3. 国民健康保険料を払えないときの対処法
経済的な事情により国民健康保険料を払えない場合は、保険料の減免や納付猶予を受けることが可能です。
3.1 徴収猶予制度を利用する
徴収猶予制度とは、一定の事情があり国民健康保険料の全部または一部を納付できないときに、6ヵ月間徴収を猶予してもらえる制度です。
具体的な事情は、主に以下のようなケースです。
- 災害により資産などに重大な損害を受けたとき
- 事業の休止・廃止、失業、その他甚大な損失があり、収入が著しく減少したとき
申請は、国民健康保険料の納期限前に納税義務者から行う必要があります。申請する際には、「国民健康保険料徴収猶予申請書」のほかに、収入減少を証明できる書類の提出を求められるのが一般的です。
3.2 保険料の減免制度を利用する
災害により資産に損害を受けた場合や、倒産やリストラなどで収入が著しく減少した場合などで、国民健康保険料が払えない場合に、一定期間の保険料の納付を減額・免除してもらえる制度です。
詳しい内容は、収入が減少したことを証明できる書類を持参し、お住まいの自治体の国民健康保険窓口で相談してください。
3.3 保険料の分納ができるか相談する
保険料の猶予や減免が認められなかった場合でも、役所の担当者に相談すると、分納ができることがあります。担当者に、保険料の支払いが難しいことや、分納なら納付できることを伝えましょう。
ただし、自治体により対応が異なるため、まずは相談することが大切です。
4. まとめにかえて
国民健康保険料の督促や催告を受けても滞納を続けていると、最終的に保険給付が差し止められ、財産の差し押さえが行われる可能性があります。
国民健康保険は、医療費の負担を軽減する大切な制度なため、保険料をしっかり納付できるよう、保険料のための貯蓄をするのもおすすめです。
ほかの貯蓄とは別に準備することで、翌年の保険料の支払いに対応できます。先取り貯蓄などの方法で、確実に保険料の準備をすると良いでしょう。
参考資料
木内 菜穂子