021年にかけて、富裕層は増加しています。
富裕層と超富裕層が保有する資産総額の推移は以下の通りです。
- 2015年:272兆円
- 2017年:299兆円
- 2019年:333兆円
- 2021年:364兆円
2015年と21年で比較してみると、総資産額は実に34%も増加しています。
4. 【ご参考】日本の富裕層が増えた3つの背景
それでは、なぜ日本で富裕層が増え続けているのでしょうか。
続いてその背景について見て行きましょう。
日本で富裕層が増え続けている理由として、様々な要因が考えられますが、今回は以下のような要因をあげてみます。
4.1 【背景1】国内外の株価上昇
皆さんもご承知の通り米国の株式市場は長期的に堅調に推移し、ダウ工業平均株価やS&P500といった株価指数は、でこぼこはありながらも長期的に上昇トレンドとなっていました。
また、米国だけではなく、世界的な株高が継続してきたという背景もあるかと思います。
富裕層はそうでない世帯と比較して一般的に株式の保有額やその比率が高いことから、株式市場の環境が資産額の増減に影響を及ぼします。
したがって、世界的な株高の背景は最も大きな背景としてあげられるでしょう。
4.2 【背景2】非課税枠のある投資制度の充実による資産形成機会の拡大
また、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度の登場も無視はできません。旧NISAは以前からありましたが、やはり多くの人が投資を始めたきっかけというと、2018年にはじまった「つみたてNISA」は多いのではないでしょうか。
NISA制度は2024年より「新しいNISA(いわゆる新NISA)」として展開されています。10年近い期間を経て、こうした非課税枠のある投資制度の拡充により、個人が資産形成に関わる機会は増えてきました。
10年前に投資に興味がなかった人も、NISAなどの制度をきっかけとして証券投資をはじめたという人は多かったのではないでしょうか。先ほども指摘した通り、世界的に株価はこれまで長期にわたり上昇傾向にあり、早い段階で資産形成を始めた人ならば相応の利益が出ていることが推測できます。
4.3 【背景3】相続や贈与によるもの
富裕層になった人のなかには、相続や贈与から多額の資金を手に入れた人もいるでしょう。
高齢化が進む日本では、親などから資産を受け継ぐ人が増え、結果として富裕層の数が増えている可能性もあります。
一般的な家庭であっても「遺産分割で祖父母の遺産を継いだ」という人も少なくありません。
こういった株式市場の好調さ、資産形成の機会拡大、また人口動態の変化などが、富裕層の増加に寄与した可能性があります。結果として、本人の意図しないところで富裕層の仲間入りを果たした、という人もいるでしょう。
5. まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。
今回は、富裕層におけるファッションの特徴や、日本にいる純金融資産1億円以上の富裕層の割合について解説してきました。
富裕層の方は日頃、ラフな服装で過ごす傾向にありますが、商談やフォーマルな場では上質なファッションを身にまとっていることが多いです。
また、身につけるものはデザイン性を重視するだけでなく、素材や希少価値などにおける資産価値の有無にも着目します。
見た目でお金持ちだと判断することは難しいですが、自分に似合うものを理解し上手に取り入れている様子は、ぜひ参考にしてみたいものですね。
参考資料
安達 さやか