1. 日経平均は大幅な円安となったことから続伸

2027年10月4日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比83円56銭高の3万8635円62銭となりました。続伸です。石破首相は2日夜、日銀の植田和男総裁と首相官邸で面会した後、記者団に「現在は、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と語りました。これを受けて、ニューヨーク外国為替市場では円が売られ、1ドル=146円50銭と、大幅な円安が進みました。3日、4日には自動車や機械など輸出関連銘柄が買われました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。石破首相はこれまで、安倍晋三政権の「アベノミクス」をたびたび批判してきました。その姿勢は「党内野党」とも呼ばれるほどでした。このため、総裁選で高市早苗氏が敗れた際に、株価が大きく下落したわけです。ところが石破首相が日銀の追加利上げに慎重な姿勢を示すいわゆる「ハト派」の発言をしたことで、株式市場には意外感も広がっています。現状は、アベノミクス継承と好感を持って見られていますが、これが株高継続につながるかどうかは判断が難しいところ。しばらくは様子見になるかもしれません。

4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比341ドル16セント高の4万2352ドル75セントで終えています。9月30日以来、4日ぶりに最高値を更新しました。同日に発表された9月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月から25万4000人増え、市場予想(14万~15万人増)を大きく上回りました。雇用環境が好転したことから、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退しました。そうなると通常は株価の下値圧力となりますが、投資家はそれよりも、米経済の軟着陸に期待した買いに回り、株価は上昇しました。日本株も週初から底堅い展開になることが期待されます。

気になるのは、雇用統計の結果を受けて大幅なドル高になっていることです。対円では約1カ月半ぶりとなる1ドル=149円台までドル高・円安が進んでいます。輸出関連銘柄にとっては追い風になりますが、食品など内需関連企業にとっては原材料の高騰につながります。

3日、4日には自動車や機械など輸出関連銘柄が買われました。

日経平均株価

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