過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2021年8月22日) |
すでに老後を迎えた方のなかには、「主な収入源は年金、足りない分は貯蓄を切り崩す」という生活をおくっている方も多いのではないでしょうか。
私は、証券会社でファイナンシャルアドバイザーとして、多くのお客様の資産運用に携わってきました。
そこで今回は、現在老後を迎えている70代の貯蓄事情にスポットを当てながら、老後に困らないための資産形成についてお伝えしていきたいと思います。
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1. 70代の貯蓄は?
まずは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年調査結果」から、70代の貯蓄実態を見ていきましょう。
1.1 70代以上 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均値:1786万円
- 中央値:1000万円
平均値は1786万円となっており、現在のシニア世代はある程度の貯蓄を保有しているような印象を受けるかもしれません。しかし、平均値は少数のお金持ちの貯蓄額に数値が引っ張られている傾向があります。
より実態を反映している中央値で見てみると、貯蓄額はわずか1000万円という結果です。
続いて、同調査より貯蓄額別の割合を見ていきたいと思います。
【貯蓄額別分布】
- 金融資産非保有:18.6%
- 100万円未満:4.3%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.6%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:6.5%
- 700~1000万円未満:6.3%
- 1000~1500万円未満:11.9%
- 1500~2000万円未満:8.0%
- 2000~3000万円未満:10.4%
- 3000万円以上:19.0%
- 無回答:2.6%
いわゆる「貯蓄ゼロ世帯」は、70代世帯全体の約20%にも及ぶことが分かります。一方で、「貯蓄2000万円以上」の割合は29.4%です。
このように、70代の貯蓄実態は二極化が明確に見てとることができますね。