2018年8月8日に行われた、KLab株式会社2018年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:KLab株式会社 代表取締役会長/社長 CEO 真田哲弥 氏
KLab株式会社 常務取締役 CFO 高田和幸 氏

連結損益計算書

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高田和幸氏:取締役の高田でございます。本日は、お足元の悪い中お越しいただきまして、ありがとうございました。

それでは私から、2018年度第2四半期の(決算の)分析について、ご説明させていただきます。

連結損益計算書の概要です。第2四半期の売上高は80億5,900万円、前四半期比で1.7パーセントの増収。営業利益は12億4,700万円、前四半期比で7.2パーセントの減益。経常利益は13億6,400万円、前四半期比で11.0パーセントの増益。親会社株主に帰属する当期純利益は9億800万円で、前四半期比12.7パーセントの増益となりました。

前年同期比で見ますと、売上高で42.0パーセントの増収、営業利益で20.8パーセントの増益となりまして、前年同期比では大きく伸びております。

売上高 前四半期との比較

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続いて、主要タイトルの売上高の、前四半期との比較でございます。

第2四半期は、『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』の日本語版/グローバル版がともに、大変好調に推移しました。前四半期を大きく上回っております。これは、ワールドカップに合わせて行いました、各国代表の(最新)公式ユニフォームを着用した選手の配信が、非常に好評であったというところでございます。

また、日本語版以上にグローバル版が大きく伸びております。これは、日本語版で昨年(2017年)の12月に行いました、日本代表ユニフォームを着用した選手の配信を、第2四半期にグローバル版でも行いましたので、そのあたりも含めて、グローバル版が大きく伸びております。

『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』(スクフェス)と『BLEACH Brave Souls』。これは、前四半期からの反動もございますが、前四半期比では減少しております。

そのほか、減少タイトルも含めまして、『キャプテン翼』がその減少分をカバーしたというかたちになっております。

売上高および営業利益の推移

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続いて、売上高および営業利益の推移です。第2四半期の売上高は、80億5,900万円。2017年の第4四半期に次ぐ、歴代第2位の四半期売上高を達成し、引き続き高い水準での売上高を維持しております。

決算概要: 海外売上高の推移

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続いて、海外売上高の推移です。第2四半期の海外売上高は約30億円となり、第1四半期も前四半期の2017年第4四半期に比べて、大きく伸長いたしましたが、第2四半期もさらに大きく伸長したという結果を残しております。

四半期の海外売上高としては、過去最高を更新して、前年同期比で見ますと約3倍の売上高になっております。

決算概要: 海外売上高を拡大させる取り組み

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海外展開がうまくいっております。好調に推移しておりますので、少し補足的に、当社の海外売上高を拡大させる取り組みを、以前も真田(哲弥氏)から方針等も含めて説明しておりますが、少し補足させていただきます。

当社は、とくにIPを使ったゲーム作りというのが、1つの強みでございますが、基本的には世界中にファンがいる日本の漫画やアニメを原作としたゲームを、海外に配信するということを行っております。

また、多言語対応ということもやっております。例えば、『Captain Tsubasa:Dream Team』は、リリース当初は6言語で対応し、この第2四半期のタイミングで、アラビア語・ポルトガル語を追加しまして、現在は8言語で対応するということをやっておりまして、多言語展開を一定の低コストで行えるような体制を構築しております。

また、他社さんとも比べまして、当社の強みが広告運用のところにもございます。訴求軸を意識して、地域別/言語別に媒体を制作し、ターゲット別に適切に配信していく。これをインハウスでやっていくというところを、実現できております。

加えて、ファンコミュニティの醸成にも力を入れております。例えば、オンライン動画放送の「KLab Games Station」。これは、英語版/フランス語版を提供しておりますし、また、海外の現地で直接ファンミーティングを開催するとか、そういった取り組みを積極的に行っております。

これらに加えて、当然、品質の高いゲームを作るというのは、もちろんでございます。そういう点も含めまして、App Store……Appleさんであったりとか、(Google Playの)Googleさんのフィーチャーなど、多数の掲載実績を持っております。

国・地域別セールス最高順位(抜粋)

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そのあたりを踏まえまして、こちらは、当社がApp Annieの統計から作成した資料になりますが、多くの国や地域で非常に高いセールスランキングを記録するということが、実現できております。

費用

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続いて、費用の概要です。売上原価は53億6,400万円、前四半期比で2.0パーセントの増加。販売費及び一般管理費は14億4,000万円、前四半期比で9.0パーセントの増加となりました。費用全体の傾向としましては、ゲーム開発にかかる外注費・業務委託費が増加しております。

主な費用の推移

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主な費用の推移になります。先ほどの話と重複いたしますが、ゲーム開発にかかる業務委託費・外注費、また、人員も増強しております。採用がうまくいっておりますので、そのあたりを踏まえまして、労務費・人件費も増加傾向にございます。

グループ従業員数の推移

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従業員数の推移です。2017年第3四半期より、人員増強フェーズに移行しておりまして、採用力を強化することで、一定の優秀な社員が採用できるという状況になってきております。第2四半期は、とくに新卒の入社もございましたので、一定の数字が伸びております。

連結貸借対照表

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連結貸借対照表の概要です。資産の部の合計は189億3,300万円、負債の部の合計は51億5,600万円、純資産の部の合計は137億7,600万円となりました。主な増減としましては、アクセルマーク社との資本業務提携・出資になります。

また、自己株式の取得により、現預金が減少しております。 ゲーム開発の進行にともないまして、無形固定資産のソフトウェア仮勘定が増加しているという傾向でございます。

業績の報告は以上とさせていただきまして、この後は真田より、説明させていただきます。

ゲームパイプライン

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真田哲弥氏:真田でございます。それでは私から、引き続きご説明申し上げます。

まず初めに、ゲームパイプラインでございます。こちらをご覧ください。現在開発中のゲームは、全部で6タイトルでございます。若干、注釈を付けていきたいと思います。

まず、「開発中」と申しますのは、我々の社内用語で「プロト開発および本開発以降のフェーズに進んでいるゲームタイトルの総数」でございまして、こちらに挙げているものを必ずすべてリリースするかどうかは、現時点でも決まっていないものでございます。

そして、同一タイトルの多言語対応。これは、すべて1本とカウントしています。すでにリリース済みのタイトルの他言語版は、この中には入っていません。ただし『BLEACH』だけは、これは日本で作っている『BLEACH Brave Souls』の中国語版ではなく、まったく新たなゲームをスクラッチから開発していますので、1本とカウントしているということでございます。

前四半期に発表した資料と比較しますと、(2018年)8月3日に『ガールズ&パンツァー あつまれ!みんなの戦車道!!』をリリースいたしましたので、それをこの表の中から削除しているかたちで、1タイトル減少しています。

ということで、全部で6タイトルとなっています。

2018年度 通期業績予想の修正

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昨日(2018年8月7日)発表いたしました、通期業績予想の修正でございます。数字は、もうご覧いただいたとおりの数字でございます。

「なんで下方修正したんだ?」というところでございます。まず、そもそも期首に発表いたしました業績予想は、どうやって作っているかというところから申し上げますと、我々は新作タイトルを、「何月に、どのタイトルをリリースする」ということは公開していませんが、収支計画を作る上では、当然ながら、「何月に発表予定である」と内々に想定して、その想定のもとに、「そのタイトルがいくら売り上げるか?」と計算し、業績予想を作成しています。

この「いくら売り上げるか」、そして「いつ発表するか」は、ある程度幅を持たせています。その幅のうち、保守的な数字……遅いリリース時期をベースに、業績予想の計算をしています。

その中でも、「すごくうまくいったとき」と「うまくいかなかったとき」を想定して、レンジの下限・上限を設定しているわけですけれども。今回、業績予想を修正するにあたりまして、(修正が)起こった原因と申しますのは、(開発中の新作タイトルの)リリース時期について、期首にこの業績予想を作成したときの計画よりも、後ろ倒しの計画に変更したと。

その分、期首に作成した業績予想の中で売上を見込んでいた時期に、売上が上がっていないという現象が起こりましたので、その差分だけを、期首の業績予想から差っ引いたかたちになります。

修正後業績予想根拠

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業績予想根拠ですけれども、これは基本、期首に発表したものと大きく変わっていません。

まず、売上高の新作タイトルリリースです。「下期は3~5本の新作タイトルリリースを想定」と。ここが一部、下期に変わっているということです。これは、もう一度比較して見てみますと、プロト開発ないしは本開発で、現在は全部で6タイトルを予定しているうちの3本~5本を、この下期のうちにリリースしたいという計画に基づいて、業績予想の数値を修正しています。

それ以外は先ほど申し上げたとおりで、レンジの下限・上限を想定しているということと、新作タイトルのリリース時期。これによって、また売上は変わるわけですけれども、この修正版を作るにあたっても、比較的保守的なリリース時期をベースに計算しています。

費用につきましては、期首から変わっていませんが、諸々の費用増加を織り込んでいます。

広告宣伝費であるとか、運用費であるとか、労務費の増加を織り込み済みでございますし、今ここに具体的に発表しているもの以外も含めまして、2019年度以降の事業展開も見据え、積極的に投資を行っていく前提で費用を織り込んでいます。

営業利益につきましても、当然ながら、営業利益の幅がレンジの上限であるわけですけれども、固定費は一定で売上高が変わるという前提で、営業利益を算出しています。

ニューストピックス(ガールズ&パンツァー あつまれ!みんなの戦車道!!)

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この後は、ニューストピックスです。すでにもう(2018年)8月3日に発表していますので、ご存じかと思いますが、株式会社バンダイナムコエンターテインメントさまと当社で共同開発しました、『ガールズ&パンツァー』の新作アプリを発表いたしました。

ニューストピックス(中国大陸版キャプテン翼)

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そして、中国の北京盖娅互娱网络科技股份有限公司(GAEA)社と提携いたしまして、中国大陸版の『キャプテン翼』を、(2018年)6月28日よりテストオープンというかたちで、リリースしています。

ニューストピックス(禍つヴァールハイト)

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続きまして、当社期待のオリジナルタイトルの『禍つヴァールハイト』の、事前登録受付を(2018年)6月7日より開始しました。人気のバーチャルYouTuberの「電脳少女シロ」さんとタイアップさせていただき、特典を用意しています。

ニューストピックス(幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル)

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続きまして、アクセルゲームスタジオと共同開発中であります、『幽☆遊☆白書』の最新アプリの『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』も、(2018年)7月30日に事前登録の受付を開始しています。

ニューストピックス(アニメ・ゲーム系イベントへの出展)

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これは、日本にいるとなかなか気付かないことではありますけれども、世界的に見て、日本のポップカルチャーにとって、最も重要なイベントのうちの2つだと思っていいかと思います。

まずは、アメリカのロサンゼルスで(2018年)7月5日から開催されました、「Anime Expo 2018」。こちらに出展いたしました。そして、日本でもテレビでこのイベント自体はけっこう放映されていますが、フランスのパリで開催されました、「Japan Expo 2018」へ出展しました。

どちらも日本出展企業の中では最大級……最大とは言いませんが、最大級の大きなブースで、海外メディアからも大きく取り上げられました。これによって、海外のジャパンポップカルチャーファンのみなさまに、アピールできたかと考えています。

ニューストピックス(東京ゲームショウ2018出展)

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最後に、お知らせでございます。昨年(2017年)、「東京ゲームショウ」の過去最大(規模)のブースで話題を呼んだと記憶していますが、今年(2018年)は前年を超える規模のブースを「東京ゲームショウ2018」に出展いたします。さまざまな発表をそこでも行いますので、ぜひ足を運んでいただければと思います。

以上、私から発表申し上げました。ありがとうございました。

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