厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金や恩給のみで生活できる高齢者世帯は41.7%。約6割の高齢者世帯が、年金収入だけで生活できていないことが分かります。

昨今の物価上昇により、状況はさらに悪化しているかもしれません。

こうした年金生活者の暮らしぶりを見聞きし、老後に向けて貯蓄に励んでいる人もいるでしょう。しかし、少子高齢化により将来の年金額は不透明。老後生活への不安は高まるばかりです。

本記事では、70歳代シニア世帯の平均貯蓄額や年金受給額を確認していきます。老後対策の参考に、現代シニアの暮らしぶりを見てみましょう。

1. 【70歳代 夫婦世帯】「貯蓄3000万円以上」の世帯はどのくらいいる?

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯(夫婦世帯)の貯蓄事情を確認していきましょう。

【写真全3枚中1枚目】70歳代・二人以上世帯の貯蓄額円グラフ。2枚目・3枚目で厚生年金と国民年金の受給額一覧表をチェックする!

【貯蓄額の円グラフ】70歳代・二人以上世帯

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

1.1 【70歳代・夫婦世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:1757万円
  • 中央値:700万円

1.2 【70歳代・夫婦世帯の貯蓄額一覧表】

  • 金融資産非保有:19.2%
  • 100万円未満:5.6%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:4.7%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:5.8%
  • 1000~1500万円未満:10.2%
  • 1500~2000万円未満:6.6%
  • 2000~3000万円未満:7.4%
  • 3000万円以上:19.7%

70歳代・夫婦(二人以上)世帯で「貯蓄3000万円以上」を保有する世帯の割合は19.7%となりました。

つまり、約5世帯に1世帯の70歳代の夫婦世帯が貯蓄3000万円以上を保有していることになります。

一方で、実態に近い貯蓄額とされる「中央値」を見ると、700万円となっています。

70歳代と言えば「退職金を受け取って豊かな老後を送るイメージ」がありますが、中央値が1000万円以下であることから、実際には予想以上に厳しい状況であることがうかがえます。

では、現在のシニア世代は、老後の主な収入源である「年金」をどのくらい受け取っているのでしょうか。

次章にて、厚生年金・国民年金それぞれの平均月額を確認していきましょう。