厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の高齢者世帯の59.0%が「生活が苦しい」と回答しており、昨年度の同調査よりも10ポイント以上も増加しました。

この数年で生活が苦しいと感じる高齢者世帯が増加している理由として、物価高や円安などの影響により、年金が実質目減りとなっていることが要因の一つとしてあるのでしょう。

老後の収入源の柱となり得る「公的年金」は、現役時の給与と比較するとその額は少なく、中には「年金月額10万円未満」という人も。

では、厚生年金「月額10万円未満」の人は全体の何パーセントを占めているのでしょうか。

本記事では、老後に受け取る年金額の受給割合について紹介していきます。

老後の年金額を増やすための対策についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 公的年金の仕組みをおさらい!私が受け取れるのは国民年金?厚生年金?

まずは、日本の公的年金制度の仕組みからおさらいしていきましょう。

【写真全5枚中1枚目】日本の公的年金制度のしくみ図。2枚目では、国民年金・厚生年金の平均月額を一覧表でチェック

日本の公的年金制度のしくみ図

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

老後に受け取れる年金は、現役時の働き方によって変わります。

  • 国民年金のみ受給:自営業者・フリーランス・専業主婦など
  • 国民年金と厚生年金を受給:会社員・公務員など

国民年金と厚生年金は2階建て構造となっており、1階部分にあたる「国民年金」は、日本に住む20〜60歳未満の人が原則加入対象です。

つまり、保険料を納めていれば日本に住む人全員が受け取れる年金です。

国民年金の保険料は一律であり、未納なく40年間保険料を納め続けていれば、満額受給ができます。

一方で、2階部分は「厚生年金」となっており、国民年金に上乗せして加入するもので、主に会社員や公務員などが加入対象です。

厚生年金に加入していれば、将来「国民年金」だけでなく「厚生年金」も受給できることになります。

保険料は年収によって変動し、受給額も現役時の加入期間や年収によって変わります。

次章にて、国民年金と厚生年金の平均月額をみていきましょう。