近年の物価高騰は、年金生活者の家計に大きな影響を及ぼしています。物価上昇の中で、年金だけに頼る生活はますます厳しくなっているのが現状です。

そんな中、厚生労働省から発表された最新のデータによると、2024年度の標準的な夫婦の年金受給額は月額23万483円に増額されました。この増額分が実際に受給者の口座に反映されるのは、先月6月の年金支給日からでした。

毎年6月には、次年度4月までの具体的な年金受給額を確認するための「年金振込通知書」が配布されます。この通知書を通じて、受給者は自分がどれだけの年金を受け取れるのかを事前に把握することができます。

この記事では、2024年4月からの新たな厚生年金と国民年金の受給額について詳しく解説し、現在の受給者が実際に受け取っている平均額も紹介します。公的年金制度の仕組みを理解し、老後資金の計画作りに役立ててください。

1. 【厚生年金・国民年金】2024年度はいくら増えたか?

公的年金は、老後の主要な収入源です。今年度の年金受給額について、しっかり理解しましょう。

令和6年度の年金額例

最新の年金額例

出所:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」をもとにLIMO編集部作成

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分※1)
  • 厚生年金:23万483円(夫婦2人分※2)

※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万7808円(対前年度比+1758円)です。

※2平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。

※ただし、2023年度の既裁定者(68 歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万6050円(対前年度比+1234円)。また、厚生年金の金額は夫婦2人分となっていますが、これは「40年間会社員として月額43万9000円を稼いだ夫の厚生年金と国民年金」と「40年間専業主婦(もしくは自営業など)だった妻」を想定。

国民年金(老齢基礎年金)の満額は、2023年度の6万6250円から、2024年度には6万8000円へと引き上げられました。

さらに、夫婦世帯のモデル年金額についても、2023年度(令和5年度)の22万4482円から、2024年度には23万483円へと6001円の増額となりました。

2年連続の増額改定となります。