3. 生活保護受給期間中も猫と暮らせるが、忘れてはいけない「注意点」もある
生活保護を受けるための要件には動物に関する記述はありません。
しかし、生活保護の受給期間中に猫と暮らす際には注意点もあります。
3.1 生活保護の受給中は貯蓄にまわせる金額が限定され、猫の医療費の捻出が難しい場合も
保護費を受給するにあたって最低生活費以上の預貯金がある場合は、それを生活費に充てることが前提とされています。
ただし、生活保護は十分な貯蓄ができるほどの金額が支給されるわけではなく、なおかつ猫の日々の生活費も支払っていれば自身に使える金額は限られてしまいます。
猫が病気を患うと薬代として数千円の支払いが毎週のように必要になったり、治療費として50万前後かかったりする場合もあります。
治療が継続すれば、それだけ支払う額もかさみます。病気などの疑いがありレントゲン撮影を行う場合は5000円前後、血液検査を行う場合は1万円前後かかることもあります。
3.2 ペットフードの種類が予算によって限られる
無添加のものや衛生管理がしっかりしたフードを猫にあげたい飼い主も多いでしょう。
しかし、質と栄養が高いフードはそれだけ高価なことが多いので注意が必要です。
4. まとめにかえて
生活保護の受給を理由に大切な猫をはじめ、ペットと強制的に別れる必要はありません。
しかし、生活保護は最低限の生活を保障する制度であり、ペットの有無は保障費に考慮されないことがほとんどです。
また、猫の生活費は月々の固定費になるため、暮らしにおいて節約をより意識しなければならないでしょう。
このため、ペットのための貯蓄が難しく、治療費の捻出が厳しくなるなどの困りごとが生じる恐れもあります。
どうしても飼えなくなった場合や愛猫との暮らしを不安に思う場合には、はやめに相談するのがよいかもしれません。
身近にある動物愛護センターなどのサイトの情報をチェックしておきましょう。
参考資料
- インターナショナル・キャット・ケア「International Cat Day 2023」
- アニコム損害保険株式会社「2023最新版 ペットにかける年間支出調査」
- 厚生労働省「R5.5生活保護制度に関するQ&A」
- 厚生労働省「生活保護制度」
- 東京都保健医療局東京都動物愛護センター「飼い続けるのが難しくなってしまったら」
西田 梨紗