3. 年金や老後資産を増やす方法
老後は年金収入だけでは足りないと感じる一方で、何をすべきかがわからず不安を覚える人もいるでしょう。
働いて不足分を補填するとしても、健康の問題で働けなくなる可能性もあるため、老後に入る前からしっかり備えをする必要があります。
この章では、年金や老後資産を増やす方法をいくつか紹介します。
3.1 新NISA(少額投資非課税制度)
新NISA(少額投資非課税制度)は、投資信託や株式などの運用で得た利益が非課税になる制度です。
投資初心者の方は、つみたて投資枠で投資信託を積立購入するのがおすすめです。
毎月数百円~数千円といった少額の資金で積み立てながら投資ができるため、まとまったお金がない方でも利用しやすくなっています。
ただし、投資である以上は損失も発生するリスクがあることに注意し、投資についてある程度勉強してから取り組みましょう。
3.2 iDeCo(個人型確定拠出年金制度)
iDeCo(個人型確定拠出年金制度)は私的年金制度で、公的年金に自分の年金をプラスするためのものです。
iDeCoには、以下3つの税制優遇があるのが特徴です。
- 掛金が全額所得控除になる
- 運用益は非課税
- 資金を引き出すときに退職所得控除あるいは公的年金等控除になる
掛金は所得控除の対象になるため、所得税や住民税を少なくする効果があります。
また、新NISAと同様、運用益に税金がかからないため、効率的な資産形成が可能です。
iDeCoも投資信託で運用すると、引き出し時の価格によっては損失となるケースもあることを把握しておきましょう。
3.3 年金の繰下げ受給
繰下げ受給とは、年金の受給を1カ月遅らせるごとに、月額0.7%アップする仕組みです。
1年で8.4%、5年で42%、10年で84%増加します。
65歳以降も働ける方、年金がなくてもしばらく生活できる方におすすめの方法です。
3.4 国民年金の付加保険
こちらは国民年金のみ加入している方が利用できる方法です。毎月400円を追加で納付することで、受給額が毎年200円アップします。
支払った額は2年目で回収でき、それ以降はすべてプラスになります。
4. まとめにかえて
老後の生活に不安を感じるなら、少しでも早く準備を始めることが大切です。
銀行にお金を預けていてもなかなか増えない現在、資産運用の重要性は増しています。
毎月少額で積立ができる商品もたくさんあるため、まとまった資金がなくても取り組むことができます。
投資である以上はリスクも存在しますが、ご自身に合う商品や制度を検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年) 平均結果の概要」
- 金融庁「NISAを知る」
- iDeCo公式サイト「iDeCoのメリット」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「付加保険料の納付」
安藤 真一郎