ビジネスパーソンの肩書としてCxOという表記がよく用いられるようになってきました。当初はCEOの知名度がありましたが、現在ではCOO、CTO、CFO、CIOなど、様々なものが用いられるようになってきています。それぞれの役割を正しく理解すると共に、CxOへのキャリアパスも確認しておきましょう。

目次

1. CEO、COO、CTO、CFO、CIO、CMOなどが知られるCxOとは
2. CxOでもよく知られているCEO(最高経営責任者)とは
3. CxOの一つであるCOO(最高執行責任者)とは
4. 近年人気の高いCxOの一つCTO(最高技術責任者)とは
5. CxOとして知名度が高まるCFO(最高財務責任者)とは
6. 重要度が高まるCxOとして知られるCIO(最高情報責任者)とは
7. 企業の存続を分けるCxOであるCMO(最高マーケティング責任者)とは
8. これだけは知っておきたいCxO(最高x責任者)一覧
9. おわりに

CEO、COO、CTO、CFO、CIO、CMOなどが知られるCxOとは

CxOの代表的なものはCEO、COOの他、CTO、CFO、CIO、CMOなどがあります。このようなものを総称してCxOと表しています。

CxOの読み方は「シーエックスオー」で「Chief x Officer」の略です。xは様々な分野や領域に相当する単語を入れて使われます。CxOの意味は「xの領域における最高責任者」であり、担当している業務に関して最も大きな責任を持つ役職です。

近年では、一人の人材があらゆる業務に対して責任を負うことは少なくなってきた代わりに、特定の領域を管理する最高責任者をそれぞれ設置することにより、責任を分散させて業務を円滑に進められるようになってきました。そのため、その分野における全ての責任を負うCxOが配置され、最終決断をする権限を持つのが一般的になってきました。

どのような方がCxOを任されるかはケースバイケースではありますが、その分野で社内のトップにあたる方がCxOの役職に就くのが基本といえるでしょう。

CxOでもよく知られているCEO(最高経営責任者)とは

CxOの一つであるCEOは、最もよく知られていますので、ご存知の方も多いでしょう。CEOの読み方は「シーイーオー」で「Chief Executive Officer」の略です。意味は経営における最高責任者で、最高経営責任者と訳されるのが一般的です。日本では代表取締役社長、取締役会長などがCEOの肩書を持つことが多いです。CEOの役割は企業経営における全ての最終意思決定を担うことであり、企業が事業展開をする上でのトップとして活躍します。

どうやったらなれるかについては企業間の差が大きく、大企業では特に、社員として出世しているだけではなれない場合がほとんどです。世襲制の場合には血縁が重要になるため困難ですが、ディレクター職から抜擢されてCEOになる例もあります。しかし、このような事例はあまり多くはなく、副社長になってもCEOにはなれない場合もあります。自分で会社を起ち上げてCEOとなるのが確実であり、CEOを目指したい方は念頭に置いておくと良いでしょう。

CxOの一つであるCOO(最高執行責任者)とは

CxOの一つであるCOOは、CEOに次ぐ責任者として位置付けられることもある重要な役職です。COOの読み方は「シーオーオー」で「Chief Operating Officer」の略です。意味は業務の執行における最高責任者で、最高執行責任者と訳されるのが一般的です。

COOの役割は中長期的な意思決定をCEOの統括の下で執り行うことです。副社長がCOOと名乗ることも多く、CEOの定める経営方針や意思決定基準に基づき、より現場に近い場所から迅速な意思決定を行うことで活発な企業経営を促す役割を持ちます。

どうやったらなれるかは企業による違いが大きいものの、中小企業では外部からのヘッドハンティングも珍しくありません。企業内で育て上げるケースでは営業や開発などの各部署の部長クラスからの抜擢がほとんどです。専門として従事してきた分野に精通しているだけでなく、広く企業全体を見ることができる能力が求められ、同時に経営者としてのビジネススキルも習得していることが必須になります。

近年人気の高いCxOの一つCTO(最高技術責任者)とは

CxOの一つであるCTOは、技術開発の進展と共に人気が高まってきています。CTOの読み方は「シーティーオー」で「Chief Technology Officer」の略です。意味は技術分野における最高責任者で、最高技術責任者と訳されるのが一般的です。

CTOの役割は企業が事業展開を行ったり、業務効率化を目指したりする上で必要となる技術の選定と活用における意思決定を行い、個々の専門的な技術についての取捨選択を適切に行うことが求められます。通常はITに関連する技術者としての素養が必須で、専門性の深さも要求されます。

どうやったらなれるのかというと、エンジニアとしてシステムの開発や導入、運用などについて従事し、ある分野における専門性を身につけた上で抜擢されるパターンが一般的です。ただ技術力があれば良いというわけではなく、経営者の視点から利益を拡大していくために必要な技術かどうかを判断できるようになるための経営学に関する知識も必要とされます。

CxOとして知名度が高まるCFO(最高財務責任者)とは

CxOの一つであるCFOは、企業の財務戦略に関わる責任者の肩書として知られています。CFOの読み方は「シーエフオー」で「Chief Financial Officer」の略です。意味はファイナンスにおける最高責任者で、最高財務責任者と訳されるのが一般的です。

CFOの役割は、企業が経営戦略を考える上での基盤となる資金全般の意思決定を行うことです。財務だけでなく経理についても最高責任者とされる傾向があります。経営を円滑化しつつ、最大の利益を得られるようにするための資金配分を考え、最適解を導き出すことが求められ、場合によっては資金の調達や、その資金の運用責任まで担います。

どうやったらなれるかというと、単純に財務部や経理課などで部長クラスになるだけでは不十分で、広いビジョンを持って経営に参画できる視野の広さを持たなければなりません。プロジェクトマネジメントの経験が求められることが多く、多様なプロジェクトを牽引して実績を上げていると抜擢される可能性があります。他企業で成功してきた人材をCFOとしてヘッドハンティングしていることも多いため、プロジェクトマネジメントの成功実績を作ることがCFOになるための近道かもしれません。

重要度が高まるCxOとして知られるCIO(最高情報責任者)とは

CxOの一つであるCIOは、現代社会で企業が活動する上で鍵となる役割を果たす役職です。CIOの読み方は「シーアイオー」で「Chief Information Officer」の略です。意味は情報業務における最高責任者で、最高情報責任者と訳されるのが一般的です。

CIOの役割は経営における情報業務の意思決定を行うことであり、ITが隆盛してきた現代社会だからこそ重要視されている役職です。

どうやったらなれるかについては企業方針による影響が大きく、必ずしもエンジニア出身のCIOが多いというわけでもありません。CIOはエンジニアとしてのスキルが必須というわけではないからです。プロジェクトマネジメントやマーケティングで突出した実績を上げてきた方が、ITについて学んでCIOとなるケースもあります。

企業の存続を分けるCxOであるCMO(最高マーケティング責任者)とは

CxOの一つであるCMOは注目度が高まっている役職の一つです。CMOの読み方は「シーエムオー」で「Chief Marketing Officer」の略です。意味はマーケティングにおける最高責任者で、最高マーケティング責任者と訳されるのが一般的です。

CMOの役割は、マーケティングに関わる全ての業務について統括及び執行の意思決定を行うことです。企業では多角的なアプローチによるマーケティングが行われていますが、その計画から実施、評価に至るまで全体を統括しつつ、新しいマーケティング戦略の立案も担っています。

どうやったらCMOになれるかは、転職によって抜擢されるケース、企業内でCMOとして選ばれるケースなど、さまざまあります。企業内で選ばれる場合は、マーケティングチームの一員として活躍してきた経歴を評価され、全体を俯瞰する視野がある人材だと認められることがCMOへの道といえるでしょう。ITの活用が重要となっていることから、エンジニアからCMOになるという事例も多くなっています。

これだけは知っておきたいCxO(最高x責任者)一覧

CxOとしてよく知られている肩書には上記を含めて次のようなものがあります。

  • CEO(最高経営責任者)
    シーイーオー、Chief Executive Officer、最高経営責任者。経営において最も大きな権限を持つ方のこと。
  • COO(最高執行責任者)
    シーオーオー、Chief Operating Officer、最高執行責任者。業務執行において最も大きな権限を持つ方のこと。
  • CTO(最高技術責任者)
    シーティーオー、Chief Technology Officer、最高技術責任者。技術において最も大きな権限を持つ方のこと。
  • CFO(最高財務責任者)
    シーエフオー、Chief Financial Officer、最高財務責任者。ファイナンスにおいて最も大きな権限を持つ方のこと。
  • CIO(最高情報責任者)
    シーアイオー、Chief Information Officer、最高情報責任者。情報業務において最も大きな権限を持つ方のこと。
  • CMO(最高マーケティング責任者)
    シーエムオー、Chief Marketing Officer、最高マーケティング責任者。マーケティングにおいて最も大きな権限を持つ方のこと。
  • CAO(最高総務責任者)
    シーエーオー、Chief Administrative Officer、最高総務責任者。総務において最も大きな権限を持つ方のこと。
  • CCO(最高コンプライアンス責任者)
    シーシーオー、Chief Compliance Officer、最高コンプライアンス責任者。企業コンプライアンスにおいて最も大きな権限を持つ方のこと。
  • CLO(最高法務責任者)
    シーエルオー、Chief Legal Officer、最高法務責任者。法務において最も大きな権限を持つ方のこと。
  • CPO(最高個人情報保護責任者)
    シーピーオー、Chief Privacy Officer、最高個人情報保護責任者。個人情報の管理や保護において最も大きな権限を持つ方のこと。
  • CSO(最高セキュリティ責任者)
    シーエスオー、Chief Security Officer、最高セキュリティ責任者。企業のセキュリティ対策において最も大きな権限を持つ方のこと。

おわりに

CEO、COO、CTO、CFO、CIO、CMOといったCxOの肩書は多数あります。それぞれxに相当する分野での意思決定を担う役割を果たす重要なポジションです。

CxOになるためのキャリアパスには、社内での昇進だけでなく転職という選択肢もあります。また、CxOを視野に入れながら、各分野で必要な知識や経験を自分のものにできるようなキャリアパスの描きかたもあるでしょう。

自分のケースであれば、どのようなキャリアパスの描き方がCxOへの近道なのか、一度じっくり考えてみるのも良いのではないでしょうか。

LIMO編集部