今年もそろそろお盆が近づいてきましたが、8月15日は年金の支給日です。

老後の資金計画を立てるために、公的年金の受給額の目安を知ることが重要です。

現代では老後への不安が高まっていますが、安心して過ごすためには、今の貯蓄で十分なのか確認することが大切です。

そこで今回は、2023年12月に厚生労働省が公表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、最新の厚生年金と国民年金の受給額を詳しく解説します。

具体的な数字を知ることで、将来の安心に繋がる計画を立てる手助けができれば幸いです。

1. 公的年金制度は「厚生年金と国民年金」が基本

日本の公的年金制度の仕組み1/4

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

公的年金制度は、日本において「厚生年金と国民年金」の二層構造で成り立っています。

国民年金(1階部分)には、20歳以上60歳未満の全ての日本居住者が加入義務があります。

この部分では保険料が一律で設定されており、納付期間が長ければその分受給額も増えます。

納付期間が少ない場合は、受給額が低くなる可能性があります。

厚生年金(2階部分)は、公務員やサラリーマンなどが対象となります。

この部分では収入に応じた保険料を支払いますが、上限が設けられています。

加入期間と納付額に基づいて受給額が決まるため、高収入で長く働いた人ほど将来の受給額も増える傾向があります。

個々の加入状況や納付期間によって、将来の年金受給額には大きな差が出ます。

特に厚生年金は収入に応じた保険料のため、個人差が顕著です。

これらの要素を踏まえて、自身の年金計画を適切に立てることが重要です。将来に安心して暮らすために、早期からの準備をお勧めします。

2. 厚生年金の現状とは?月額14万円以上を受け取る人の割合もチェック

厚生労働省年金局が発表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金の平均月額を見ていきます。

また、月額14万円以上を受給している人の割合についても、最新データを参考に見ていきましょう。

厚生年金の受給額一覧表2/4

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

2.1 厚生年金の平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

厚生労働省年金局が公表した最新のデータによれば、厚生年金の平均月額は全体で約14万3973円です。

この平均には男女での差があり、男性の受給額は女性より約6万円高いことが分かりました。

次に、厚生年金をひとりで「月額14万円以上」受給する人は何パーセントいるのかも確認していきましょう。

2.2 【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)

  • 1万円未満:6万1358人
  • 1万円以上~2万円未満:1万5728人
  • 2万円以上~3万円未満:5万4921人
  • 3万円以上~4万円未満:9万5172人
  • 4万円以上~5万円未満:10万2402人
  • 5万円以上~6万円未満:15万2773人
  • 6万円以上~7万円未満:41万1749人
  • 7万円以上~8万円未満:68万7473人
  • 8万円以上~9万円未満:92万8511人
  • 9万円以上~10万円未満:112万3972人
  • 10万円以上~11万円未満:112万7493人
  • 11万円以上~12万円未満:103万4254人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5662人
  • 13万円以上~14万円未満:92万5503人
  • 14万円以上~15万円未満:95万3156人
  • 15万円以上~16万円未満:99万4044人
  • 16万円以上~17万円未満:104万730人
  • 17万円以上~18万円未満:105万8410人
  • 18万円以上~19万円未満:101万554人
  • 19万円以上~20万円未満:90万9998人
  • 20万円以上~21万円未満:75万9086人
  • 21万円以上~22万円未満:56万9206人
  • 22万円以上~23万円未満:38万3582人
  • 23万円以上~24万円未満:25万3529人
  • 24万円以上~25万円未満:16万6281人
  • 25万円以上~26万円未満:10万2291人
  • 26万円以上~27万円未満:5万9766人
  • 27万円以上~28万円未満:3万3463人
  • 28万円以上~29万円未満:1万5793人
  • 29万円以上~30万円未満:7351人

30万円以上~:1万2490人

※国民年金部分を含む

厚生年金を受け取る人の中で、月額14万円以上を受け取る割合が52.1%に達することがわかりました。

3. 【男女別】「国民年金(基礎年金)だけ」の平均受給額はいくらか?

老後の生活資金を考える際に重要なのが、国民年金(基礎年金)の受給額です。

では、1階部分の「国民年金部分だけ」の平均月額はいくらでしょうか。

国民年金の受給額一覧表3/4

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額

〈全体〉平均年金月額:5万6316円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4426円

3.2 【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)

  • 1万円未満:6万5660人
  • 1万円以上~2万円未満:27万4330人
  • 2万円以上~3万円未満:88万1065人
  • 3万円以上~4万円未満:266万1520人
  • 4万円以上~5万円未満:465万5774人
  • 5万円以上~6万円未満:824万6178人
  • 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
  • 7万円以上~:178万3609人

国民年金のみを受け取る場合の平均月額は、全体で5万6316円です。

男性の平均受給額は5万8798円であり、女性は5万4426円です。

特に、受給額ごとの人数を見ると、6万円以上~7万円未満の範囲が最も多いことが分かります。

3.3 「厚生年金部分だけ」で月いくらか

厚生年金を月14万円受給する場合、国民年金を除いた「厚生年金部分だけ」の受給額は、月額8万3684円となります。

4. 厚生年金の実情から考える老後資金の準備

厚生年金を受給する人々の中で、月額が14万円以上である割合を調査したところ、全体の約半数がこの金額以上を受け取っていることが分かりました。

個々の現役時代の加入期間や年収による影響が大きいため、厚生年金の受給額には大きなばらつきがあることもわかりましたね。

老後の資金に不安を感じる方にとっては、年金以外の準備が不可欠です。

近年、iDeCoやNISAなどの資産運用制度が充実し、これらを活用して早期から資金準備を進めることが推奨されています。もちろんリスクもあるので、投資についての知識を得ることも重要です。

自身の将来の年金受給額を正確に把握するためには、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を利用して情報を確認し、安心した老後を送るための計画を練ることが重要です。

これにより、安心した老後を迎えるための土台が整うでしょう。

5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金Q&Aまとめ4/4

年金Q&A

出所:日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

日本の公的年金制度は複雑で、多くの人がさまざまな疑問を抱えていることでしょう。ここでは、年金に関するよくある質問を取り上げ、その解答を解説します。

5.1 年金の主な種類と仕組みは?

日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。

国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する基礎年金で、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。

国民年金は一定の保険料を納付し、将来の年金額が決まるのに対し、厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、将来の受給額にも差が出ます。

5.2 「繰下げ受給」とはどんな制度?

年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額が1カ月につき0.7%増える「繰下げ受給」があります。

例えば、65歳から受給を開始する予定を75歳0カ月まで繰り下げると、84%増額となります。これは、長期間働くことができる人や、他の収入源がある人にとって有利な選択肢となります。

5.3 年金を増やす方法はあるのか?

年金を増やす方法はいくつかあります。自営業やフリーランスの方は、国民年金の付加保険料を支払うことで、将来の受給額を増やせます。

また、厚生年金に加入する働き方に切り替えることも一つの方法です。

さらに、老後資金を増やすという意味では、投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを利用して、自身で資産運用を行うのも選択肢です。ただし、運用にはリスクがあることに注意が必要です。

参考資料