3. 老後までに積立投資で「貯蓄3000万円」を目指すには?積立額をシミュレーション
貯蓄方法にはさまざまな選択肢がありますが、ここではその一例として「積立投資」を用いたシミュレーションを行ってみましょう。
今回は、金融庁の「資産運用シミュレーション」を利用し、以下の前提条件でシミュレーションを進めていきます。
- 目標:60歳で3000万円到達
- 年率:4%で運用できたケースを想定
【投資開始年齢:投資期間・月々の積立額】
- 30歳:30年・4万3225円
- 35歳:25年・5万8351円
- 40歳:20年・8万1794円
- 45歳:15年・12万1906円
現在30歳の方が毎月4万3225円以上を積立投資に回すことができれば、60歳時点で3000万円を達成しやすくなることがわかります。
このシミュレーションからも見て取れるように、投資は「期間が長ければ長いほど、資産が増えやすい」という特徴があります。
留意点として、シミュレーション通りの年率が必ずしも維持されるわけではありません。
実際には、市場の変動により年ごとの利回りが異なるため、急に大きな資金が必要となった際に元本割れのリスクが発生する可能性もあります。
そのため、老後資金を積み立てる際は、積立投資だけに頼らず、複数の方法を組み合わせてリスクを分散させることが重要です。
4. 老後の準備はお早めに
日本の公的年金制度は、年金支給に必要な財源を現役世代の保険料収入から準備する賦課方式となっています。しかし少子化により保険料収入と年金支給のバランスが崩れると、将来、いまよりも年金支給水準が低くなる可能性があります。
一方で、リタイア後の生活費や、医療費・介護費用などが増加する可能性も。
そのため、現役の早い時期からの準備が必要不可欠と言えます。
その方法として、複利効果を生かした長期的な資産形成をお勧めしています。
例えばNISAやiDeCoといった資産形成をサポートする制度を活用した方法はどうでしょう。上手く活用することで貯金だけで準備するよりも効率よくお金を増やせる期待があります。ただし投資にはリスクも伴います。リスクを理解した上で自分にあった資産運用方法を選ぶことが大切です。
また公的年金だけに頼らず企業年金や個人年金を活用する方法もあります。
低金利時代のいま、預金だけで十分なリターンを得ることは難しいため、株式や投資信託、債券などの多様な運用法を組み合わせた資産形成も良いでしょう。
さまざまな方法や金融商品があります。まずは情報収集をして、ご自身に合った老後資金計画を考えてみてください。
参考資料
立野 力