LIMO編集部が、過去1週間でよく読まれた記事を集計し、その中から厳選したコンテンツを「見逃し配信」としてお届けします。ご参考にしていただければ幸いです。 (初公開日:2024年11月6日) |
「カレーライス指数」という言葉をご存じでしょうか。
カレーライスを1食作るための材料費(お米やジャガイモなどの食材)や電気やガスなどの水道光熱費がどれくらいかかるかをあらわした数値のことを指します。
株式会社帝国データバンクが2024年10月10日に公表したデータによると、カレーライス指数は8月時点で348円となっており、5か月連続で最高値を更新しています。
「令和の米騒動」と言われるくらいの米不足や、相次ぐ物価の上昇が招いた結果だと言えるでしょう。
このように物価の上昇による影響で生活費が上昇し、逆に貯蓄できる金額が減少するなど、一般家庭に大きな影響を与えています。
日々マネープランの相談を受ける筆者の元にも、「生活費が高くて老後の貯蓄ができない」といった相談が数多く寄せられます。
今の生活だけでなく、老後の生活に対しても不安を募らせている方は非常に多いでしょう。
今回は、65歳以上の無職世帯に絞って、1か月の生活費の内訳や年金受給額、平均貯蓄額などについてお伝えしていきます。
1. 65歳以上「無職夫婦世帯(年金世帯)」の平均貯蓄額はいくら?
老後が近くなると「どのくらいの貯金があれば安心できるのか」と考える機会が増えるものです。
総務省のデータによると、2023年時点で65歳以上の無職夫婦世帯の平均貯蓄額は2504万円です。
同資料による、2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移は下記のとおりです。
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
2018年から少しずつ平均貯蓄額が増加しており、2023年には2500万円を超えています。
多くの人が「年金だけでは不十分」と感じて、貯金を増やそうとしているのかもしれません。
また、この推移だけを見ると「多くの人が順調に貯蓄できている」と感じるかもしれませんが、実際の生活費は個人によって異なるため、2000万円以上の貯蓄が老後の安心につながるかは人それぞれです。
では次に、貯蓄額の内訳を確認してみましょう。
1.1 65歳以上「無職夫婦世帯(年金世帯)」の保有資産の内訳
65歳以上の「無職夫婦世帯(年金世帯)」の保有資産の内訳は以下の通りです。
- 有価証券:480万円
- 生命保険など:413万円
- 定期性預貯金:846万円
- 通貨性預貯金:754万円
- 金融機関外:11万円
保有資産の合計2504万円のうち、有価証券は480万円で、前年比で80万円の増加が見られました。
一方、定期性預貯金は846万円となり、前年比で19万円の減少となっています。
現状、預貯金が大きな割合を占めていますが、NISAやiDeCoなどの登場により投資に関心を持つ人が増えていることから、預貯金から投資に切り替えている人が多くなっているのでしょう。
なお、本章では無職の年金世帯のみの貯蓄事情を見ていきましたが、65歳を超えて「まだまだ現役で働いている」という方も多いですよね。
そこで次章では、65歳以上の世帯全体、つまり無職の方だけでなく、働いているシニア世帯も含めた貯蓄額の平均を確認してみましょう。