ネクソン、15周年目の韓国『メイプルストーリー』は前年同期比で61%成長 2Q売上収益は478億円

2018年8月9日に行われた、株式会社ネクソン2018年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料 質疑応答パートはこちら

スピーカー:株式会社ネクソン 代表取締役社⻑ オーウェン・マホニー 氏
株式会社ネクソン 代表取締役 最高財務責任者 植村士朗 氏

2018年12月期第2四半期決算説明会

オーウェン・マホニー氏(以下、マホニー):本日は、ご参加ありがとうございます。まずは、今日の本題の背景からお話しします。

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オンラインゲームは何年、時には何十年も成長し、売上や利益を生み出せますが、これはオンラインゲームで、もっとも理解されていない点の1つです。

新作ゲームは、得てして寿命が短いにも関わらず、多くのアナリストが新作ゲームばかりを評価する傾向にあります。寿命の短いゲームが多いのは事実ですが、オンラインゲームはうまく運用できれば、長期に渡り予測可能な売上と利益を生み出せるということを、認識していただくことが重要です。

これを理解するには、多額の開発費や大規模なマーケティングに依存しないモデルが存在することを、知る必要があります。優れた運用を通じ、安定的に売上と利益を生み出し、ユーザーベースを維持していくモデルです。

ゲーム事業では、長期に渡り安定的に成長し続けるゲームが、なにより価値のある財産になります。このモデルの存在はあまり知られていないため、ゲーム業界では、新作ばかりが注目されます。

しっかりとした運用で、長期的な期間、安定的なキャッシュフローを生み出すオンラインゲームは、評価されていません。ネクソンの主力タイトルは、ディズニーランドのようなテーマパークによく似たモデルのもと、運用されています。

ディズニーランドは、いつの時代も本質を変えることなく、乗り物やレストランを定期的に改装し、楽しい体験を提供し続けています。毎年、隣に新しいテーマパークを建設する必要がありません。

ところが、ゲームの場合は、ディズニーランドと違い、既存ゲームを安定運用するよりも、新作を次々と出すほうが良い戦略だと考えられているようです。

当社が上場した2011年に、もっとも多く受けた質問は、「『メイプルストーリー』や『アラド戦記』の売上が、いつから下がり始めるか?」でした。どの会議でも、この質問があがりました。

当時は、この2タイトルが、7年後の2018年にまだ成長し続けているとは、誰も想像していませんでした。しかし、実際は悪くなるどころか、年々成長し続けています。

CEO ハイライト

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それでは、これらを背景に、主力タイトルについてお話しします。

当第2四半期は、ロングヒットタイトルの1つの『メイプルストーリー』が、素晴らしく好調でした。15周年のイベントや夏季アップデートの好調により、今年(2018年)で15歳になった『メイプルストーリー』は、韓国で前年同期比61パーセントの驚異的な成長をしました。もう一度、繰り返します。15歳になった『メイプルストーリー』が、61パーセント成長しました。

当社のもう1つの安定的な収益基盤である『アラド戦記』は、前第2四半期の高いハードルをさらに飛び超え、中国で再び安定的な成長を遂げました。周年記念のイベントは、『アラド戦記』の存在感が中国で一段と増していることを、力強く印象付けました。後ほど、詳しくお話しします。

これらのタイトルの長年に渡る持続的な成長は、さらに大きな意味を示します。ネクソンのIPが、世界有数のIPへと成長したということです。財務数値が、累計売上高の規模・同時接続者数の成長・年間キャッシュフローの規模を物語っています。

ところが、ネクソンのIPを身近に感じることがない人たちは、その影響力になかなか気が付きません。

当社の顧客は、投資家やアナリストのみなさまとは別の地域にいる場合が多く、ユーザーにとってネクソンのIPがどれほど重要な意味を持つか、イメージし辛いと思います。そこで今日は、少しイメージを掴んでいただくための時間を設けました。

『メイプルストーリー』に話を戻しますが、(先ほど)お伝えしたように、15年目にして直近の四半期は、韓国で前年同期比61パーセント成長しました。

『メイプルストーリー』の成長は、長年ゲームをプレイし、さらにその愛着を新しい世代へと継承してきた、韓国のユーザーに支えらえています。

韓国の総人口の、実に3分の1以上が、『メイプルストーリー』を一度はプレイした経験があります。何百万人もの人が『メイプルストーリー』をプレイして育ち、新たに毎年たくさんの人が、『メイプルストーリー』をプレイし始めています。

既存ユーザーのために、頻繁にアップデートを行うことに加えて、ローカライズを通じ、日本や中国などへの地域展開も行ってまいりました。

『メイプルストーリー』オフラインイベント

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スライド上段は、今年(2018年)4月の15周年記念で開催した、アートバルーンイベントの写真です。『メイプルストーリー』のキャラクターは、ファン向けのライブイベントでは、いつも大人気です。

スライド下段は、昨年(2017年)台北で開催された、オフラインイベントの写真です。1,500人以上のユーザーが赤のパーカー姿で集合し、ゲームロゴの一部の赤いカエデの葉を象った、巨大な「人間メイプルリーフ」を作りました。当時カナダで保有されていた、世界最大人数の「人間メイプルリーフ」の記録を破り、ギネス記録を更新しました。

しかし、なんと言ってもカエデの葉は、カナダの国旗の一部ですから、その後カナダに首位の座を奪還されました。(首位の座は、あくまでも)今のところですが……。

中国『アラド戦記』10周年記念イベント

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無論、ご存じのとおり『アラド戦記』は、とりわけ中国で現在も成長し続ける、モンスター級のIPです。『アラド戦記』の全世界累計総売上高は、米ドルで100億ドルをはるかに超えています。

これは、『スターウォーズ』の累計興行収入を数十億ドル上回る金額です。『スターウォーズ』は、もう1977年……すなわち、40年前から放映されている、世界1位の興行成績を上げている映画です。この数字を聞くと、中国の10周年記念イベントで『アラド戦記』の認知度やユーザーエンゲージメントが増々高まったことを、理解していただけるのではないでしょうか。

(スライドを示して)これらの写真をご覧ください。10周年では、さまざまな屋外マーケティングが行われました。右上は、数百人ものファンが、ビルに投影されたライトショーを楽しんでいる様子です。

スライド右下は、(2018年)6月に開催された10周年記念イベントに、数千人のファンが集まって、お祝いをしている様子です。ちょうどこの頃、中国の主要な国営放送テレビ局のCCTVの番組内で、国の文化やゲーム産業におけるIPの発展に貢献する有力なIPとして、『アラド戦記』が取り上げられました。国営放送でIPが取り上げられることは極めて稀で、『アラド戦記』が、いかに中国で影響力を持っているかがわかります。

ファンをサポートしているのは、世界中で主要タイトルを長年に渡り成長させ、業界をリードしてきた、熱心で優秀なライブ開発・運用チームです。その才能と努力が実っていることは、写真や業績からおわかりいただけると思います。これは、決して簡単なことではありません。

『EA SPORTS™ FIFA ONLINE 4』

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もう1つの大きなヒット作の『EA SPORTS™️ FIFA Online 3』は現在、『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4』へのサービス移行中です。サービス移行は常に慎重を要するものですが、今回は当社にとっても過去最大規模の移行ということで、とくにリスクをともないました。しかし、ライブ運用チームがパートナーのEAと密に協力し、良い結果が得られました。

PC版の配信を(2018年)5月に開始し、モバイル版は7月末に開始したばかりです。まずは、コアユーザーの移行に注力し、次はカジュアルユーザーの移行です。今のところ、順調に進んでいます。

どのようなゲームなのかということで、動画をご覧ください。

(動画が流れる)

マホニー:ライブ運用チームは、主要タイトルを長期に渡り、安定的に成長させるための努力を続けてきました。その才能と努力によって、安定した売上の基盤が生まれ、新作やサービス地域拡大のための投資を行うことができます。

今日のプレゼンテーションで、いちばんお伝えしたかったのは、ゲームを長期に渡り安定的に成長させることが、可能であるということ。

また、そのようなゲームが、ほかのどのようなゲームよりも価値があるということの、根本的な考え方です。ゲーム業界を理解する上で、もっとも重要なのですが、もっとも理解されていない考え方です。また、10年単位で長期運用をできている会社は、ごく一部です。

『OVERHIT』日本サービス

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それでは、これを念頭に置いて、今度は新作についてお話しします。

大ヒット作から生まれる安定的な売上によって、財務的な安定性を失わず、クリエイティブな挑戦ができる競争優位性が生まれています。(これらのうちの)いくつかをご紹介します。

まず、日本向け『OVERHIT』です。(2018年)5月下旬に配信を開始し、ダウンロード数は1ヶ月半で150万を超えています。日本市場に合ったゲームになるように、開発チームが時間をかけてローカライズやカルチャライズを行った結果、原作の韓国版とはかなり違うゲームになっています。スタートは順調で、今後数ヶ月の状況をしっかりと注視していきます。こちらも、動画をご覧ください。

(動画が流れる)

マホニー:このプレゼンテーションが終わった後、すぐにみなさんにこれをダウンロードしていただけるのではないかと思いますので、ぜひフィードバックをください。

『Darkness Rises』グローバルサービス

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次は、『Darkness Rises』です。(2018年)6月に世界140ヶ国で配信を開始し、とくにアジアと欧米で好調なスタートを切っています。日本向けの『OVERHIT』と同様、原作の韓国版に、ビジュアルやゲームプレイのローカライズとカルチャライズをしっかりと加えた結果、成果が得られ、今のところ順調です。6週間で、世界で1,000万ダウンロード数を超えています。それでは、どうぞ動画をご覧ください。

(動画が流れる)

『メイプルストーリーM』グローバルサービス

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マホニー:そして、最後は『メイプルストーリーM』です。これは、私たちの『メイプルストーリー』のモバイル版になります。もともとは、パソコン向けのゲームでした。2016年に韓国で先行配信を開始し、直近の数四半期では、安定的な成長とリテンションの良さが見られます。

2週間前に140ヶ国以上でサービスを開始し、1週間で300万ダウンロードを超えています。韓国におけるリテンションや、他の国での好調なスタートを踏まえて、長期的に成功する可能性があると考えています。それでは、動画をご覧ください。

(動画が流れる)

マホニー:これまで繰り返しお伝えしたように、当社の目標は、息の長いゲームを作ることです。長期的なユーザーエンゲージメントは、長期的な株主価値をもたらします。新しいゲーム・ゲームプレイ・ローンチ方法・地域拡大と、さまざまな試みを行う中で、目標としてきたリテンションが得られたら、さらに力を入れています。既存事業から生み出される多額のキャッシュフローは、未来の事業への再投資を可能とします。

その他、欧米向け『メイプルストーリー2』、グローバル向けの『OVERHIT』、そして今日(2018年8月9日)事前登録を開始した『真・三國無双 斬』の日本サービスなど、今後も世界中で、数多くのゲームをローンチしていく予定です。

さて、話をまとめますと、ネクソンはある意味混沌とした、新作ありきでヒットドリブンなゲーム業界では、異例なほど安定的な会社です。何年も、何十年もの間、大ヒット作を安定的に運用できる力を身に付けてきました。他社に多い、乱高下するモデルを避けて、長期に渡る大ヒット作からの利益を、次なるヒット作を生み出すために投資しています。

それではこれより、CFOの植村から、2018年第2四半期の業績と第3四半期の見通しをご説明します。

第2四半期 業績ハイライト

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植村士朗氏(以下、植村):それでは、当第2四半期業績の説明に移ります。

売上収益は、会計基準ベースで前年同期比2パーセント増加、一定為替レートベースで2パーセント減少の478億円となり、当社の業績予想レンジ内での着地となりました。営業利益は160億円、四半期利益は322億円となり、それぞれ当社の業績予想を上回りました。

当第2四半期は、韓国において『EA SPORTS™️ FIFA Online 3』から『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4』へのサービス移行に伴う売上収益へのマイナス影響を、PC・モバイルともに受けたため、韓国の売上収益が前年同期比で微減となりました。

また、対前年同期で日本と欧州および、その他地域が減収となりましたが、中国および北米地域が増収となったことで、全体では当社の予想どおり、売上収益が前年同期比でおよそ横ばいとなりました。

業績予想との比較では、韓国の『メイプルストーリー』が、15周年記念のプロモーションおよび夏季アップデートの効果により、好調であったことから、PCオンラインゲームの売上収益が業績予想を上回りました。

一方で、当第2四半期に韓国で配信を開始した、『KAISER』や『OVERHIT』の韓国向けサービスからの寄与が想定以下であったため、モバイルゲームの売上収益は、業績予想を下回りました。モバイルからの売上収益は予想を下回りましたが、PCオンラインゲームの売上収益が予想を上回ったことから、全体の売上収益は業績予想レンジ内で着地しました。

営業利益は、当社業績予想を上回りました。前払いロイヤルティに係る減損損失8億円が発生した一方で、その他の収益が発生したこと。また、費用が計画以下であったことが主な要因です。

その他収益については、当第2四半期にナット・ゲームズの株式約30パーセントを追加取得し、同社を連結子会社化いたしましたが、これに伴い、追加取得日前に保有していた株式を公正価値で再測定した結果、段階取得に係る差益27億円を、その他収益として認識したことによるものです。ナット・ゲームズ連結子会社化に係る影響の詳細については、後ほどご説明いたします。

費用が計画を下回った主な要因は、モバイルの売上収益やパブリッシングタイトルである『KAISER』からの売上収益が想定を下回ったことから、支払手数料およびロイヤルティが計画以下であったこと。また、広告宣伝費が計画を下回ったことです。

四半期利益も、当社業績予想を上回りました。当第2四半期中に、米ドルに対して主に韓国ウォン安が進行したことにより、米ドル建ての現金預金および売掛金について、155億円の為替差益が発生したことが要因です。

中国/韓国 – ハイライト

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地域別では、当第2四半期の中国の売上収益は、業績予想レンジの上限での着地となりました。『アラド戦記』は(2018年)4月に労働節アップデート、また、6月に10周年アップデートを実施し、いずれもユーザーから好評を博しました。当第2四半期の労働節アップデートは、好調であった前第2四半期と同様に推移しました。

また、10周年のアニバーサリーでは、大規模なプロモーションやオフラインイベントにより、ユーザーコミュニティが大きな盛り上がりを見せました。ゲーム内では数多くのイベントを開催し、また、過去最大規模のコンテンツアップデートも行い、いずれも好評でした。当第2四半期は、ユーザーにコンテンツを楽しんでもらい、エンゲージメントを高めることに注力し、計画どおりの成果が得られました。

当第2四半期の『アラド戦記』のKPIは、季節性により売上収益・ARPPU・MAUがいずれも、前四半期比で減少しました。一方で、エイプリルフールなど、季節のイベントに合わせて行った廉価なアイテム販売の売れ行きが好調であったことから、課金ユーザー数は増加しました。前年同期比では、ARPPUおよびMAUが減少。しかし、課金ユーザー数の増加により、売上収益は増加しました。

第2四半期の韓国の売上収益は、業績予想レンジ内の着地となりました。PCオンラインゲームの売上収益は、前年同期比で微減となりました。5月末に『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4』の配信を開始しましたが、『EA SPORTS™️ FIFA Online 3』については、5月初旬より、コンテンツアップデートおよび課金アイテムの販売を終了しています。

当第2四半期は、『EA SPORTS™️ FIFA Online 3』から『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4』へのスムーズなサービス移行に注力したことから、売上収益は前年同期比で減少しました。一方で、15周年記念イベントや夏季アップデートがとても好調であったことから、『メイプルストーリー』の売上収益は、前年同期比で大きく成長しました。

『EA SPORTS™️ FIFA Online 3』の移行による減少を『メイプルストーリー』の好調が補ったことで、韓国のPCオンラインゲームの売上収益は、前年同期比で微減となりました。

モバイルゲームの売上収益は、PCオンラインゲーム同様、『EA SPORTS™️ FIFA Online 3 M』が前年同期比で減少しましたが、2017年下半期以降に配信を開始した『OVERHIT』『AxE』および、6月に配信を開始した新作タイトルの『KAISER』などの寄与により、前年同期比でおよそ横ばいとなりました。

韓国事業全体では、売上収益は前年同期比で微減となりました。

日本/北米/欧州及びその他の地域 – ハイライト

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第2四半期の日本の売上収益は、前年同期比で減収となりました。(2018年)5月末に配信を開始した、新作モバイルゲームの『OVERHIT』からの売上収益が、前年同期比での増収要因となりましたが、『HIT』およびモバイルブラウザゲームからの売上収益が減少し、減収要因が増収要因を上回ったため、売上収益は前年同期比で減少しました。

第2四半期の北米の売上収益は、主に前第4四半期から連結子会社となったPixelberry Studiosからの寄与により、前年同期比で大きく増加しました。

当第2四半期の欧州およびその他の地域の売上収益は、前年同期比で減少しました。欧州は北米同様、Pixelberry Studiosからの寄与により、前年同期比で増収しましたが、その他の地域において『真・三國無双 斬』が大きく減少したことから、売上収益は前年同期比で減少しました。

ナット・ゲームズ株式の追加取得

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先ほどお伝えしましたとおり、当第2四半期末に、ナット・ゲームズを連結子会社化いたしました。ナット・ゲームズは、『HIT』および『OVERHIT』を開発した、高い開発力を有するモバイルゲーム開発会社です。

当社は、2016年4月から同社と戦略的パートナーシップを提携し、持分法適用関連会社としていましたが、協業および関係性の強化、またネクソングループの開発力強化を目的として、ナット・ゲームズの発行済株式総数の約30パーセントを追加取得し、(2018年)6月末より連結子会社化いたしました。

ナット・ゲームズ連結に伴い、当第2四半期末時点で、のれんを106億円、無形資産を212億円計上しています。なお、ナット・ゲームズの売上収益の大半が、当社からのロイヤルティ収入です。連結子会社化による四半期連結業績への主な影響は、第3四半期以降計上予定の、無形資産の償却費およそ7億円です。

2018年度第3四半期 業績見通し

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次に、2018年度第3四半期業績見通しの説明に移ります。

2018年度第3四半期の売上収益は、会計基準ベースで、前年同期比1パーセントから9パーセントの増加。一定為替レートベースでは、横ばいから8パーセントの増加となる、609億円から659億円のレンジを予想しています。韓国および日本においては、前年同期比で減収が見込まれます。

一方で、中国では売上収益がおよそ横ばいとなること、北米、欧州およびその他の地域においては増収が見込まれることから、全体では前年同期比で、売上収益が1パーセントから9パーセントの増加となることを予想しています。

営業利益は、210億円から252億円のレンジを予想しています。四半期利益は、205億円から240億円のレンジを予想しています。

2018年度第3四半期及び通期 地域別業績見通し

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中国では、主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』の夏季アップデートを、(2018年)7月5日から実施しました。また、9月には、国慶節アップデートも予定しています。7月のMAUは前年同期比で増加、課金ユーザー数はおよそ横ばいとなりました。一方で、ARPPUは前年同期比で減少しました。足元の状況などを踏まえて、当第3四半期の『アラド戦記』の売上収益は、前年同期比でおよそ横ばいとなることが予想されます。

『メイプルストーリー2』は、前年同期比で減少することを見込んでいます。中国事業全体では、前年同期比で売上収益がおよそ横ばいとなることを予想しています。

韓国のPCオンライン事業は、5月にローンチした『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4』が、サービス立ち上げ後、まだ間もないことから、『FIFA』の売上収益が前年同期比で減少することが見込まれます。

なお、モバイル版の『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4M』は、7月26日に配信を開始しました。また、『EA SPORTS™️ FIFA Online 3』および『EA SPORTS™️ FIFA Online 3 M』は、8月2日にサービスを終了しています。

一方で、当第2四半期から継続して実施しているサマーアップデートの効果によって、『メイプルストーリー』が引き続き好調であること。また、8月9日にレベルキャップの開放を行ったことにより、『アラド戦記』の好調が見込まれることから、それぞれ売上収益が、前年同期比で増加することを予想しています。

『FIFA』の売上収益の減少を、『メイプルストーリー』および『アラド戦記』の増加が上回ることで、韓国のPCオンラインゲームの売上収益は、前年同期比で増加することを見込んでいます。韓国のモバイル事業では、前第4四半期に配信を開始した『OVERHIT』および、当第2四半期に配信を開始した『KAISER』が、売上収益に寄与することを見込んでいます。

一方で、PCと同様に、前年同期比で『FIFA』モバイルの売上収益が、減少することが見込まれること。また、前第3四半期に配信を開始した『ダークアベンジャー3』および『AxE』が減少することが予想されることから、前年同期比で売上収益が減少することを予想しています。モバイルの売上収益の減少が、PCの売上収益の増加を上回ることから、韓国事業全体の売上収益は、前年同期比で減少することが予想されます。

日本では、当第2四半期に配信を開始した『OVERHIT』および、7月末に配信を開始した『GIGANT SHOCK』からの寄与を見込む一方で、モバイルブラウザゲーム『HIT』および『ハイドアンドファイア』などの売上収益が減少することが見込まれるため、前年同期比で減収となることを予想しています。

北米では、Pixelberry Studiosの『Choices: Stories You Play』からの寄与に加えて、6月末に配信を開始した『Darkness Rises』および、7月末に配信開始した『メイプルストーリーM』からの寄与が見込まれることから、売上収益は前年同期比で増加することを予想しています。

欧州およびその他の地域では、北米同様、『Choices: Stories You Play』『Darkness Rises』および『メイプルストーリーM』からの寄与により、前年同期比で増収となることを予想しています。

2018年度第3四半期営業利益見通し

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2018年第3四半期における営業利益は、210億円から252億円のレンジを予想しており、前年同期比で8パーセントの減少から、11パーセントの増加となる見通しです。対前年同期での増益要因としては、主に北米・欧州および、その他の地域における売上収益の増加です。また、2017年第3四半期で発生した減損損失36億円を、2018年第3四半期では見込んでいないことによる、その他の費用の減少効果が挙げられます。

一方、対前年同期での減益要因としては、ストック・オプション費用の増加および、従業員数の増加などによる、人件費の増加です。また、『Darkness Rises』グローバルサービス、『OVERHIT』日本サービス、『メイプルストーリーM』グローバルサービスなどの新作や、『Choices: Stories You Play』および、韓国の『メイプルストーリー』に係るプロモーションなどによる、広告宣伝費の増加です。

営業利益を上限値で見た場合、増益要因が減益要因よりも大きいことから、営業利益は前年同期比で増加することを見込んでいます。

それでは、これより質疑応答に移ります。

質疑応答:『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4』への移行について

質問者1:ご説明ありがとうございました。クレディ・スイス証券のヨネシマです。

質問は大きく2つあるのですが、まず1つ目が、ガイダンスの広告宣伝費に関してです。

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20ページ(2018年度第3四半期営業利益見通し)を見ると、18億円ぐらい広告宣伝費が増えますということでした。去年(2017年)の広告宣伝費が、確か第3四半期で50億円ちょっとだったと思うので、四半期で見ると、かなり多いクォーターになっています。

この第3四半期は、70億円近い広告宣伝費になるのですけれども。これは、いつもよりタイトルのローンチが多い結果なのか、それともほかにも、何かプロモーションが入っているのか。広告宣伝費がかなり多かったので、このあたりについて、もう少し補足をお願いいたします。

2つ目が、『EA SPORTS™️ FIFA Online 3』から『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4』への移行に関して、先ほどは「かなりうまくいってます」というお話だったのですけれども。今回は、今までにないぐらいの、けっこう大きな移行だったと思います。

例えば、「いろいろな学びがあった」とか、「どこが難しくて、どこがうまくいったか」とか、「実際、完璧に終わるのはいつになるのか」とか、「『FIFA』のゲームそのものの、収益の回復タイミング」とか……前期比で増益になるなら、第4四半期ぐらいかなと、僕は思っているんですけれど。そういうふうに捉えていいのか、ちょっと時間を見たほうがいいのかということに関して、教えていただきたいと思います。

以上2点です。よろしくお願いいたします。

植村:ご質問ありがとうございます。

まず1点目の、第3四半期におけるマーケティング費用ですけれども。当社のコストに関してお話しすると、変動する要因は、やはりマーケティングのコストがいちばん大きいです。

これは、パイプラインあるいはローンチのタイミングによって変わってきますので、必ずしも昨対比で比較することは、あまり適切ではないと思っております。

それでは、具体的に第3四半期でどのようなことにマーケティング(費用)を使うのかと申しますと、先ほど申し上げたように、『Darkness Rises』のグローバルサービス、あるいは『OVERHIT』の日本サービス、あるいは『メイプルストーリーM』のグローバルサービスです。引き続き、『Choices: Stories You Play』、あるいは、韓国の『メイプルストーリー』といったところに、マーケティング(費用)を投下する予定です。

ですので、繰り返しますが、必ずしも一定ではなく、ときには増えますし、ときには減少するということが起きます。

2点目の『FIFA』のサービス移行についてですが、繰り返し申し上げますと、非常に順調です。我々の想定どおりにいっていると思っております。

現在、第2四半期から第3四半期にかけては、引き続き移行期に当たるので、「減少する」とお話ししておりますけれども、繰り返しになりますが、順調にいっております。

(例えば)引き続き、(2018年9月に予定している)「秋夕(チュソク)」(アップデート)です。大きなシーズンに向けて、コンテンツのアップデートやオペレーションを、しっかりやっていくということになっております。

「これが、いつ平常のレベルに戻るのか?」というのは、なかなか申し上げにくいのですけれども、モバイル版の『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4M』を7月末にローンチして、順調に移行が進んでいるということですので、ハイシーズンに向けてしっかりと運用していけば、いずれ戻ってくると我々は考えておりますが、(具体的に)いつであるということは、言いづらいです。

「秋夕」のハイシーズンに向けて、日々努力しているということです。

学んだことに関して申し上げますと、やはり我々にとっては初めての経験でしたけれども、既存のユーザーをしっかり確保しながら、どのように新しいタイトルに移ってもらうかというところで、さまざまな学びがありましたので、そこに関しては我々の経験とノウハウになったと考えております。

ですので、『FIFA』は引き続き順調にいっておりますので、早く平常のレベルに戻し、かつ、さらに成長させていくということを主眼としております。

質疑応答:『アラド戦記』の状況

質問者2:ご説明ありがとうございました。私から、3点お願いいたします。

1点目が、『アラド戦記』の状況です。

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説明会資料(の「中国/韓国 – ハイライト」)の中で、「廉価なアイテムを販売されたことによって、課金者数が増加した」という記載があるのですけれども。『アラド戦記』の継続を考える中で、以前、安価なアイテムを販売されて、結果的に新しい課金者数が増えてユーザー層が温まって、イベントが大きく当たったときに、売上が大きく上に振れやすいということが、過去にあったと思うのですが、今はどういう状況なのかを教えていただけますでしょうか?

また、新しくお金を払ってくださる方が、ちょっとずつ増えているという状況なのか。そうすると、また1年後や2年後に、大きく売上を押し上げる要因になるかと思いますので、まずその状況を、1点目として確認させてください。

2点目が、同じく『FIFA』の移行なのですけれども。もう少し具体的に……例えばアイテムですとか、それからポイントの移行に対して、いろいろと工夫をされて施策を打ってらっしゃったと思いますので、ユーザーが移行した際に、どういう動きをするのか。

例えば、少しずつ課金をして、ずっと上がっていくのか。それとも、ワールドカップもありましたので、1回ドンと大きく出て、1回下がって、また安定的に推移していくものなのか。移行期のユーザーの課金の行動について、もしわかれば、教えてください。

最後の3点目は、簡単に、コストについてです。第2四半期の最後に、大きく広告宣伝費を積まれて、結果的にご計画を下回って着地されてらっしゃると思いますので、その理由を教えてください。

「使いたかったけれども使えなかった」のか、もしくは「ここまで使う必要はない」という判断を下されたのか。最後に、コストに関してコメントをいただければと思います。以上です。

植村:まず、1点目の『アラド戦記』の状況ですけれども、これは昨年(2017年)の第2四半期と、同じような状況になっております。MAUは、減少はしておりますけれども、比較的安定的で、かつPaying Userも若干の増加で、ARPPUに関しても比較的安定的ということです。

第2四半期に関しては、第1四半期のときにご説明申し上げたとおり、「ユーザーエンゲージメントに注力します」ということで、ローシーズンでもありますし、しっかりとユーザーに楽しんでいただく期間であったと考えております。

ただ、それでもイベント等を行いながら、廉価なアイテムを販売しておりますので、そのようなところでは、引き続き廉価なアイテムを買っていただくユーザーは、たくさんいらっしゃいました。

昨年の『アラド戦記』の成長に関して申し上げますと、昨年は、Paying Userが非常に大きく増加して、成長した年でございました。今年(2018年)の第1四半期は、パッケージの販売が非常に好調で、ARPPUがかなり上がって売上が伸びたことになります。第2四半期は昨年と同様の状況で、安定的です。

第3四半期ですけれども、これも同じく昨年と比較しますと、7月についてはMAUが若干上昇しておりますが、ARPPUが下がっております。Paying Userは一定ということで、ほぼ昨年第3四半期の状況と似通っています。ですので、昨年の高いバーである第3四半期と、同等の成績を出せるのではないかと、現在は見ております。

やはり、四半期ごとにやる施策等が変わってきますので、必ずしも同じような動きになるとは限りませんけれども、今のKPIを見る限りでは(今年の)第3四半期も、昨年の第3四半期と同じような状況になるのではないかと思っています。

いずれにしても、『アラド戦記』に関しては、非常に我々にとって重要なタイトルですし、2017年に非常に大きく成長し、この水準を維持しながら、(2018年においても)しっかりと適度な成長を狙っていくのが、非常に重要だと考えています。

2点目の『EA SPORTS™ FIFA ONLINE4』なのですけれども、こちらは『EA SPORTS™ FIFA Online 3』のユーザーに、きちっと『EA SPORTS™ FIFA ONLINE 4』に移ってもらうために、やはりポイントを付与したりという、いろいろな施策を取りました。ですので、そのような『EA SPORTS™ FIFA Online 3』から移行しているポイントが、現在、当然使えるわけです。そのような意味では、そういうポイントで遊んでいただいていると認識しています。

ただ、7月末にモバイル(『EA SPORTS™️ FIFA ONLINE 4M』)をローンチしまして、そのポイントも、徐々に消費され尽くしてくると思いますので、今後、また新たな『EA SPORTS™ FIFA ONLINE 4』としてコンテンツを入れることによって、課金していただけるようになっていくものだと考えています。

すみません、3点目のコストなのですが、もう一度ご質問をいただいてもよろしいですか?

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質問者2:コストのところで、説明会資料(の「第2四半期 業績ハイライト」)の中で、「広告宣伝費が、御社の見込みを下回った」というご記載があったと思うのですけれども、(お尋ねしたいことは)これが当初の見立てに比べて少なくなった理由ですかね。「戦略的に減らされた」のか、もしくは「使おうと思ったけれども、そこまで使い切れなかったのか」。そこについて、確認させてください。

植村:ガイダンスに対して、我々が見込んだマーケティングコストと実際のコストのぶれは、それほど大きくはありません。若干減少している程度です。ですので、ほとんど我々が想定したとおりなのですけれども、若干『KAISER』等が弱かったというところで、マーケティングを抑えたところはありますけれども。本当に、それほど大きな金額のぶれはありません。

マホニー:マーケティング広告宣伝に関してですけれども、これは前にも言ったかもしれませんが、主要なのは、とくにモバイルゲームの場合、またオンラインゲーム全体についても言えるのですが、私たちはFree-to-playですから、マーケティングをやって、もちろん関心を高めることはいたしますが、やはりどれくらいのLife Time Valueがあるのかというところも見ていきます。

私たちとしては、かなり詳細なモデルを持っていて、そして、いわゆるEffective Cost of Per Installも見ています。Life Time Valueと、インストールごとのEffective Valueがどれくらいなのか。それを、例えばもっとLife Time Valueが高いのであれば、マーケティングをかけていくということです。もしもLife Time Valueが低いのであれば、マーケティングをかけていくということはありません。そのようなことを考えながらやっています。

これは、ある特定のゲームについてということだけではなく、広告宣伝についての弊社の基本的な考え方です。みなさまは投資家でいらっしゃいますので、このような考え方は明らかだと思われますが、残念ながらオンラインゲームではなかなか捉えられていないアプローチですので、指摘させていただきました。

ゲーム会社の中には、アップランキングをあげようと、ROIがマイナスにもかかわらず広告宣伝にお金をかける会社もあります。しかし、それは破滅をもたらします。そういうことをする会社がいると、業界全体でマーケティングコストが上がってしまいますが、やがてお金が尽きて倒産してしまいます。そういったことが何度も過去に起こってきました。なので、私たちは、非常に長期目線で考えておりますので、広告宣伝費については慎重に考えています。

質問者2:ありがとうございます。

記事提供:ログミーファイナンス

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