過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2021年9月15日) |
サラリーマンの方は、給与から天引きで「厚生年金保険料」を納付しています。毎月の給与明細を見て、「けっこう払っているから、生活するくらいの年金がもらえそう」と感じていたものの、いざ試算してみるとあまりの少なさに驚かれる方もいるでしょう。
よく誤解されていることですが、現役時代に納付している保険料は将来の自分のために積み立てているのではなく、現在年金を受給している方へ支払うために使われる「世代間扶養」です。
年金額は、現役時代の収入や年金加入状況によって人それぞれ。とはいえ、現在のシニア世代は実際に厚生年金をいくら貰っているか知ることは参考になります。
そこで、本日は証券会社で約20年の経験をもち、現在はFPの資格保有者としてファイナンシャルアドバイスを行っている筆者より、厚生年金の受給額が「月10万円未満」の人の割合などを確認しながら、老後のお金についてもお話しして参ります。
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1. 厚生年金10万円未満の割合は?
まずは、厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、今のシニア世代のみなさんが、どのくらいの厚生年金を受け取っているかを見ていきます。
厚生年金保険(第1号)月額ゾーンごとの受給権者数とその割合
総数:1598万6959人平均年金月額:14万4268円
- ~10万円未満:378万4122人(23.67%)
- 10万円~20万円未満:957万9223人(59.91%)
- 20~30万円未満:260万5609人(16.29%)
- 30万円~:1万8005人(0.11%)
※割合(%)の総計は、四捨五入の関係で100%にはなりません。また、この年金額には老齢基礎年金部分も含まれています。
厚生年金額は現役時代の収入や加入期間に応じるため、1万円未満~30万円以上と幅広く、個人差があります。
この中でも「10万円未満」の人は全体の約23%。つまり、約4人に1人がひと月あたり10万円を受け取れていません。