賃金だけみれば高卒より大卒の方がいい現実

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高卒である自分の親に「大学は卒業しておいた方がいい」と学生時代に言われて「そんなものかなぁ」と思ったことはないでしょうか。今回はその疑問について実際はどうなのかについてデータをみていきましょう。

大卒と高卒で賃金差は50歳代で50%超にも

厚生労働省は「賃金構造基本統計調査」において学歴別の賃金を公表しています。平成29年の同調査においては、「大学・大学院卒」、「高専・短大卒」、「高校卒」の学歴別、また「性別」、「年齢階級」別に賃金や賃金格差を開示しています。

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ここでは、男性でもっとも賃金が高くなる年齢階級である50歳から54歳までを見てみましょう。「大学・大学院卒」の賃金は53.3万円。一方「高卒」は35.1万円であり、その差は18.2万円にも及びます。その差の比率にして「大学・大学院卒」は「高卒」よりも52%も賃金が高いということになります。ここでいう賃金とは6月分の所定内給与額のことを言います。

また、所定内給与額を厚生労働省は以下の様に定義しています-労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(1. 時間外勤務手当、2. 深夜勤務手当、3. 休日出勤手当、4. 宿日直手当、5. 交替手当として支給される給与をいう)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額

女性の最も賃金が上がる年齢とは

今回の調査結果で興味深いのは女性の賃金です。「大学・大学院卒」の女性の場合、賃金が最も高くなる年齢階級はいつだと思いますか。

調査結果では、女性の場合は65歳から69歳の年齢階級が最も高くなり賃金は45.8万円となります。これは男性で同じ年齢階級の賃金である37.6万円と比べても高くなっています。

もちろん相当優秀な女性が仕事をされているからという指摘もあろうかと思いますが、賃金から見ても女性が活躍しているということが分かります。

学歴による賃金格差は存在する

仕事は学歴に関係なく様々な種類がありますが、こうしてデータを見ると、学歴別で賃金を見ていくとその格差は存在するということが言えます。大学に行くのかいかないのか、大学に進学したとしても学生生活をどのように過ごすのか、そして最終的に大学を卒業するかしないかというのは個人的な問題です。ただし、親を含めて「大学は卒業しておいた方がいい」ということがあるのは、賃金に関していえばそうかもしれません。

青山 諭志

参考記事

慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄といった個人の資産運用(パーソナルファイナンス)を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。