2.3 年金生活者支援給付金
年金生活者支援給付金は、2019年から開始された比較的新しい制度です。
公的年金などの収入金額や、その他の所得が一定基準以下となっている年金受給者の方が対象で、生活支援を図ることを目的に「年金に上乗せして」支給されます。
具体的には、「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」のいずれかを受給中で、収入や所得が一定基準額以下の方は、それぞれ要件を満たしている場合に年金生活者支援給付金を受け取れます。
たとえば、国民年金を受給している人の場合、下記の要件を全て満たしていれば「老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
なお、年金生活者支援給付金は、これまで紹介した「一度きり」の給付金支援とは異なり「継続して支給される」のが特徴です。
各年金生活者支援給付金や保険料の納付状況によって支給額が異なりますが、およそ月5000円で、年間で約6万円となります。
ただし、年金生活者支援給付金は、毎年度、支給額の改定が行われるしくみです。
物価の変動に応じて、毎年4月分から給付基準金額の改定が行われます。
年金を受給しており、新たに年金生活者支援給付金が支給される方へ向けて、2024年9月2日から順次「年金生活者支援給付金請求書」が送付されているため、該当する方は申請を行いましょう。
※金額や要件などは個別の事案・自治体等によって異なるため、個別のご相談・お問い合わせにはお答えできかねます。
3. 年金だけに頼らない老後の資産形成とは?
ここまで高齢者向けの給付金について見てきましたが、今回のような10万円の給付金があるからといって老後の生活が豊かになるというわけではないと思います。
このため、現役世代の方々は今のうちから将来を見据えて老後の準備をしていくことが大切になってきます。
しかし、一概に資産形成といってもハイリスクのものからローリスクのものまであるので、自分自身の意向に合った投資から始めてみるといいかと思います。
まず、一般的にハイリスクハイリターンといわれているものが株式です。
一つの会社に投資しているため価格が変動しやすく投資した会社が倒産してしまった場合には、お金が1円も返ってこないということもあります。
次に、ローリスクローリターンといわれている債券です。
債券にも国が発行している国債から会社が発行している社債までありますが、債券は初めに金利が決まっているためあらかじめリターンを予測することができます。
しかし、日本の国債などは大きく増えないことが多いので、アメリカの国債などから検討してみてもいいかもしれません。
最後に、ミドルリスクミドルリターンといわれている投資信託です。
投資信託とは、ここまでお話した株式や債券をいくつか集めているものを購入するものです。
投資信託は新NISAやiDeCoのような国が用意した税制優遇制度でも購入することができます。
まずは自分自身で調べてみて、少額からでも資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。