「MonotaRO(モノタロウ)」をご存知でしょうか。モノタロウは、生産現場などで利用される間接資材の通信販売を運営する企業です。同社はユーザーに受け入れられ、業績を伸ばし続けている企業です。同社の強さを最近発表された決算資料などをもとに見ていきましょう。
高成長を続けるベンチャー企業
2018年8月10日にモノタロウは同社単体の7月の月次業績の発表をしました。売上高は対前年同月比+30%増と高成長を続けています。
同社は1500万点の商品を取り扱い、在庫点数は34.8万点にも及びます。主な顧客は製造業、建設・工事業、自動車整備業などで、中小企業が中心顧客となっています。
決算説明会資料によれば、2017年の売上ベース(monotaro.com受注で大企業連携を除く)でいえば、製造業が全体の41%、建設業・工事業が18%、自動車関連が12%という比率になっています。
顧客の従業員数についても、会社調べによれば、6-10人が最も多く、全体の27%、11-30人が26%、31-50人が12%となっています。こうしてみるとモノタロウは中小企業に食い込んでいる企業といえます。
さて、足元の業績はどうでしょうか。7月27日に発表された2018年12月期Q2累計決算では、売上高は対前年同期比+24%増、営業利益が同+21%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が同+16%増と好調です。
顧客のロイヤリティの高さが強み
モノタロウは新規口座獲得のために、リスティング広告の強化や検索エンジンの最適化などを進めているのはありますが、それらに加えて顧客の同社のロイヤリティが高いことが強さの背景だと見えます。
たとえば、10年前の2008年に初回注目顧客の購入金額(モノタロウの売上高)を1とした際に、2017年にはどうなっているかというと、2.1倍近くにまで拡大しています。
もちろん2008年以降の顧客も同様の傾向となっており、同社は顧客数を積み上げていくことで売上機会が増していく構造となっています。
ちなみに、同社(単体)の登録口座数は2018年6月末には303.2万口座となっており、2017年12月末比では+29.4万口座となっています。
10年前の2008年の登録口座数34.2万口座であることを考えれば現在の規模の大きさが分かると思います。当時の顧客数の規模を1年近くで積み上げていることになります。
同社の売上高はこうしてみると顧客数の積み上げと1顧客当りの購入金額を引き上げることが売上高を牽引することとなります。
過去5年間の業績変化はどうか
最後に、同社の過去5年間の業績動向を有価証券報告書をもとに見ておきましょう。
売上高は2013年12月期に346億円であったものが、2017年12月期には883億円にまで拡大をしています。
また、経常利益も2013年12月期に39億円であったものが、2017年12月期には119億円にまで拡大しています。5年間でおおよそ3倍近くにまで拡大したことになります。
株価を見ていただければお分かりになるともいますが、世間ではよく「10倍株」、英語でいうと「テンバガー」なる言葉もありますが、同社の場合に長期の株価で見ればその日ではないことが分かります。
株式投資ではこうした長期で成長する優良な銘柄に出会え、投資ができれば超過収益を享受することができる良い例といえるでしょう。
青山 諭志