2. 【年代別】住民税非課税世帯の割合。高齢者が多いって本当?

厚生労働省の「令和5年 国民生活基礎調査」によると、年代別における住民税非課税世帯の割合は下記のとおりです。

年代別:住民税非課税世帯の割合

年代別:住民税非課税世帯の割合

厚生労働省の「令和5年 国民生活基礎調査」を参考に筆者作成

2.1 【住民税非課税世帯の割合】

  • 30~39歳:11.99%
  • 40~49歳:10.04%
  • 50~59歳:13.59%
  • 60~69歳:21.65%
  • 70~79歳:35.88%
  • 80歳以上:52.50%
  • 65歳以上:38.14%
  • 75歳以上:49.08%

割合を見ると、60歳代以降、住民税非課税世帯の割合が急激に増え、80歳代では約2世帯に1世帯が住民税非課税世帯となっています。

さらに、年金受給が始まる「65歳以上」でみると、38.1%が住民税非課税世帯であり、年金世帯の3世帯に1世帯が低所得であることがわかります。

年金世帯に住民税非課税世帯が多い背景には、主な収入源が「年金」であり、年金収入が現役時代の給与よりも少ないため、非課税世帯になりやすいことが挙げられます。

また前述したように、住民税非課税世帯の要件である「収入」が給与収入よりも年金収入の方が基準が低めに設定されていることも理由の一つと考えられます。

このように現代では、低年金世帯が多くなってきており、結果として生活が困窮している世帯も増え続けているのです。

実際に、厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の高齢者世帯の59.0%が「生活が苦しい」と回答しています。

前年度の同調査と比べ、「生活が苦しい」と回答した人は10ポイント以上増加しており、近年続く物価高や円安などが年金の実質的な目減りに大きく影響を与えていると考えられます。

こうした世帯を支援するため、政府は「給付金」を支給するなどの対応をとっています。現在も2024年度新たに住民税非課税世帯等となった世帯へ10万円の給付が実施されています。

世帯によっては申請が必要なケースもあるため、気になる方はお住まいの自治体窓口に問い合わせてみると良いでしょう。