12月13日は2ヶ月ぶりの年金支給日です。
年始のお年玉を、この分の年金から捻出するというシニアも多いでしょう。
このように、老後は2ヶ月に1度の年金を主な収入源として暮らすことが一般的です。
もし「老後は猫を迎えたい」と考えている人の場合、年金収入だけでその夢をかなえることができるのでしょうか。
本記事では、実際に支給されている年金の平均額を年齢別に紹介します。
1. 「国民年金と厚生年金」とは?年金だけで暮らす人の割合も
公的年金は「国民年金と厚生年金」の2階建て構造となっています。どちらの年金に加入しているかで、将来の年金受給額も異なるでしょう。
1.1 1階部分:国民年金とは?
- 保険料:毎年定められた金額を自身で納付(ただし、第2号・第3号被保険者は厚生年金制度により負担されるため、別途納付する必要はありません)。
- 老後の年金額:保険料の納付状況に基づき計算。40年間にわたって未納がなく全ての保険料を納付した場合に満額となり、未納や免除があればその分は減額。
1.2 2階部分:厚生年金保険とは?
- 保険料:給与や賞与などの報酬額に基づいて決定され、勤務先と折半して負担(給与・賞与から天引き)
- 老後の年金額:保険料の納付状況と厚生年金保険に加入していた期間により算出
1.3 年金だけで生活するシニアの割合
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している高齢者世帯は41.7%となりました。
このことから、老齢年金を受給している世帯の約6割は「年金のみで生活できていない」ことがわかります。
現状を鑑みると、老後を迎えた時点で十分な貯蓄がない限り、猫を新たに迎えるというのは難しい人もいるでしょう。
年金がどれほどもらえるかによるともいえます。
では、現在のシニア世代は月々どれくらいの年金収入を得ているのでしょうか。
次章ではあくまでも参考のひとつとして、老齢年金の「平均受給額」をご紹介します。
2. 【早見表】厚生年金「60歳代~80歳代」の平均月額はいくら?
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、まずは60歳代~80歳代の厚生年金の平均月額を年齢別にみていきましょう。
※金額は、いずれも国民年金との合計です。
2.1 60歳代の厚生年金の平均月額
- 60歳:厚生年金9万4853円
- 61歳:厚生年金9万1675円
- 62歳:厚生年金6万1942円
- 63歳:厚生年金6万4514円
- 64歳:厚生年金7万9536円
- 65歳:厚生年金14万3504円
- 66歳:厚生年金14万6891円
- 67歳:厚生年金14万5757円
- 68歳:厚生年金14万3898円
- 69歳:厚生年金14万1881円
※65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢引き上げにより、報酬比例部分のみ
2.2 70歳代の厚生年金の平均月額
- 70歳:厚生年金14万1350円
- 71歳:厚生年金14万212円
- 72歳:厚生年金14万2013円
- 73歳:厚生年金14万5203円
- 74歳:厚生年金14万4865円
- 75歳:厚生年金14万4523円
- 76歳:厚生年金14万4407円
- 77歳:厚生年金14万6518円
- 78歳:厚生年金14万7166円
- 79歳:厚生年金14万8877円
2.3 80歳代の厚生年金の平均月額
- 80歳:厚生年金15万1109円
- 81歳:厚生年金15万3337円
- 82歳:厚生年金15万5885円
- 83歳:厚生年金15万7324円
- 84歳:厚生年金15万8939円
- 85歳:厚生年金15万9289円
- 86歳:厚生年金15万9900円
- 87歳:厚生年金16万732円
- 88歳:厚生年金16万535円
- 89歳:厚生年金15万9453円
一方で、厚生年金に加入せずに国民年金(老齢基礎年金)のみを受給するという人もいるでしょう。
続いて国民年金の平均額も同様に見ていきます。
3. 【早見表】国民年金「60歳代~80歳代」の平均月額はいくら?
同資料を参考に、国民年金の平均受給額も確認します。厚生年金の上乗せがない分、金額は全体的に低くなる点に注意が必要です。
3.1 60歳代の国民年金の平均月額
- 60歳:国民年金4万2616円
- 61歳:国民年金4万420円
- 62歳:国民年金4万2513円
- 63歳:国民年金4万3711円
- 64歳:国民年金4万4352円
- 65歳:国民年金5万8070円
- 66歳:国民年金5万8012円
- 67歳:国民年金5万7924円
- 68歳:国民年金5万7722円
- 69歳:国民年金5万7515円
※65歳未満の国民年金の受給権者は繰上げ支給を選択したものです
3.2 70歳代の国民年金の平均月額
- 70歳:国民年金5万7320円
- 71歳:国民年金5万7294円
- 72歳:国民年金5万7092円
- 73歳:国民年金5万6945円
- 74歳:国民年金5万6852円
- 75歳:国民年金5万6659円
- 76歳:国民年金5万6453円
- 77歳:国民年金5万6017円
- 78歳:国民年金5万5981円
- 79歳:国民年金5万5652円
3.3 80歳代の国民年金の平均月額
- 80歳:国民年金5万5413円
- 81歳:国民年金5万5283円
- 82歳:国民年金5万7003円
- 83歳:国民年金5万6779円
- 84歳:国民年金5万6605円
- 85歳:国民年金5万6609円
- 86歳:国民年金5万6179円
- 87歳:国民年金5万6030円
- 88歳:国民年金5万5763円
- 89歳:国民年金5万5312円
厚生年金と国民年金の平均月額について確認したところ、年齢による大きな差はほとんどないといえます。
厚生年金の上乗せがあるかどうかが、まず大きな影響だといえるでしょう。さらに厚生年金に加入していても、その受給額は実際にはピンキリです。
年金額は現役時代の働き方や収入、加入期間などで左右されます。ぜひねんきんネットやねんきん定期便などで「自分自身の年金見込額」を確認してみましょう。
4. 年金生活でも猫を飼いたい!支出額の平均はいくら?
一般社団法人ペットフード協会「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」によると、1年以内飼育開始者のうち、60歳代は7.7%、70歳代は6.9%でした。
退職後にペットを迎える世帯もあるということです。
ただし、犬や猫を飼うのは「かわいい」「癒される」だけではなく、責任が伴います。フードや医療費はもちろんのこと、ペット保険料や予防接種費、飼育に伴う光熱費の増加など、多くの経費がかかるものです。
アニコム損害保険株式会社が2024年3月7日に公表した「2023最新版 ペットにかける年間支出調査」によると、猫の飼育にあたり1年間にかける費用は、平均で約17万円となりました。
- ケガや病気の治療費:3万6617円
- フード・おやつ:5万2328円
- サプリメント:3902円
- シャンプー・カット・トリミング料:2814円
- ペット保険料:2万8097円
- ワクチン・健康診断等の予防費:1万3864円
- ペットホテル・ペットシッター:2115円
- 日用品:1万2796円
- 洋服:268円
- ドッグランなど遊べる施設:10円
- 首輪・リード:946円
- 防災用品:1264円
- 交通費:441円
- 光熱費(飼育に伴う追加分):1万3819円
- 合計:16万9281円
もし平均通りの支出だとすると、1ヶ月あたりで約1万4000円の支出です。
こちらを毎月の年金収入でまかなえるのかどうかのシミュレーションが重要になるでしょう。
平均通りになることは少なく、特に病気やケガで受診する場合は人間のような医療保険制度がないため、負担が高まります。
自分自身の医療費や介護費用も、合わせて考える必要があるでしょう。
5. 老後になっても好きなことをするためには?
老後になっても好きなことをするためには?10/10
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年齢を重ね、色々な経験を積むことで自身の「趣味(好きなこと)」は明確になっていくものです。人それぞれ、趣味が異なることもまた一つの良さとも言えるでしょう。
若い頃は「金銭面」「時間面」を理由にできなかったことも、老後になったことでできることもまたあるでしょう。
「老後生活は好きなことをしていたい」「現役時代は忙しくて我慢していたが猫を飼ってみたい」など、色々な理想があります。
まずは、現在のシニア世代の楽しみについて簡単に見ていきましょう。
「シニアの生活意識調査2023(ソニー生命調べ)」によると、全国のシニア(50歳~79歳)の男女1000名に現在の楽しみを聞いたところ、1位「旅行」(39.9%)、2位「テレビ/ドラマ」(38.4%)、3位「グルメ」(27.1%)4位「映画」(25.6)、5位「読書」(23.3%)になったとのこと。
このランキングすべてに共通して必要なものは「お金」です。
本記事では「ペットを迎える」という理想にフォーカスをあてましたが、どのような理想でも少なからずお金が必要になるでしょう。
老後生活の収入源は「年金収入」と「預貯金の取り崩し」が一般的です。年金収入は現役時代の収入や加入期間によって金額が異なり、預貯金額は若い頃からの努力の積み重ねとでも言えるでしょう。
「老後生活に好きなことをしたい」「お金に困りたくない」という人は若い頃からの努力・準備が必要不可欠と言えます。
一方、どんな方法でお金を貯めたら良いか分からないという人もいるでしょう。
「定期預金」「資産運用」「不動産投資」など今の日本には多くの方法が存在します。
筆者は多くのお客様の金銭相談に乗ってきましたが、その中でも「どの方法が自分に合っているか分からない」という回答が多くありました。
お金を貯めるにあたり、一番大切なことは「自分に合っている方法を選ぶ」ことがなによりも大切なのです。
本記事をきっかけに老後生活について考えていただけたら幸いです。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- アニコム損害保険株式会社「2023最新版 ペットにかける年間支出調査」
- 一般社団法人ペットフード協会「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」
- ソニー生命「シニアの生活意識調査2023」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
長井 祐人