喫煙者にはガジェットともいうべき加熱式たばこ。その代名詞ともいえるフィリップモリス・インターナショナル(PMI)のアイコス(ICOS)。国内での加熱式たばこのシェアでは、競合のブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)のグロー(glo)やJTのプルーム・テック(Ploom TECH)に対しての高さも口にされますが、一体どのくらいのシェアなのでしょうか。今回はフィリップモリスの決算開示資料をもとにその内容を確認してみましょう。
フィリップモリスの決算書の中身をのぞいてみる
2018年4月19日にPMIは2018年第一四半期(Q1)の決算を発表しています。その中でPMIは日本での加熱式たばこ(英語:Heat-not-Burn Product, HnB)の喫煙者の保有比率を2017年12月時点のデータをもとに、エレベット・M・ロジャースのイノベーター理論をもとに説明しています。
- イノベーターズ(革新者):成人喫煙者全体の3%を占める中でそのうち75%がHnBを保有
- アーリーアダプターズ(初期採用者):成人喫煙者全体の13%を占める中でそのうち60%がHnBを保有
- アーリーマジョリティ(前期追随者):成人喫煙者全体の33%を占める中でそのうち40%がHnBを保有
- レイトマジョリティ(後期追随者):成人喫煙者の37%を占める中でそのうち30%がHnBを保有
- ラガーズ(遅滞者):成人喫煙者の15%を占める中でそのうち15%がHnBを保有
日本の加熱式たばこのシェアはどのくらいか
フィリップモリスの試算によれば、2018年Q1の加熱式たばこの国内でのシェアは15.8%と約16%。ちょうど1年前の2017年Q1が7.1%であったことを考えればそのシェアは倍以上になっていることが分かります。
また、対前四半期(2017年Q4)比では、13.9%であったので、そのシェアとしては2%ポイント程度増加しています。急激にそのシェアを伸ばしているといってもよいでしょう。
アイコスの日本での市場シェアはどのくらいか
フィリップモリスの2018年Q1の加熱式たばこカテゴリのシェアは67.9%とほぼ7割を占めています。この数字が皆さんがお感じのように日本の加熱式たばこのシェアはアイコスがほぼ独占していると感じる背景のデータといえます。
2017年Q1が65.1%であったことを考えると、そのシェアは2%ポイント以上拡大しています。
また、仙台でのヒートスティックのオフテイクシェア(店頭引き取りシェア)は2018年Q1には20.3%と先ほどの日本国内の加熱式たばこのシェアである約16%よりもさらに上振れており、国内の加熱式たばこのシェアも上昇していきそうな気配があります。
青山 諭志