2018年8月1日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、BEENOS株式会社2018年9月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:BEENOS株式会社 代表取締役副社長兼グループCFO 中村浩二 氏
BEENOS株式会社 代表取締役社長兼グループCEO 直井聖太 氏
2018年9月期(第3四半期)ハイライト
中村浩二氏:BEENOSの中村でございます。本日は猛暑の中、当社の決算説明会にご出席いただきまして、ありがとうございます。私から、(2018年9月期)第3四半期の決算概要につきまして、ご説明させていただきたいと存じます。
まず、第3四半期のハイライトでございます。
連結ベースの流通総額は118.7億円、前年同期比で12.4パーセント増。
売上高は61.8億円、前年同期比で20.6パーセント増。
営業利益は3.0億円、前年同期比で195.9パーセント増。
経常利益は3.4億円、前年同期比で234.1パーセント増。
親会社株主に帰属する当期純利益は1.2億円、前年同期比で37.3パーセント増となっておりまして、総じて堅調に推移しております。
トピックスといたしましては、第3四半期からバリューサイクル部門に、酒類買取販売事業(株式会社帝国酒販)を連結しております。バランスシート上は、第2四半期末の(2018年)3月31日から連結しておりますが、損益には、この第3四半期から取り込まれております。
それから、第3四半期には、営業投資有価証券の売却がございました。売上で、2.9億円が計上されております。7月11日に、dely株式の売却について適時開示を行っておりますが、売上高で5.1億円、営業利益で4.6億円の影響がございます。こちらは第3四半期には含まれておらず、第4四半期に計上される予定でございます。
流通総額に関しましては、(通期で)430億円の予想を出しておりますが、この第3四半期までの累計は345億円となり、80.4パーセントの進捗となっております。
連結流通総額の推移
それでは、個別にご説明させていただきたいと思います。
流通総額につきましては、過去最高を更新しております。118.7億円で、YoYで12.4パーセント増となっております。基本的に、Eコマース事業がこの流通総額の数字になりますが、全部門で前年同期を上回っています。
連結売上高の推移
次に、連結売上高です。61.8億円で、YoYで20.6パーセント増となっております。売上高に関しましては、過去最高売上高を更新しております。
トピックスでも触れましたが、バリューサイクル部門に酒類買取販売事業が加わっておりまして、それが増加の一因となっております。
リテール・ライセンス部門は、前四半期に若干へこんでおりました。その要因として、当社の子会社である株式会社ネットプライスを譲渡したことにより、連結から外れたという要因がありました。
あと、エンターテインメント事業で季節性があって、元々第2四半期に予定されていたものが、第1四半期と第3四半期にずれ込むという要因がありまして、こちらが減少要因になっておりました。この第3四半期においては、復調しております。
クロスボーダー部門の流通総額の推移
次に、当社の中核事業であるクロスボーダー部門につきまして、少し詳しめにご説明させていただきたいと思います。
当社は、クロスボーダー部門では、双方向……「From Japan」と「To Japan」というかたちで、輸出と輸入の事業を行っております。
この第3四半期におきましては、前年の為替水準と比較いたしますと、若干円高になっておりますが、そのような環境の中でも、両部門とも前年同期で伸張しております。
この折れ線グラフが、為替のドル/円のレート、それから棒グラフが、それぞれの流通額を示しております。
(クロスボーダー部門は)比較的、この為替の影響を受ける事業なのですが、この第3四半期におきましては、とくにTo Japanが前年同期で17.0パーセント増ということで、前年同期を大きく上回ってきております。
とくに新規入札者の増加が、主な増加要因になっております。このあたりにつきましては、後ほど直井から、詳しくご説明させていただきます。
流通総額、売上高及びTake Rateの推移
このクロスボーダー部門につきましては、手数料部分が売上になりますので、流通総額と売上高をお出しさせていただいております。「売上高÷流通額=Take Rate」というかたちでお出ししておりますが、ご覧の(グラフの)ような推移になっております。
From Japanで、若干Take Rate(折れ線グラフ)が上がっておりますが、特段、手数料体系の変更等は行っておりませんので、(要因としては)季節性による商品構成の変化による送料売上に影響しているところが、Take Rateの上昇要因になっています。
先ほど申し上げたように、To Japanは流通総額YoYで17.0パーセント増。売上高に関しては、18.0パーセント増と好調でした。
連結売上総利益率と販管費の推移
次に、連結売上総利益率と販管費の推移でございます。
とくに、この販管費のところでございますが、第1四半期と第3四半期は、例年バリューサイクル部門で、広告宣伝費を大きく投下する期間となっております。その関係で、当第3四半期におきましても、販管費が増加しております。
第3四半期販管費の増減要因(前年同四半期比)
(販管費の)それぞれの項目について、説明をさせていただきます。
人件費・広告宣伝費プラス販促費・その他固定費・変動費というかたちで分けておりますが、前年と比べますと、とくに変動費が増加しております。
こちらは、先ほど「(この第3四半期に)復調してきている」と申し上げましたリテール・ライセンス部門の売上が増加しておりまして、それに伴い売上連動の変動費が増加しているというところが、(販管費の)主な増加要因となっております。
連結営業利益の推移
連結営業利益の推移でございます。
連結営業利益は、3億200万円となっております。第3四半期は、広告宣伝強化期間のため、バリューサイクル部門でコストが増加することで、例年利益を出しにくい期間となっておりますが、Eコマース事業・インキュベーション事業のいずれも、堅調に推移しております。
営業利益の推移(Eコマース事業の内訳)
Eコマース事業を分解して、説明をさせていただきます。(リテール・ライセンス、バリューサイクル、クロスボーダーの)3つの部門に分かれますが、いずれの部門でも黒字(となりました)。
前四半期に関しては、リテール・ライセンス部門が赤字となっておりましたが、この第3四半期に関しては、すべての部門で黒字となっております。
バリューサイクル部門に酒類買取販売事業が加わっておりますが、のれんの償却もございまして、損益への影響に関しては軽微でございます。
連結:資産・負債の概況
最後に、バランスシートの説明をさせていただきたいと思います。
とくに(ご覧いただきたいのは)営業投資有価証券のところでございます。インキュベーション事業の営業投資有価証券になりますが、第3四半期末で29億9,400万円となっております。
3ヶ月前の前四半期と比べまして、3億5,000万円増加しております。この内訳でございますが、新規の投資(による増加)が3億900万円。売却による減少はございません。それから、引当を2,300万円計上しております。あとは、為替変動により、プラス6,700万円の計上となっております。これらの結果、3億5,000万円増加しているということでございます。
以上、簡単ではございますが、私から第3四半期の決算概要について、ご説明させていただきました。
セグメント別ハイライト(3Q)
直井聖太氏(以下、直井):おはようございます。BEENOS代表取締役社長の直井でございます。改めまして、よろしくお願いします。
私からは、BEENOS全体の事業別トピックと戦略について、お話しさせていただければと思います。
まずは、セグメント別のハイライトです。
当社の中核事業でございます、クロスボーダー部門に関しては、売上高が過去最高というかたちになっております。流通総額は58億円、売上高は11億円、営業利益は1.6億円となっております。
バリューサイクル部門も、売上高が過去最高となっております。こちらは、先ほど中村からもご説明させていただきましたが、第3四半期より酒類買取販売事業を計上させていただくかたちとなっております。結果として、売上高は35億円で、前年同期比においては34.9パーセント増というところで、着地させていただいております。
そして、バリューサイクル部門に関しては、例年であれば、この第3四半期は「第2買取期」ということで、比較的買取を中心に進めさせていただく時期でございます。したがって、この時期は赤字になることが多いのですが、そのような買取を行う中においてもしっかりと営業利益が出ているところが、非常にポジティブであると考えられると思います。
そして、3つ目のリテール・ライセンス部門は、(ネットプライスの連結除外を除いて)過去最高の売上高に着地しております。こちらに関しましても、昨年(2017年)のリテール・ライセンス部門においては赤字のところがございましたが、営業利益としては0.3億円に着地しております。
最後に、インキュベーション部門ですが、売却益を計上させていただいております。売上高としては2.9億円、営業利益としては2億円に着地しております。のちほど、詳しくご説明させていただければと思います。
当社のグローバルプラットフォーム構想図
ここから、今期の概要についてお話をさせていただければと思いますが、当社のグローバルプラットフォーム構想図を描かせていただきました。整理を込めて、改めてお話をさせていただきたいと思います。
まず、国内においては、Eコマース事業がございます。中でも、当社がとくに注力していくポイントとしては、普通のEコマース事業ではなくて、エンタメ領域(の拡大)、そしてサブカル領域(への展開)という、コンテンツにまつわるEコマース事業にフォーカスして、事業を運営させていただいております。
当社は、祖業は総合通販というかたちでやらせていただいておりましたが、近年はこちらのエンタメ領域にフォーカスするということで、事業を成長させてきております。
ここにはいろいろな要因がございますが、国内外においてAmazonさんを含め、さまざまなコマースのプラットフォーマーの方々が成長される中で、最終的にコンテンツにまつわるEコマース事業は非常にチャンスがあると考えています。商流だけではなくて、根元のコンテンツホルダーの方々にきっちりとご紹介をさせていただきながら、関係を作りながら、さまざまな商品を企画して、そして流通を行っていくことに着手してまいりました。
そして、国内においてこのようなコマース事業を伸ばしながら、中核事業でございますクロスボーダー事業を、きっちり伸ばしていくということです。
ポイントとしては、ここに書かせていただいているとおりです。1つは、物販アービトラージです。これは、いわゆる内外価格差に近いかたちになります。国内外でさまざまな商品が流通しているわけでございますが、為替の変動や国ごとのトレンドによって、価格というものは、日々シビアに変動しております。そのような中で、当社はこの世界中の商品価格のデータを持つことにより、さまざまな商流のチャンスを創っていくことを、ポイントとして考えております。
そしてもう1つは、(物販アービトラージの)次に書かれております、送料事前確定モジュールとなっております。先般、すでにリリースさせていただいている内容になりますが、さまざまな商材を国内外に流通させる際に、「その商品は、実際にどれぐらいの送料がかかるのか」ということを、事前に当社として確定させて、世界のお客さま・国内のお客さまにお伝えしていくことで、安心してお買い物をしていただける環境を作り出すことができるということで、こちらのモジュールを作ってまいりました。
こちらに関しましては、今後は送料だけではなく、商品情報をもとに、関税もすべて事前に確定できるというモジュールを開発していくかたちになっております。このツール自体は、当社のEコマース事業にも非常に有益でございますし、世界にとっても、このモジュールは非常に有益なものだろうと考えております。
最後に、バーティカル構想でございます。こちらは、今までクロスボーダー部門においては、基本的には海外に送れるもの、国内に送れるもののすべての商材を扱ってまいりましたが、今後はバーティカルにカテゴリーを分けてサービス展開しようとしております。こちらは、近々にもご報告できるかと思います。
最後に「Expand(拡げる)」と書かせていただいておりますが、このような国内のユニークな商材を含め、海外との提携、あるいは流通をさせていくと(いうことです)。
そして、当社としてはさらに投資育成事業を活用させていただきながら、将来的には、(投資先である)海外のマーケットプレイスの方々とビジネスを行っていくという方針を考えております。
当社のミッション
改めてでございますが、当社のミッションとしては、「日本と世界を繋ぐグローバルプラットフォーマーを目指していく」とさせていただいております。
3Qトピック(海外転送事業・代理購入事業)①
そのような中で、まずは第3四半期のトピックとして、中核部門のクロスボーダー部門です。とりわけ世界に送っていくビジネスになりますが、(子会社の)tenso株式会社は、おかげさまで創業10周年を迎えております。
2008年に創業させていただいて、まさしくその時期は、「越境EC」という言葉もない時代でございましたが、2008年からこの10年間、さまざまな方々にサポートしていただきながら実績を残し、今もなお成長できているということを、感謝申し上げたいと思います。
この10年間の実績としましては、会員数は150万人以上。そして、流通総額は800億円を超えております。連携ECサイトさまは1,850サイトを超え、さまざまなEC企業さまと連携をさせていただいております。
また、非常に重要なデータでございますが、発送データです。「海外の方々が、実際にどのような商品を買われるのか」「どのようなところに、何が送られているのか」という発送データに関しても、500万件以上のデータがたまってきております。
そして、会員エリアにおいても、118の国・地域を超える会員さまを保有しているサービスになっております。
昨今、「越境EC」と言うと、どうしても「中国EC」とイメージされる方が多いと思うのですが、当社としては世界中に会員さまを保有させていただいて、そして世界中に商品を提供していることが、一番特徴的でございます。
3Qトピック(海外転送事業・代理購入事業)②
そして、この第3四半期のトピックとしましては、改めて(顧客満足度において)No.1としてユーザビリティを徹底的に追求していこうということで、基本に戻って、サービスを一気に展開しております。
1つ目は、アプリの提供開始ということで、まずはアジア圏で非常に利用率の高い、Android版の「Buyee」アプリを提供開始しております。
(2つ目は)それに伴ったFacebookログイン機能追加など、さまざまなお客さまが使いやすい状況を整えております。
そして3つ目は、チャットでのお問い合わせ対応の開始です。日本国内においては、EコマースもしくはWebサイトを使うときに、チャットでの問い合わせ対応は、まだまだ普及していないのですが、世界において考えていくと、当たり前のことでございます。当社としても、チャットでの問い合わせについて、日英中の3言語で対応を開始しております。これはまた、次の機会で詳しくお話をさせていただきたいと思いますが、やはりチャットでの対応を開始させていただくことで、顧客満足度は非常に上がっております。
(チャットでの問い合わせで)一番いいのは、やはりレスポンスの速さです。メールになってしまうと、どうしてもメールをいただいてからその返信までにまた時間がかかって、そこからお客さまに私どものメールをご確認いただいてから、また返信をいただいて……とやると、(何度も)やり取りがあるので、どうしても2日や3日ほどかかってしまうケースがあります。
チャットであれば、その場で対応できるということで、お客さまとしても、そこに対しては非常にご満足いただいております。運用してから、日々チャットでの問い合わせ比率が上がっています。そして、メールとチャットでの顧客満足比率を比べていくと、チャットでの顧客満足比率が、圧倒的に高いということでございます。
当社としては、このチャットでのお問い合わせ対応を(開始)しておりますが、これをさらに拡大すべく、多言語のグローバルなチャットボットの対応に関しても、着手しております。
そして、4つ目としましては、独自の翻訳検索機能の追加を行っております。今まで、自動翻訳を活用させていただくことが非常に多く、言語によって、利用させていただく自動翻訳のシステムを変えて、対応を行ってまいりました。しかし、当社としましては、ここに関しても、独自の翻訳検索機能を追加をさせていただいています。
なぜ必要なのかと申し上げますと、やはりEコマースの商品名ですとか、あるいは商品説明に入ってくるキーワードは、独特なんです。そのようなことを考えたときに、大手さまを含めていろいろなプレイヤーさんがいらっしゃいますが、ここに関しては、当社が独自に機能を持っていることが、ユーザビリティの観点からすると、非常にメリットが大きいだろうと考え、自社開発を行い、機能を追加させていただいております。
このような取り組みをさせていただきながら、海外のお客さまが安心してお買い物できるかたちを、実現できているかなと思います。
3Qトピック(グローバルショッピング事業)①
そして、こちらはTo Japan(のトピック)ということで、日本に向けて(海外の)商品の販売を行っております、「セカイモン」でございます。こちらに関しましても、第3四半期のトピックとして大きいものは、サービス開始より10年が経過した「セカイモン」のシステムについて、リプレイスがすべて完了いたしました。
これは非常に手応えが大きくて、以前もお伝えさせていただきましたが、やはりネットの創業期、もしくはそれ以降に作られたサービス・ビジネスが、私としては、かなり最近陳腐化してきていると思っています。非常に問題になってきているのは、やはり負の遺産と言いますか、システムが古くなってきて、新興企業さまの開発スピード・改善スピードに(比べて)遅れが出てきていることかと思います。
みなさまもイメージがつきやすいかと思いますが、絶対的に勝ち組と言われている企業さまが、新興企業さまにマーケットを奪われる機会が非常に増えてきておりますが、その要因として、私は、裏側には非常に大きなシステムの負の遺産があるかと思っております。
そこに関して、私どもとしては、1年をかけて開発・リプレイスの準備を行ってまいりまして、無事リリースさせていただいております。これによって私どもが得たものは、生産性の圧倒的な向上でございます。それによって、サービスの改善スピードが飛躍的に上がるかと思います。
そしてもう1つは、維持コストの低減です。サーバー環境・インフラ環境も含めて、すべての見直しを行いましたので、維持コストが低減していくことを予定しております。
3Qトピック(グローバルショッピング事業)②
そしてもう1つ、「セカイモン」について大きいところをお伝えさせていただきたいと思います。今期の1つの目玉でございました、国際送料の事前確定モジュール。先ほどもご説明させていただきましたが、こちらに関して、(2017年)11月末にリリースさせていただいて、前年同期と比較すると、新規入札者は57パーセント増となっております。
何をお伝えしたいかと申し上げると、やはり新規のお客さまは、とくに送料がいくらになるかわからない状態では、なかなかお買い物がしづらかったわけでございます。そのようなお客さまが、事前に送料がわかることで、安心してお買い物できるということで、新規入札者の方々が増えていることは、非常にポジティブであると思います。
先ほど、中村から説明がありましたが、この日本向けのビジネスにおいては、国際送料が確定することによって、今後も流通の拡大が見込まれると思います。
3Qトピック(リテール・ライセンス部門)①
続いて、リテール・ライセンス部門でございます。リテール・ライセンス部門に関しましては、第3四半期に、さまざまな商品の販売を開始しております。
とくに、この新商品・施策の実績で私どもが注力しているところとしては、先ほども申し上げましたが、さまざまなコンテンツホルダーさんとの関係を作っていくことが、非常に重要であると考えております。
そのような中で、大人気でございます、アニメ『進撃の巨人』さま、そしてドン・キホーテさまとコラボした商品を企画をしたりですとか、また『ポケットモンスター』さまやコスメブランドさまともコラボしながら商品を企画したりですとか、そのようなかたちでさまざまな商品を企画を行い、国内において流通させていきます。
今後は、このようなコンテンツ商品を海外に展開していくことを予定しております。日本には、世界においても人気のあるコンテンツが非常に多いわけでございますが、このようなコンテンツにまつわる商品の流通を世界へ広げていくことに、着手しております。
3Qトピック(リテール・ライセンス部門)②
そしてもう1つは、エンタメ部門になります。今まではアーティストさんやアイドルですとか、そのような方々のEコマースの運営・商品企画など、一気通貫型のサービス提供を行ってまいりましたが、こちらの枠をさらに広げて、提供を開始しております。それを、今回はソーシャルゲームにも広げていることをご報告いたします。
まず最初に、第1弾として、グリーさまが提供されております『アナザーエデン』のオフィシャルショップの展開を、当社で承っております。私どもは、今後はこのようなコンテンツ業界も、非常に伸びると思っています。そのような中で、第1弾として、『アナザーエデン』さまとご一緒させていただきながら、Eコマース事業を行っていくことに着手しております。
3Qトピック(バリューサイクル部門)①
続いて、バリューサイクル部門でございます。バリューサイクル部門として、今期注力しているのが、自社販路の拡大となっております。昨今、さらにCtoCのマーケット市場が非常に活況を帯びてきている中で、当社単体でもきっちりとエンドユーザーさまに商品を販売するプラットフォームを作っていくことに、着手をしてまいりました。
これが、毎四半期非常に伸びておりまして、前年同期と比較すると、売上高は72パーセント増で、自社販路の比率が非常に上がってきております。ここは、非常にポジティブな点として捉えていただければと思います。
そして、それをさらに加速させるべく、ECアプリを新しく作り、リリースしております。今までの「ブランディアオークション」という、自社販路との違いでご説明させていただきます。これは、ネイティブアプリで作らせていただいておりますので、スマホ特化の操作性を向上させていくということで、切り出して作らせていただいています。
これが、既存のサービスに変に引きずられるかたちになってしまうと、「結果的に、スマホユーザーの方々にとって、あまり使いやすくなっていないよね」という話がございます。そのような中で、今回はスマホ特化の操作性向上を目指して、ネイティブアプリをリリースしています。
加えて、プッシュ通知などにより、値下げ情報をリアルタイムでお客さまにお伝えすることができるので、購買頻度が上がってくることを想定しています。
3Qトピック(バリューサイクル部門)②
そして、第3四半期のトピックとしてお伝えさせていただきたいのは、買取単価が37パーセント上昇していることが、非常にポジティブだというところです。当社は以前より、「さまざまなブランドの中で、『セカンドブランド』に注力して買取していきたい」とお伝えしてきましたが、とくに「セカンドブランド」の中の「ハイブランド」を取っていきたいということで、さまざまな手を打ってまいりました。
結果的に何が起こったかと申し上げると、買取商品数に関しましては、実は8パーセント減少しています。一方で、買取単価は37パーセント増加というところで、買取として狙っていくところ、注力するポイントを若干ずらしていることを、ご説明したいと思います。
結果として、第3四半期の会計期間比においては、前年同期比で26パーセント増の買取金額を達成しているかたちになっています。このような買取商品を、今後もきっちりと販売していくことで、収益につなげていきたいと思います。
3Qトピック(インキュベーション事業)
続いて、インキュベーション事業について、お話をさせていただいています。当社のインキュベーション事業としましては、国内外におけるEコマース事業を中心に行っている中で、国内投資・海外投資を行いながら、このEコマース事業と連携を行っていきます。そして、お互いのシナジーを発揮して成長していくところが、中心の考え方となっています。
直近のトピック(インキュベーション事業/国内投資)①
そのような中で、これは2018年7月に発表させていただいた内容になりますが、「ナチュラカート」を運営するcart社への出資に合意しています。「ナチュラカート」というサービス自体は、いわゆるナチュラル&オーガニック商品のマーケットプレイスになっています。ポイントとしては、これはクロスボーダーの事業になっています。
言わずもがなですが、国内のオーガニック市場は、規模を拡大しています。一方で、アメリカと比較すると、まだぜんぜん小さいというところです。今後はオーガニック市場がどんどん伸びてくるだろうと考えているところです。また、オーガニック市場を狙うと考えた場合に、アメリカやヨーロッパのような先進国の商材を取り扱っていくことが、非常に重要であると考えています。
そのような意味で、ナチュラル&オーガニック商品のマーケットプレイス事業から、cart社さまへの出資を決めています。こちらに関しては、当社が持つインフラを活用するなど、さまざまなシナジーを発揮しながら、彼らの成長を手助けしていければと思っています。
直近のトピック(インキュベーション事業/国内投資)②
そしてもう1つ、直近のトピックとしましては、インキュベーション事業において、(第4四半期に)売上高で5.1億円、営業利益で4.6億円を計上予定であることを、先般お伝えさせていただきました。売却させていただいた株式は、delyさまになっています。譲渡先としましては、ヤフー株式会社さまとなっています。
delyさまに関しましては、BEENOSとしては2014年7月に、リードインベスターとして出資をさせていただいています。そのような中で、事業が成長してまいりました。そしてまた、今後の成長を考えていく際に、このタイミングでヤフーさまの子会社となることが、成長の促進として非常に期待できると判断しまして、このタイミングでの売却を決定しています。繰り返しになりますが、こちらに関しましては、第4四半期に計上予定となっています。
インキュベーション事業/海外投資
ここからは、海外投資の話でございます。当社の海外投資の基本的な考え方は、こちらでございます。(主に)ネクストチャイナの(新興国)地域に対して、マーケットプレイスやペイメント企業を中心に、投資をさせていただいています。
3Qトピック(インキュベーション事業/海外投資)
今回、進捗を含めてご報告させていただきたいのは、インドにおけるオンライン自動車販売を行います、droom社に関するものでございます。これは、2018年5月に発表させていただきましたが、シリーズDラウンドにおいて、豊田通商さまなどから資金調達を発表させていただいています。
このdroom社は、かなり好調に成長しています。インドのオンライン自動車販売市場におけるシェアとしましては、すでに70パーセントを持っています。そして、年間の流通総額に関しましては、すでに約770億円のペースまで成長してきています。2018年の3月~6月期においては、前年同期比の51パーセント増ということで、順調に成長しています。
今回の資金調達を経て、一番狙っていくこととしては、現在70パーセントを持っている、圧倒的なシェア・ポジションからさらに(上へ)持っていくというところです。今後かなりの成長が見込まれるインドの車市場において、きっちりとした圧倒的No.1の地位を確立することが、(今後の計画の)まず1つです。
そして、今後は株主さま方々の力をお借りしながら、東南アジアへの展開を行っていき、このサービス自体の東南アジアへの展開を行っていくことを、考えていきたいと思います。とくに東南アジアにおいては、日本の車が非常に多く流通している地域でございます。当社としても、droom社が東南アジアでビジネスを展開していくことで、さまざまなところで活躍できるのかなと考えています。
そのようなマーケットで勝っていく中で、ここまで事業が伸びてきた要因でもございますが、非常に重要なポイントとして、とくにAIと機械学習の技術開発へ注力してきました。ここに関しては、さらに積極的に投資を行っていきながら、事業規模の拡大を目指していくことを考えています。当社としても、非常に今後が楽しみな事業となっています。
3Qハイライト
第3四半期のハイライトとして、最後にまとめさせていただきました。
ハイライトとしましては、Eコマース部門における流通総額が、前年同四半期比で12.4パーセント増。
Eコマース事業の営業利益が、前年同四半期比で30.9パーセント増ということで、Eコマース事業は非常に順調に(伸びて)きています。
営業投資有価証券の売却による売上は、2.9億円を計上させていただきました。これは繰り返しになりますが、delyさまの譲渡分に関しては、第4四半期に計上されます。
最後に、流通総額における計画対比進捗率は80.4パーセントで、こちらも順調にきています。引き続き気を引き締めて、第4四半期に臨んでまいりたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。