「貯蓄から投資へ」の流れのもと、NISAやiDeCoなど税制面で優遇が受けられる運用制度への関心が高くなっています。
ファイナンシャルアドバイザーとしてお金の相談を受ける筆者ですが、相談内容としては将来資金のためにNISAやiDeCoなどの制度を活用した運用相談が多くなっています。
運用への関心ももちろんですが、「非課税」「節税」といった税金面への関心が高い方が多くなっていると感じます。
「せっかく増やしたお金を国にとられたくない」という税金に対する考えは誰しもがあると思います。
普段税金に悩まされている世帯が多い世の中ですが、中には住民税が非課税となっている世帯もあります。また、住民税非課税世帯には「10万円」の給付が進められるなど支援もあります。
また、住民税非課税世帯だけでなく、住民税の「均等割」が課税される世帯も支援の対象となります。
ではどのような方が住民税非課税世帯など支援の対象となるのでしょうか。
本記事では10万円支給についての概要や年代別の割合について解説していきます。
1. 「住民税非課税世帯」への10万円給付とは?対象者をチェック
現在、2024年度に新たに住民税非課税世帯等に該当した世帯に対して、10万円の支給が進められています。
対象者は以下のとおりです。
- 世帯全員の2024年度住民税均等割が非課税である世帯
- 世帯全員が2024年度住民税均等割のみ課税者である世帯
- 2024年度住民税均等割のみ課税者と住民税均等割非課税者で構成される世帯
ただし、2023年度に給付金を受け取った世帯は、今回の給付の対象外となります。
では、どのような世帯が「住民税非課税世帯」に該当するのでしょうか。
次章にて、対象となる要件を見ていきましょう。
2. 住民税非課税世帯の要件とは?
住民税非課税世帯とは、名の通り「住民税が非課税の世帯」を指します。
住民税は前年の所得をもとに決定されます。
この住民税がかからなければ非課税となり、世帯員全員が非課税の場合に「住民税非課税世帯」となるのです。
所得がなければ当然住民税もかからないですが、所得が一定以下のケースでも「住民税非課税世帯」に該当します。
自治体によって要件は微妙に異なるものの、おおよそは同じです。
参考までに、次章にて東京都23区内における条件を確認しましょう。
2.1 「住民税非課税世帯」に該当する条件(東京都23区内のケース)
(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
たとえば、「同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合」が住民税非課税となる目安は所得45万円以下です。
所得とは、年収から各種控除を差し引いた金額を指します。
東京都港区では、住民税非課税世帯に該当する「年収」として以下のとおり提示しています。
- アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
3. 住民税の「均等割のみ課税世帯」とは?
住民税は「均等割」と「所得割」から成り、そのどちらもが非課税の場合に住民税非課税となります。
しかし、中には「所得割」が非課税で「均等割」のみが課税される世帯もあります。
東京都23区内の場合、「均等割のみ課税世帯」に該当する基準は以下の所得以下です。
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
現在実施されている10万円給付は、「住民税非課税世帯」以外に「均等割のみ課税世帯」も給付の対象となるため、覚えておきましょう。
4. 「住民税非課税世帯」高齢者に多い?年代別の割合を徹底比較
厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」より、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)を確認しましょう。
- 30歳代:12.0%
- 40歳代:10.0%
- 50歳代:13.6%
- 60歳代:21.7%
- 70歳代:35.9%
- 80歳代:52.5%
- 65歳以上(再掲):38.1%
- 75歳以上(再掲):49.1%
65歳以上の38.1%が「住民税非課税世帯」であることがわかります。
給与収入と年金収入が同じ場合、所得は年金の方が低くなることから、高齢者世帯の方が住民税非課税世帯に該当しやすくなっているのでしょう。
5. まとめにかえて
この記事では、住民税が非課税の家庭を対象とした10万円の給付支援について解説してきました。
この制度は、所得が一定以下の方々には助かる仕組みです。
でも、給付金に頼りすぎると、最近の物価上昇で生活が厳しくなるかもしれません。
だからこそ、自分で準備をしておくことが大事です。「貯金が難しい」と思っている人も多いかもしれませんが、出費を見直したら意外と無駄遣いが多いことに気づくものです。
まずは、毎月の支出をチェックしてみましょう。固定費の中にも、保険料など見直せるものがあるかもしれません。
一度確認してみると、節約につながるアイデアが見つかるでしょう。
こうした日々の積み重ねが、将来の豊かな生活に結びつきます。
早いうちから計画的にお金を貯めていくことが、安心した老後につながるでしょう。
6. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金は複雑だなぁ…」と思う人は多いのではないでしょうか?でも、ちょっとしたポイントを押さえると、意外と分かりやすくなります。ここでは、年金についてよくある質問を分かりやすく解説していきます。
6.1 年金ってどんな仕組み?
まず、日本の公的年金は「2階建て」の仕組みになっています。土台にあたるのが「国民年金」、その上に「厚生年金」が重なる2階建て構造です。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が対象で、自営業やフリーランスの方が主に加入しています。毎月決まった保険料を払う仕組みとなっています。
厚生年金
会社員や公務員が加入するのが「厚生年金」。厚生年金は収入に応じて保険料が変わるので、将来もらえる年金額もその人の収入次第になる部分が大きいです。
6.2 「繰下げ受給」って何?
年金は普通65歳からもらうものなのですが、「もう少し働けそうだし、今すぐもらわなくてもいい」と思う人には、「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、受け取りを遅らせることで将来の年金が増える仕組みです。
例えば、65歳で受け取る予定を75歳まで遅らせると、年金額が84%も増えます。
もし健康で他の収入源があるなら、繰下げ受給は検討する価値があるでしょう。
6.3 年金や老後資金を増やすには?
「どうやったらもっと年金や老後資金を増やせるのか?」というのは気になるところですよね。繰下げ受給のほかにもいくつか方法があります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方には少しだけ追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額を少し増やすことができます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも一つの手です。会社員になったり、厚生年金が適用される働き方を選ぶと、将来もらえる年金が増えます。
資産運用
さらに、iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託で資産運用をするという選択肢もあります。ただし、運用にはリスクもあるので、始める前によく考えた方がいいですね。
これで、年金の基本が少しクリアになったでしょうか?一歩一歩理解を深めていくことで、将来への準備がしっかり進められるでしょう。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」2024年6月21日
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
- 厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
- 東京都「個人住民税」
川勝 隆登