あなたは「日傘」にどのようなイメージをお持ちですか? 「日焼けを嫌がる女性がさすもの」ととらえている人が多いのではないでしょうか。あるいは「お年寄りがさすもの」というイメージの方も多いと思います。
ですが近年、男性でも日傘をさす人が増えつつあるようです。みなさんは街なかで、こうした「日傘男子」を見かけたことはありますか?
男性の美意識の向上
近年、男性化粧品の販売額は右肩上がりで増加しています。経済産業省の化学工業統計によると、男性用のスキンケア化粧品の販売金額は、2004年の130億円から2014年は222億円と7割もの増加になっているとのこと。
ファッションの世界では、ジェンダー(男性らしさ・女性らしさ)の境界のない服装を「ジェンダーレス」と呼ぶそうですが、こうした男女の垣根を越えるファッションを着こなす「ジェンダーレス男子」の増加などの背景もあって、外見に気を遣って化粧水や日焼け止めなどを使う男性は、より一般的になりつつあります。
こういった男性は、
「外見に気を使うのは当然」
「同僚や仕事先、家族、異性に好印象を与えたい」
といった理由から、美容への意識を高めているようです。
日傘も「美容」の一環
このような男性からすれば、美容のために日傘をさすことは、むしろ当然のことなのかもしれません。
特に女性の方々はよくご存じだと思いますが、実際のところ、紫外線による皮膚への悪影響はかなり大きなものです。紫外線を浴び過ぎることで、身体の中でメラニン色素の生成が過剰になってシミの原因となったり、肌の表面が傷ついて乾燥した結果、しわができたりしてしまいます。
女性からの意見は?
日傘をさす男性に対して、女性からの見方はどうでしょうか。
「男だから紫外線対策をしちゃいけないってことはないでしょ」
「汗だくのおじさんよりも、日傘をさして涼しげな人のほうがいい」
と肯定的な意見がある一方、まだ完全に根付いている文化ではないため、
「どうしても女性っぽさが拭えず、男らしくない」
「もし自分の彼氏がさしていたら嫌」
などの否定的な意見もあります。
美容に対して積極的な男性でも、
「化粧水や香水などを使うことには抵抗がないが、日傘は『美容への意識』を周囲にアピールしているように見えてしまう」
と日傘をさすことには抵抗があるという人が一定数いるようです。また、ネット上ではより遠慮がなくなって、「きもい」「自意識が高過ぎ」「純粋にカッコ悪い」「ジジくさい」といった辛辣な意見も見られます。
雨傘と日傘への「意識の違い」!?
ここまでは、「日傘をさすことに対する周囲からの目」について述べてきましたが、傘そのものでケガをしたり、させたりというトラブルも時折ありますよね。
たとえば、通行人とのすれ違いざまに邪魔になったり、傘を閉じて歩いているときや通勤電車の中で、傘の先端が人の身体や顔に当たったりと、使い方・持ち方に気をつけないと、他人にケガをさせてしまうこともあります。
これについては、雨傘(雨のとき)と日傘(晴れているとき)に対する「意識の違い」を指摘する人もいます。
「雨のときは他人がさす傘に多少は気をつけて歩いているけど、晴れているときに日傘を意識して歩くことはない」
「雨傘は我慢するけど、日傘は正直、邪魔」
といった意見です。ただし、これを言うのはほとんど男性だということには注意が必要です。
譲り合いの心を大切に
日傘男子が増えて、晴れていても傘をさす人がより多く増えていくと、街なかを歩くのにストレスを感じる人も増えるかもしれません。いずれにせよ、雨の時と同じく、「譲り合い」の心が大事なのでしょうね。
このように、日傘ひとつとっても、文化やジェンダーから通行マナーまで、さまざまな側面、さまざまな意見があるようです。比較的、新しい動き・考え方ともいえる「日傘男子」、あなたはどう考えますか?
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