今年も残りあと1か月となりました。今年も昨年に続き、物価高騰が止まらず、家計にとって負担を感じている人も少なくないでしょう。そんな背景を鑑み、政府は低所得者世帯への3万円給付を決定しました。
老後の年金受給開始は原則65歳からとなっています。少子高齢化が続いている中、将来自分の年金はどのぐらいもらえるのでしょうか。実際に、筆者はファイナンシャルアドバイザーとして、老後資金の相談をよく受けますが、「老後は不安だけど、どのぐらい準備しておけば良いかわからない。」という声は多いです。
そこで今回は、70歳代に焦点をあて、「貯蓄額・年金額・生活費」を確認していきます。最後には、FPからの老後対策についてもアドバイスもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 【70歳代】二人以上世帯の平均貯蓄額・中央値はいくらか
金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代・二人以上世帯(金融資産を保有していない世帯を含む)の貯蓄額(※)は次のとおりです。
※今回紹介する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。
1.1 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
70歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円、中央値は700万円ですね。
金融資産非保有(貯蓄ゼロ)と貯蓄3000万円以上が約2割、同程度存在しており、「持つ世帯」と「持たざる世帯」の二極化が見られます。
いまの年金制度では、老齢年金の一般的な受給スタート年齢は開始年齢は65歳。70歳代となれば、その多くが既にリタイア後の年金生活に入っている時期ですね。
次では今のシニア世代の公的年金事情や、標準的な高齢夫婦世帯の家計収支に関するデータを見ていきます。