住民税非課税世帯等への10万円給付や定額減税など、政府による様々な支援が行われています。
さらに、ことし6月には「年金受給世帯」や「低所得者世帯」に対して追加給付金の支給を検討している旨を岸田総理が明らかにしました。
給付金額や給付要件など、詳細がどのようなものになるのか注目されています。
今回は、追加給付金の概要に加え、これまで行われてきた給付金について見ていきましょう。
1. 「追加の給付金」とは?いつもらえる?
岸田総理がことし6月21日の記者会見で話した内容をまとめると、以下になります。
- 物価の高止まりに対して「2段構えでの対応をとっていく」
- 「酷暑乗り切り緊急支援」として、8~10月の3カ月分の電気・ガス料金を補助する
- 年金受給世帯や低所得者世帯を対象に追加給付金の支援を検討する
電気・ガス料金については、8月の使用分から政府の補助が入る形となります。
一方、追加給付金についての詳細はまだ発表されておらず、秋ごろの実施を予定している模様です。
現在、住民税非課税世帯等への10万円給付が行われていますが、これとは別に給付される見込みです。
2. 10万円給付の対象となっている「住民税非課税世帯」とは?
住民税非課税世帯とは、住民税を支払う義務がない世帯のことを指します。
住民税は「所得割」と「均等割」に分けられ、それぞれ非課税となる要件は自治体によって異なるケースがあります。例えば、東京都世田谷区の場合は、以下の要件を満たす世帯が対象となります。
2.1 <所得割も均等割もかからない方>
- その年の1月1日現在で、生活保護法による生活扶助を受けている方
- 障害者、未成年者、ひとり親、寡婦の方で前年中の合計所得金額が135万円以下(給与収入になおすと、204万4000円未満)の方
- 前年中の合計所得金額が次の項目の金額以下の方
同一生計配偶者及び扶養親族がいない方:45万円
同一生計配偶者または扶養親族がいる方でかつ、次の計算式で得られた金額以下の方
35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数(年少扶養含む)+1)+31万円
2.2 <均等割のみ課税世帯>
- 前の年の総所得金額等が次の項目の金額以下の方
扶養親族等のいない場合:45万円
扶養親族等のいる場合:35万円×(本人+扶養親族等の数)+42万円
※扶養親族等:納税者と生計を一にする、合計所得金額が48万円以下の配偶者(内縁や未届の場合を除く)や親族をいいます。
3. 過去には高齢者向け給付金として3万円の給付も
昨今の物価高もあり、住民税非課税世帯等への現金給付などが行われていますが、実は以前にも様々な給付金が支給されています。
その1つが「高齢者向け給付金(年金生活者等支援臨時福祉給付金)」です。
高齢者世帯の所得全体の引き上げや個人消費の下支えなどを目的とした給付金で、1人につき3万円が支給されました。
また、2019年からは「年金生活者支援給付金制度」も始まっています。
4. 「年金生活者支援給付金制度」とは
「年金生活者支援給付金制度」は、所得が一定基準額以下の方を対象に、年金に上乗せして支給するという制度です。
年金生活者支援給付金制度は、以下の支給要件をすべて満たしている方が対象となります。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が87万8900円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 77万8900円を超え87万8900円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
給付額については、月額5310円を基準に保険料納付済期間等に応じて算出されます。
4.1 「年金生活者支援給付金制度」の給付額
例えば、1956年(昭和31年)4月2日以後生まれの方で、保険料の納付済月数が480カ月、全額免除月数が0カ月の場合の給付額は月額5310円です。
なお、障害基礎年金を受給している方は「障害年金生活者支援給付金」、遺族基礎年金を受給している方は「遺族年金生活者支援給付金」が支給されます。
<障害年金生活者支援給付金の支給要件>
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
<遺族年金生活者支援給付金の支給要件>
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
5. まとめにかえて
追加給付金の実施は秋ごろを予定している模様であり、本記事の執筆時点では詳細が発表されていません。
年金受給世帯や低所得者世帯が給付対象となる見込みですが、所得制限等の給付要件に注目が集まっています。
今後詳細が発表されたら、自分が支給対象なのかどうかに加え、手続き方法なども確認しておきましょう。
参考資料
- 世田谷区「非課税制度」
- 世田谷区「令和6年度世田谷区住民税非課税等世帯への価格高騰重点支援給付金及びこども加算について」
- 厚生労働省「高齢者向け給付金のお知らせ」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見 令和6年6月21日」
加藤 聖人