5. 今から始める老後資金準備

ここまでシニア世代の貯蓄額や平均生活費などデータを確認してきました。老後に対するイメージは具体的になりましたか。

実際、今から老後資金をどれくらい準備すればいいのかは、理想とする老後生活のイメージによって異なりますので、全員が共通の準備をすればいいというわけではありません。

そのため、自分専用のプランを作成することが大切になります。老後までに貯める目標金額を設定した上でどのように準備していくべきか、プラン作りをしてみましょう。

毎月の貯金のみで準備をする方法もありますが、低金利が続く日本においては少し効率が悪いかもしれません。

金融庁は「貯蓄から資産形成へ」というスローガンを掲げ、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用した資産形成を後押ししています。こうした制度を活用した資産運用を検討してみるのも良いでしょう。

ただし資産運用にはリスクがあるので、様々な資産運用方法の特徴を知ったうえで、自分に合った方法で始めるのが大切です。

5.1 ご参考:年金だけで生活できる高齢者世帯は41.7%

厚生労働省「2022(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金だけで生活できる高齢者世帯は41.7%であることが分かりました。

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

高齢者世帯の半数以上が、年金以外の収入で生活費を補填していることになります。

現役時代のうちから年金以外の収入の柱を確保する、あるいは、取り崩すことを想定した老後資金を準備しておく必要があります。

参考資料

奥野 友貴