3. 約6割が「年金以外の老後資金の準備」をしていない

Sasuke Financial Lab株式会社の調査によると、58.6%の人が「公的年金以外の方法で老後資金を準備していない」と回答しています。

8割以上の人が「老後の年金に不安がある」と感じているにもかかわらず、約6割の人が年金以外の備えをしていないことがわかります。

上記の結果から、多くの人が年金制度に依存しているとともに、将来への不安が解消されていないことも現状が浮き彫りとなりました。

では、年金以外の老後資金の準備として、どのようなものがあるのでしょうか。

Sasuke Financial Lab株式会社の同調査によると、「年金以外の準備をしている人」の具体的な老後資金の準備として、預貯金が62.3%で最多という結果になりました。

【公的年金以外の老後資金の準備方法(複数回答可)】

  • 預貯金:62.3%
  • 新NISA:44.4%
  • 投資:29.8%
  • 個人年金保険:27.8%
  • 確定拠出年金(DC):15.9%
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo):15.9%
  • 厚生年金基金:13.2%
  • 国民年金基金:10.6%
  • 貯蓄型保険:9.9%
  • 確定給付企業年金(DB):7.3%
  • 財形貯蓄:5.3%
  • その他:0.7%

預貯金に次いで多かったのは、44.4%で「NISA」となりました。

NISAとは、運用時に利益が出た場合、利益に対して税金がかからなくなる制度を指します。

2024年からは新たに制度内容が変更され「新NISA」となり、年間投資額の増額や非課税保有期間の拡大がされたため、より長期的な資産運用がしやすくなりました。

また、公的年金以外の老後資金の準備方法の中には、預貯金や資産運用以外にも、国民年金基金といった「年金の受給額を増やす」制度の利用を選択している人も一定数います。

老後の資金準備においては、「老後の資産を増やす方法」や「老後の年金額を増やす方法」などを組み合わせ、リスクを分散させつつ対策をしていくことが重要です。

NISAの他にもiDeCoといった国が主導となって行っている、税制優遇制度を備えた資産運用もあるため、少額から老後の備えを始めてみてはいかがでしょうか。

4. 年金だけに頼らない老後の資金準備を

本記事では、「公的年金制度と老後資金に関する意識調査」や「老後に受け取れる年金額」について詳しく紹介していきました。

本記事で紹介した年金の平均額はあくまで「現在のシニア世代の年金平均額」であるため、将来的に年金水準が下がる可能性も考えられます。

そのため、より詳細なご自身の年金見込額を知りたい場合は、定期的に「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などで、確認することをおすすめします。

少子高齢化や物価高などに伴い、年金だけで老後生活を賄うのは難しくなっています。

まずはご自身の年金見込額を確認し、年金だけでは老後の生活費が不足する場合は、現役の間に老後の資金準備をしておけると安心です。

参考資料

和田 直子