物価上昇などの影響で、生活が苦しいと感じる方が増えているようです。筆者はFPとして働いており、最近ではお金に関する相談が増え、多くの方が将来や家計の悩みを抱えていることを実感しています。
一方で、豊かな生活を送っている富裕層も存在します。野村総合研究所では富裕層を「純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯」と定義しています。この水準の資産を築くのは簡単なことではなく、それぞれの道のりはさまざまですが、富裕層の方々には共通点も見られます。それは、「資産を守る意識が非常に高い」という点です。
富裕層の多くは、資産をただ好き勝手に使うのではなく、計画的で意味のある消費を心がけています。不要な浪費を避け、自分にとって価値のあることにお金を使う姿勢が特徴的です。このようなお金の使い方や管理方法は、資産形成を目指す上で非常に参考になります。
そこで本記事では、富裕層のカード利用データをもとに、彼らがどのように消費をし、資産を管理しているのか、その傾向や具体的な方法について詳しく解説します。彼らの考え方や習慣を知ることで、将来の資産形成やお金の使い方に活かせるヒントを探ってみましょう。
1. 日本に「富裕層」「準富裕層」はどれくらいいる?
富裕層の定義は一概に決まっていませんが、野村総合研究所では、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯が「富裕層」に分類されています。
出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
野村総合研究所の発表によると、日本には約139万5000世帯が「富裕層」に分類され、さらに資産が5000万円以上1億円未満の「準富裕層」は325万4000世帯に上るとされています。
1.1 【一覧で確認】「富裕層」の世帯数と保有資産規模
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円
実は、日本の富裕層や超富裕層の資産規模と割合は年々増加しています。
物価が上昇し、金融所得が減少している中で、なぜ日本では富裕層が増加し続けているのでしょうか。