2. 退職後にいくら必要になるのか

特に50代ぐらいになってくると、気になるのが「定年退職後の生活資金」という方が多くなってくる年代ではないでしょうか。
ではここからは、一昨年前に話題になった「老後2000万円問題」を参考に、老後に必要となる金額を確認していきたいと思います。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」に、その2000万円の算出根拠となるモデルケース世帯の記述があります。次の図を参考に見ていきましょう。

2.1 モデルケース:夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯

【写真1枚目/全1枚】夫65歳以上&妻60歳以上の無職世帯の収支は?

【写真1枚目/全1枚】夫65歳以上&妻60歳以上の無職世帯の収支は?

これが2000万円問題の根拠です。

ちなみに、ゆとりのある老後生活を送るとなると、その金額は月に平均36万1000円となります。(※生命保険文化センター「生活保障に関する調査」[令和元年度])

前述のモデルケースと比較してみましょう。支出は約10万円増えています。モデルケースの例にならって、収支を実際に計算してみます。

  • 収入:20万9198円
  • 支出:36万1000円

毎月の収支:マイナス15万1802円

これが約30年続くとすると…

15万1802円×12カ月×30年=5464万8720円(≒5500万円)

2000万円どころか、なんと5500万円のお金を準備する必要が出てきました。

自由な時間が増える退職後の生活を考えると、思い描くセカンドライフ次第で、準備すべき金額はもっと大きな金額となるかもしれませんね。

2.2 退職後の生活とお金を「今から」イメージしてみる

老後の生活に必要な資金に決まりはありません。思い描く理想のセカンドライフも人それぞれです。ぜひこの機会に、定年退職後の生活をイメージして必要な資金を計算してみるとよいかもしれませんね。

公的年金や退職金で足りないことが分かれば、いまから老後資金を積み立てていくことで、その不足分をある程度カバーできる可能性もあります。