2024年度の年金額は2.7%アップとなりましたが、「年金だけでは生活ができない」という方も多くいらっしゃいます。
筆者はFPとして働いていますが、実際に年金受給世帯の方で苦しい生活を送っていらっしゃる方も見てきました。年金だけで生活ができないとなると貯蓄を取り崩していかなければなりません。
老後生活がどれくらい続くかは予想がつかないもの。今回は老後生活を安心して送れるように老後資金をどのように準備すればいいのか考えていきます。
まずは年金受給世帯がどのような生活を送っているのか深掘りしていきましょう。
1. 老齢年金受給世帯の約6割「年金だけで生活できない」
厚生労働省が2024年7月に発表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の高齢者世帯は41.7%に過ぎません。
このデータから、老齢年金受給世帯の約6割が、年金だけでは生活できていないことがわかります。
では、いまのシニア世代は、毎月どれくらいの年金収入を得ているのでしょうか。
現役世代の方々にとっては、自分の両親以外のケースがわからず、本当に困窮しているのかどうかもピンと来ていないかもしれません。
そもそも、年金額を具体的にイメージできないという方も多いでしょう。
次章で、厚生年金・国民年金の平均受給額を確認していきましょう。