日本は健康寿命が世界一で、今後さらに超高齢社会に突入していくと考えられます。人生100年時代と言われている中、老後資金に対して不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省は毎年11月30日を「年金の日」と定め、11月を「ねんきん月間」としています。これには、現役世代が自身の年金加入状況を確認し、将来の受給額を見据えた老後準備を考えるきっかけを作る狙いがあります。
公的年金は老後の収入の柱ですが、今後は年金だけに頼るのではなく、個々が老後に向けた準備を進めることの重要性も増してきています。
では、実際に現在のシニア世代、特に70歳代の二人以上世帯の貯蓄や年金受給額はどの程度なのでしょうか。これを知ることで、自身の老後設計についてのイメージをより具体的にする一助になるかもしれません。
今回は、70歳代の二人以上世帯を中心に貯蓄額や年金額について確認し、老後資金の現状を見ていきたいと思います。これを通じて、これからの備えをどう進めていくべきか考えるきっかけとなれば幸いです。
1. 70歳代で「貯蓄3000万円以上」の世帯は何割?二人以上世帯の平均と中央値
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代の二人以上世帯で貯蓄が3000万円以上あるのは、全体の19.7%でした。
※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。
1.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円の割合
- 19.7%
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
平均額は1757万円となっていて、中央値は700万円です。
全体の約2割が貯蓄3000万円を達成している結果となりました。
では、シニアの貴重な収入源となる厚生年金・国民年金の平均受給額はいくらほどなのでしょうか。