6. まとめ:老後資金をかんがえる
今回は、厚生年金と国民年金の受給額や年金から天引きされるお金について詳しく見てきました。
- 年金から天引きされるお金は介護保険料、健康保険料、住民税、所得税
- 10月から天引き額が変わる人もいる
- 厚生年金の月額平均は14万3973円だが「個人差」が大きい
- 国民年金の月額平均は5万6316円
皆さんもぜひご自身がもらえる年金受給額について確認してみてください。
年金は、私たちの老後生活を支えるうえで大変重要な資金です。しかし、年金だけでは老後の生活に不安を感じる方が多いでしょう。
では、年金以外の資金としてどのような資金があげられるでしょうか。
冒頭でもお伝えしたように資産運用があげられます。しかし、直近株式相場の下落が起こったように資産運用にはリスクがつきものです。
周りの人が始めているからといって仕組みを理解しないまま運用を開始してしまうと、緊急時にどのように行動していいかわからなくなってしまいます。
運用を取り入れることは大切ですが、どのような運用商品を活用するかはしっかりと検討するべきです。
運用を行う上で重要になってくるのは分散です。時間や資産の分散を取り入れて効率よく運用することができれば安定的に資産を増やすことができます。
まずは将来どれくらいの老後資金が必要か、年金をどれほどもらえるのかを算出して、必要資金がどれほど不足しているのか把握するべきです。
ご自身のリスク許容度に合わせて運用を取り入れてみてはいかがでしょうか。
7. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。
7.1 年金の主な種類と仕組みは?
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。
国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。
7.2 「繰下げ受給」とはどんな制度?
年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」があります。
例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。
7.3 年金を増やす方法はあるのか?
年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。
また、厚生年金に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。
さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から2.7%の引上げです~ 」
- 日本年金機構「Q.年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか。」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
堀江 啓介