4. 働く人が知っておきたい在職老齢年金制度
年金を受給しながら働く方が知っておくべき制度に、在職老齢年金があります。
在職老齢年金制度とは、基本月額(報酬比例部分の老齢厚生年金)の月額と総報酬月額相当額(その月の標準報酬月額+その月以前1年間の標準賞与額の合計を12で除したもの)が50万円を超える場合、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となる制度です。
65歳以上になっても働く方は、在職老齢年金により年金が減額される可能性があります。
特に、フルタイムで働く方は相応の給与を受け取れるため、適用される可能性が高いでしょう。
なお、在職老齢年金に関しては「高齢者の就労意欲を削いでいる」という批判があり、制度の改正または廃止が議論されています。
ただし、現行制度では存続しているため、65歳以上も働いている方や働く予定の方は知っておくとよいでしょう。
5. まとめにかえて
多くの年金受給者の方は確定申告不要制度を利用でき、事務的な負担が発生しません。
しかし、65歳以上になっても給与所得を得ている方は確定申告が必要です。
また、何らかの所得控除を受けられる方は、確定申告を通じて税金の還付を受けられる可能性があります。
確定申告は手間がかかるとはいえ、自分自身で納税額を申告する大切な権利なので、税の理解を深めてみましょう。
参考資料
柴田 充輝