2023年度は多くのものが値上げされ、記録的な値上げラッシュの1年となりました。
2024年度も物価上昇がおさまらず、値上げが続いております。2024年11月29日の帝国データバンクのデータによると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした2025年の飲食料品値上げは3933品目となりました。
このような影響もあってか、筆者は個人向け資産運用のサポート業務に従事していますが、「物価上昇で老後の生活が心配なので相談したい」といった相談内容が増えてきました。
現役世代の方は時間もあるので老後に向けた対策も立てやすいですが、年金受給者は収入源も限られており、物価上昇の影響が大きくなってきます。
そのため、年金を含む収入が一定基準を下回るなどの条件を満たす場合、「年金生活者支援給付金」が年金に上乗せされます。
「年金生活者支援給付金」を聞いたことがない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「年金生活者支援給付金」を受給できる要件や、給付金額について確認していきたいと思います。
また、現在の60歳・70歳代・80歳代がどれくらい年金を受け取っているのかも確認していきたいと思います。
1. 「年金生活者支援給付金」対象となるのはどんな人?
「年金生活者支援給付金」は、一定の所得要件を満たす年金受給者を対象に、生活支援を目的として支給される給付金です。
「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」それぞれに給付金が設けられていますが、今回はこのうち「老齢年金生活者支援給付金」について詳細を見ていきます。
1.1 老齢年金生活者支援給付金の対象者&支給要件
「老齢年金生活者支援給付金」の対象者は以下の全てにあてはまる人です。
- 「老齢基礎年金」を受給中の65歳以上の人
- 支給対象者の、同一世帯の全ての方が市町村民税非課税
- 前年の公的年金などの収入(※)と、その他の所得の合計額が以下の支給要件(※2)に該当する
※1:前年の公的年金の収入に、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれない
※2:支給要件は以下の通りです。
1956年4月1日以前生まれの人
- 老齢年金生活者支援給付金:78万7700円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金:78万7700円を超え88万7700円以下
1956年4月2日以後生まれの人
- 老齢年金生活者支援給付金:78万9300円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金:78万9300円を超え88万9300円以下
次では、具体的に給付基準額を見ていきます。