5. 老後の年金受給額は十分とはいえない…物価高の対策として岸田総理は給付金を検討中

2024年6月21日、岸田総理は物価高への対応として、特に家計への影響が大きいと考えられる低所得世帯と年金生活世帯を対象に給付金を検討していると明言しました。

現時点で詳細は未定ですが、給付額や支給時期などに要注目です。

本記事で確認したとおり、給付金の対象見込となる年金生活世帯の年金収入は、長い老後生活を送るのに十分とはいえません。

さらに、止まらない物価高に生活が困窮するシニア世帯は少なくないでしょう。

給付金は近年の物価高への対応策で一時的なもの。継続して支給されるものではないため、物価上昇分のカバーに充当し、家計収支のバランスを調整していく必要があります。

現役世代の人たちは、現シニア世代のこうした現状も考慮し、安心して老後を迎えられるよう準備を進めていきたいものですね。

6. 理想の老後生活を送るための準備を

今回は、現在のシニア世代が受け取っている年金の平均額を1歳刻みで確認してきました。

あくまで「平均」です。現役世代の方は現在の働き方によって実際に受け取る年金額と乖離がある可能性があります。

「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を確認し、受け取れる年金見込み額を調べてみると良いでしょう。

年金収入だけで老後の生活費をカバーできないと試算できたら、足りない金額を準備する必要があります。

毎月の生活費の一部を将来への積立に切り替えるのも1つの方法です。仮に毎月1万円を30年間積立できたとすれば、360万円積立できることになります。

少額であっても長い期間積立すること大切なので、まずは家計の見直しから取り掛かるのもいいかもしれません。

しかし、日本は長期的な低金利状態が続いています。預金だけではなかなか増えないのが現状です。預金より効率よく将来資金を貯めるには、運用を取り入れるのも一案です。

預金で積立するのか、資産運用を始めるのか。自分にあった方法で老後資金準備を始めてみましょう。

参考資料

奥野 友貴