2024年8月5日、日経平均株価は1日で4451円28銭下落し、歴史上最大の下落幅となりました。
つみたてNISA以降、NISA制度などの普及により、資産運用を始める人も増えており、その中での大幅下落となったため、資産運用に対して不信感を持った人も多いのではないかと思います。
私は証券会社出身で、日頃AFP資格を保有し、ファイナンシャルアドバイザーとして資産形成や資産運用の相談を受ける立場ですが、相談の多くは「将来の老後生活をより良いものにするために何とかしたい」というものです。
今回のような下落局面も乗り越え、計画的に老後資金を蓄えていきたいところです。
今回は老後生活における収支の実態について確認していきます。また、老後の準備をするにあたり、まずは自分がどんな生活を実現したいのかをイメージすることが大切ですので、老後生活にいる方がどんな水準で暮らしているのかを確認してみましょう。
1. 高齢者世帯の約59%が「生活が苦しい」
厚生労働省の2023年時点の生活意識の調査によると、高齢者世帯の約59%が生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えています。
1.1 全世帯の結果
- 大変苦しい:26.5%(前回20.2%)
- やや苦しい:33.1%(前回31.0%)
- 普通:35.8%(前回42.1%)
- ややゆとりがある:3.9%(前回5.5%)
- 大変ゆとりがある:0.7%(前回1.1%)
1.2 うち児童のいる世帯の結果
- 大変苦しい:28.5%(前回22.9%)
- やや苦しい:36.5%(前回31.7%)
- 普通:31.5%(前回39.0%)
- ややゆとりがある:3.1%(前回5.4%)
- 大変ゆとりがある:0.4%(前回0.9%)
1.3 高齢者世帯の結果
- 大変苦しい:26.4%(前回18.1%)
- やや苦しい:32.6%(前回30.2%)
- 普通:36.7%(前回45.1%)
- ややゆとりがある:3.9%(前回2.5%)
- 大変ゆとりがある:0.4%(前回0.8%)
物価の高騰により、高齢者の生活がますます厳しくなっていることがうかがえます。
年金や貯蓄で生活している高齢者にとって、生活必需品や医療費の負担が増えることで、日常生活が困難になることが予想されます。特に限られた収入で生活を維持するのは簡単ではありません。物価高による影響が深刻化していると言えるでしょう。
次の章では、年金の平均受給額についてみていきます。