3. 家計収支の状況
最後に、65歳以上の家計収支はどうなっているのか、その詳しい状況を見ていきましょう。
3.1 65歳以上の生活費
二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の無職世帯の実収入を世帯主の年齢階級別にみると、
- 65~69歳の世帯:29万6122円
- 70~74歳の世帯:26万7508円
- 75歳以上の世帯:23万9727円
というデータが出ています。
可処分所得については、下記のとおり。
- 65~69歳の世帯:25万3273円
- 70~74歳の世帯:23万2550円
- 75歳以上の世帯:20万9882円
消費支出に関しては、65~69歳の世帯が29万3903円と最も多く、年齢階級が上がるにつれて少なくなっています。
実際、現役世代でも、月の収支が赤字で、貯蓄を取り崩しながら生活している人も少なくありません。
そのため、自身に合った方法で老後資金をしっかり蓄えておくことが不可欠になると言えるでしょう。
4. まとめ
冒頭でも触れた通り、年金を受給している高齢者世帯のうち、実際に年金のみでは暮らせない世帯は58.3%に上っており、2022年よりも増加する結果となりました。
本記事で紹介したように、65歳以上の家計収支はほぼ赤字であり、年金などの公的保障のみでは生活が難しくなっています。
今のうちから計画的な貯蓄を行い、老後の不安要素を少しずつ減らしていくことが大切です。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果(二人以上の世帯)」
- 総務省「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
中島 翔