2024年の公的年金支給日は残すところ12月13日(金)のみとなりました。
12月の年金は、年末年始のイベントが集中しているため、他の年金支給日と比べて、生活費に充てられる金額が少なくなりがちです。
前職の銀行員時代、「年金の半分は孫へのクリスマスプレゼントやお年玉に充てるから、ほとんど生活費には使えないわ」と嬉しそうな半面、不安な表情で話されていたシニアの方がいたことを思い出します。
本記事では現在のシニア世代の平均貯蓄額を確認します。あわせて、公的年金の平均受給額についても紹介しますので、老後生活のイメージをしながらみていきましょう。
1. 【70歳代の貯蓄事情】二人以上世帯の平均貯蓄額はいくら?
老後の収入源は公的年金が主となるのが一般的ですが、数年前に話題となった「老後2000万円問題」を考えると、年金だけで安心できる老後生活を送るのは難しいかもしれません。
安定した老後を実現するためには、「貯蓄」が重要な役割を果たします。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円でしたが、実態に近いとされる中央値は700万円です。
※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。
※上記、金融資産には預貯金以外の株式や投資信託、債券などの金融商品残高が含まれます。
1.1 【70歳代】二人以上世帯の貯蓄平均と中央値を確認
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
1.2 【70歳代】二人以上世帯の貯蓄額ごとの世帯割合を確認
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
金融資産非保有、つまり「貯蓄が全くない世帯」は全体の約2割を占めており、こうした世帯の場合は毎月の生活費を賄えるだけの収入が必要です。
次章では、シニア世代が受け取っている公的年金(厚生年金・国民年金)の具体的な受給額について見ていきます。