老後の世帯収入は「公的年金」がベースとなる方が多いでしょう。ちなみに日本の年金制度は世界的にみるとどうなのでしょうか?

米国のコンサルティング会社マーサーと投資専門家の団体であるCFA協会が発表した「グローバル年金指数ランキング(2024年度)」によると、48カ国中36位となっています。

ここでいう「グローバル年金指数」とは、各地域の年金制度(退職所得制度)を、「十分性(Adequacy)」、「持続性(Sustainability)」、「健全性(Integrity)」の3つの指数から評価するものです。

日本は先進国の中でも順位が低くなっており、制度面での不安が影響しているといえます。

そもそも皆さんは年金制度について、概要は理解できているでしょうか?

今回は、日本の「年金制度」の仕組みと、現シニア世代が受給している金額を確認していきます。

1. 公的年金制度とは?年金の仕組みをおさらいしよう

日本の公的年金制度では、20歳以上60歳未満の日本に住むすべての人が「国民年金」に加入することが義務付けられており、この仕組みを「国民皆年金制度」と呼びます。

つまり、たとえ学生や無職であっても、20歳になると自動的に国民年金に加入することになります。

【写真1枚目/全5枚】公的年金の仕組み/次ページ以降で厚生年金と国民年金の平均受給額一覧表を紹介

日本の年金制度

出所:厚生労働省「日本の公的年金は「2階建て」」

会社員や公務員などは、厚生年金保険にも加入しています。

ただし、国民年金への加入義務があるため、厚生年金保険に加入している人は「国民年金」と「厚生年金」の両方に加入する形となります。

1.1 国民年金(基礎年金)の保険料はいくら?老後の年金額もチェック

国民年金の保険料は一律で、毎年度ごとに金額が設定され、基本的には自分で納付します(ただし、第2号・第3号被保険者については、厚生年金制度で負担されるため、個別に納付する必要はありません)。

老後に受け取れる年金額は、保険料の納付状況に基づいて決定します。

たとえば、40年間にわたり保険料をすべて納めた場合は満額となり、未納や免除がある場合はその分が差し引かれる仕組みです。

1.2 厚生年金の保険料はいくら?老後の年金額もチェック

厚生年金の保険料は、給与や賞与といった報酬額に基づいて計算されます。

この保険料は、勤務先と折半して負担し、給与や賞与から自動的に天引きされる仕組みです。

老後に受け取る年金額は、保険料の納付状況や厚生年金保険への加入期間によって算出されます。

このように、保険料や年金額の計算方法には大きな違いがあるため、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、ご自身の年金加入状況を定期的に確認することをおすすめします。

次章では、現在のシニア世代が「毎月どれくらいの年金を受け取っているのか」、具体的な金額について詳しく見ていきます。