物価高騰によって家計の負担が増える中、後期高齢者医療制度の保険料も年々増加しています。
特に、現役世代の保険料負担が重くなっており、2008年の制度導入時に比べて1.7倍になっているとのこと。
8月8日に厚生労働省が公表した後期高齢者医療制度の財政状況によると、現役世代が支払う交付金は6兆6989億円と前の年度から3%増え、2年連続で過去最大を更新したそうです。
今回は、2024年4月からの後期高齢者医療制度改正の概要や、2024・2025年度の後期高齢者医療制度の保険料について解説するとともに、都道府県ごとの保険料も紹介します。
1. 2024年4月からの後期高齢者医療制度改正について
制度導入時(2008年度)に比べ、後期高齢者の保険料負担は1.2倍、現役世代の保険料負担は1.7倍に増えており、現役世代の負担がより重くなっています。
その状況を受けて、「後期高齢者の保険料」と「現役世代の支援金」の伸び率が同じとなるように見直されました。
また、出産育児一時金の費用の一部を後期高齢者の保険料から支援することも決まっています。
なお、保険料負担の急激な増加を和らげる措置として、以下の要件が設けられています。
- 被保険者の約6割の方(※1)(例:年金収入153万円相当以下の方)は、制度見直しに伴う増加はありません。(※2)
- 一定以下の収入の方(例:年金収入153万円~211万円相当の方)は、収入に応じてご負担いただく定率部分(所得割)について、2024年度は制度見直しに伴う増加はありません。(※2)
- 収入が高い方(約1000万円を超える方)は、保険料負担の年間上限額(賦課限度額)について、段階的に引き上げられます(2024年度は73万円、2025年度は80万円)。 (※3)
※1 収入にかかわらずご負担いただく定額部分(均等割)のみを負担している方
※2 制度の見直し以外の要因(人口構成の変化や医療費の増加等)により、保険料額が増加することもあります。
※3 賦課限度額の段階的引き上げの対象となる方は、以下の通り。
1 2024年4月1日より前から後期高齢者医療制度の被保険者であった方
2 2024年度中に障害認定を受け後期高齢者医療制度の被保険者である方
2. 【2024・2025年度】後期高齢者医療制度の保険料
2024年度と2025年度における後期高齢者医療制度の保険料は以下の通りです。
2.1 2024年度の保険料率
被保険者均等割額
- 年額:5万389円(4万7777円)
- 月額:4199円(3981円)
所得割率
- 10.21%(9.34%)
平均保険料額
- 年額:8万4988円(7万8902円)
- 月額:7082円(6575円)
※()内は2022年度および2023年度の金額
2.2 2025年度の保険料率
被保険者均等割額
- 2024年度と同じ
所得割率
- 2024年度と同じ
平均保険料額
- 年額:8万6306円(8万4988円)
- 月額:7192円(7082円)
※()内は2024年度の金額
3. 【2024年度・2025年度】後期高齢者医療制度の保険料を全国比較
続いて、年金収入が195万円の人を例に、後期高齢者医療制度の保険料を都道府県別に見ていきます。
3.1 【2024年度】年金収入が195万円の人の保険料例
- 全国:5411円
- 北海道:6025円
- 青森県:5170円
- 岩手県:4583円
- 宮城県:5025円
- 秋田県:4808円
- 山形県:5017円
- 福島県:4937円
- 茨城県:5125円
- 栃木県:4883円
- 群馬県:5317円
- 埼玉県:4858円
- 千葉県:4775円
- 東京都:5044円
- 神奈川県:5213円
- 新潟県:4633円
- 富山県:5033円
- 石川県:5409円
- 福井県:5458円
- 山梨県:5685円
- 長野県:4845円
- 岐阜県:5167円
- 静岡県:5033円
- 愛知県:5858円
- 三重県:5212円
- 滋賀県:5119円
- 京都府:5886円
- 大阪府:6211円
- 兵庫県:5812円
- 奈良県:5667円
- 和歌山県:5808円
- 鳥取県:5608円
- 島根県:5345円
- 岡山県:5500円
- 広島県:5211円
- 山口県:6124円
- 徳島県:5792円
- 香川県:5617円
- 愛媛県:5460円
- 高知県:5833円
- 福岡県:6357円
- 佐賀県:5967円
- 長崎県:5508円
- 熊本県:6196円
- 大分県:6184円
- 宮崎県:5458円
- 鹿児島県:6275円
- 沖縄県:5913円
最も保険料が高いのは福岡県の6357円、最も低いのは岩手県の4583円であり、その差は1774円です。
居住地によっては、同じ収入でも1年間で2万円以上の差が生まれることになります。
3.2 【2025年度】年金収入が195万円の人の保険料例
年金収入195万円の人の2025年度の保険料例

出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」をもとにLIMO編集部作成
- 全国:5673円
- 北海道:6325円
- 青森県:5415円
- 岩手県:4808円
- 宮城県:5216円
- 秋田県:5042円
- 山形県:5283円
- 福島県:5056円
- 茨城県:5358円
- 栃木県:4991円
- 群馬県:5567円
- 埼玉県:5067円
- 千葉県:5008円
- 東京都:5355円
- 神奈川県:5440円
- 新潟県:4850円
- 富山県:5033円
- 石川県:5573円
- 福井県:5458円
- 山梨県:6003円
- 長野県:5156円
- 岐阜県:5400円
- 静岡県:5275円
- 愛知県:6117円
- 三重県:5475円
- 滋賀県:5371円
- 京都府:6180円
- 大阪府:6495円
- 兵庫県:6134円
- 奈良県:5833円
- 和歌山県:6125円
- 鳥取県:5892円
- 島根県:5618円
- 岡山県:5758円
- 広島県:5438円
- 山口県:6408円
- 徳島県:6033円
- 香川県:5892円
- 愛媛県:5719円
- 高知県:6100円
- 福岡県:6641円
- 佐賀県:6250円
- 長崎県:5792円
- 熊本県:6259円
- 大分県:6509円
- 宮崎県:5675円
- 鹿児島県:6592円
- 沖縄県:6410円
2024年度と同様に、保険料が最も高いのは福岡県、最も低いのは岩手県となっており、その差額は1833円です。
4. 相次ぐ「値上げ」への対策を
今回ご紹介したように、後期高齢者医療制度の保険料は来年度も上昇する見込みです。
私たちの身の回りのモノやサービスの値段が上昇している今、税金や社会保険料の負担も重くのしかかっています。
相次ぐ「値上げ」により、家計苦しいと感じている世帯も増えていることでしょう。
しかし、そのような状況の中でも、なんとか家計を管理して将来への備えも始めておかなければなりません。
貯蓄や資産運用などに回すお金を工面するためにも、家計の把握や見直しを行うなど、自分にできることから始めていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度からの後期高齢者医療の保険料について」
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
- 厚生労働省「令和4年度後期高齢者医療制度(後期高齢者医療広域連合)の財政状況について」
加藤 聖人